NASCAR Cup Series
Pocono 350
Pocono Raceway 2.5miles×140Laps(30/55/55)=350miles
winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEx Ground Toyota Camry)
NCS、ポコノー2連戦の2戦目です。トラック シリーズが雨で順延されたため、史上初めて3カテゴリーが
同日開催となり、この日はいずれのレースでもポコノーでの最多記録となる9回のコーションが発生する荒れ模様。
前日はかなりおとなしかったカップは果たしてどうなるのか、とテレビ的にもつい煽りがちですw
スタート順位は上位20台は前日のリバース、PPは本来ならライアン プリースだったんですが、エンジン交換で
後方スタートになったため繰り上がり、1列目はオースティン ディロンとカート ブッシュです。
そして連日の開催なのでこのレースにはコンペティション コーションがありません。
リバースだったのはグリッドでしたが、レース結果もなんと前日のリバース。日曜日のレースを制したのは、
前日2位だったデニー ハムリンでした。
ステージ1、ディロンはスタートで誰にも押してもらえずインから兄ブッシュがリード。前日のクラッシュで
バックアップ車両での出場となっているタイラー レディックは始まって早々パワステが壊れてしまいました。
各所でまだまだバトルが展開されている中、4周目にして降雨でコーション発生。雨がらみが多いですねえ。
キツネさん登場、今季2回目ですね。アメリカはけっこうたくさんいるんでしょうか?
50分程度の赤旗でコーション周回へと戻りますが、ターン3あたりだけまだ雨が降っているようで、
少しリスタートに手間取ります。
虹がかかってすごくいい風景です^^
12周目にようやくリスタートされました。雨が降った上にタイヤも冷えたろうに、各ドライバー見事な走りで
クリーンなリスタート。カートがリード、ブレイニー、ディベネデトーが続きます。
16周目、前日大活躍だったマイケル マクダウルが激しいクラッシュ。
数周前にチェイス エリオットに押された際にバリアに強く当たっり、それが原因で車が壊れたようです。
中団はここでピット、結局コンペティションコーションみたいなタイミングでコーションが出てしまいましたね^^;
リスタート後もカートとブレイニーの争いが続きましたがカートがステージ勝利。中団以降はステージ終了前に
ピットに入ってステージ2のトラック ポジションを取りに行きますが、ジミー ジョンソンは4タイヤ交換が仇となって
周回遅れに。フリー パスは手にしましたが、これだと隊列の最後尾なので走りきった方がマシ、
戦略的には失敗です(+_+)
カート、ブレイニーら数台はこのステージ間コーションでもステイ アウトし、昨日の「アルミローラ作戦」です。
ステージ2、このリスタートの攻防で今日初めてブレイニーがカートの攻略に成功しリーダーになります。
上位勢は給油のタイミングが迫っています。
39周目、クリストファー ベルがクラッシュ。ターン2でスピンしてリアからウォールに直撃、そのままガレージへ。
引っ張り続けている組は当然ここで入るものと思われましたが、カートが入ったのに対してブレイニーは
ステイアウト。ここでの給油ではステージを最後まで走りきれないので無駄と判断したようです。
45周目にリスタートも、ターン3でクリス ブッシャーがスピンしてクラッシュ。前日は10位、今日も好調だった
ブッシャーですがここで脱落です。
このコーションでも上位3台はステイアウト、ブレイニー、トゥルーエックス、カイルの3人だけが未だに
今日一度もピットに入っていません。
51周目にリスタート、元々夕方遅くに開始されたレースが中断とコーションもあったため日没が近づいており、
走りきる前に日没でレースが終了する可能性が各陣営によぎり始めました。
ブレイニーは57周目にようやくピットへ、この後トゥルーエックス、カイルとピットに入り、ハムリンがリーダーに。
今上位に来ている人たちは、ステージ2終盤で給油+4タイヤの作業を行ったうえで、ファイナル ステージ
残り45周あたりで燃料追加+2タイヤだけを行う「ハービック作戦」の可能性が高い人たちです。
しかし76周目、カイルが大クラッシュ。周回遅れのギャレット スミスリーに詰まったところでブレイニーに
後ろから押されて回った様子です。ここで燃料が少ない上位陣はピットへ。ブレイニーも接触の影響で
ピットを選んだので、アルミローラ作戦をなおも続けるのはトゥルーエックスだけになりました。
なお、中継で登場したこちらの画像は、GPSデータを基におおまかな位置関係をバーチャル映像化したもの
カメラに捉えられていないアクシデントで役に立つことがあるのかもしれません。後ほど映像が見つかり
完全にぶつけてますねw
80周目、ケゼロウスキー、アルミローラの1列目でリスタート、アルミローラがインからリードを奪いますが、
ライアン プリースの単独スピンでまたもコーション。また数台がピットへ向かいます。
ダレル ウォーレス ジュニアは間一髪これを回避、バンプで車が飛びながらの神回避に本人も大興奮でしたw
ステージ2残り2周でのリスタート、だいぶ陽が傾いて正面のカメラでは車両の判別がしづらくなってきました。
今度はケゼロウスキーがやり返してリードを奪いそのままステージ勝利、後ろの援護がないと
リスタート順位を守るのはなかなか大変です。ちなみにケゼロウスキーはペンスキーとの契約が今季までですが、
Sports Business Journalのアダム スターンが伝えたところによると、まだペンスキーから来年のオファーは
届いていないとこのと。そのため、ジョンソンの後継としてヘンドリックの#48に乗るとの噂があります。
ケゼロウスキーは元々カップシリーズにはヘンドリックからデビューしています。
多くはステージ間コーションでステイアウト、トゥルーエックスはステージ4位とアルミローラ作戦の要である
トラック ポジションを得られていない上にタイヤも周囲より古いのでピットへ。アルミローラ作戦は柔軟性が低くて
なかなか機能しないみたいですね。ちなみにそのエリック アルミローラは今日はアルミローラ作戦ではありませんw
そしてここから先は各陣営、条件は違えど『残り1ピットでサイクル終了後に自分が前に出られる方法を考える』
ということになります。
ファイナル ステージ。ケゼロウスキーはリスタートでのリードを保ったまま、残り45周でピットへ一番乗り。
4タイヤ交換で行きました。
残り40周、ジョンソンがピットに入りますが、タイヤがコロコロコロ・・・・
残り35周、暫定リーダーのハービックが2タイヤで昨日と同様に勝利を狙います。これでリーダーはハムリンに。
コーションが出るとたちまち大損しますが、ハムリンは前が開けたところで猛プッシュしオーバーカット狙い。
ピット直後のハービックは前が開けていて一旦差は縮まったものの、ハービックは次第に先行車両に
詰まるようになり、ハムリンはオーバーカットに向けて差を広げていきます。
そして残り20周、オーバーカット可能と判断したハムリンが2タイヤ交換のピット、ハービックの前方でコースに
復帰、実質リーダーです。ハービックは多少差を詰めたものの、前日のハムリンのようにバイブレーションを
訴えます。そのわりに別にペースが落ちないのも昨日と同じですw
そのままハムリンは最後まで逃げ切り、ポコノーで自身6度目のトップ チェッカーを受けました。
ハムリンはデビュー年にいきなりポコノ―で連勝するなど最初の9戦で4勝と驚異の勝率を誇った一方、
2011年後の再舗装以来めっきり勝てなくなったことでも有名ですが、ここ3戦は1位、2位、1位。
リバース グリッドで19位、20位からスタートしたハムリンとハービックが結局前日と入れ替わりで1、2位と
やはり車が決まっていれば出るべき人が出て来るなと思い知らされました。
敗れたハービックですが、レギュラー シーズンのポイントでは2位のブレイニーに52点差を付けてトップ。
アベレージ フィニッシュは依然として7.3と驚異の数字を叩き出しています。
そしてわれらがMatt Dは6位でした、お見事!ポイントでは14位を維持し、12位のジョンソンまで
わずかに6点差と迫っています。
現地の熱心なファンの方は、朝からNASCAR三昧な一日となりました。2.5マイル超のトラックと
ロード コースに関してはステージ制は無くすか、ポイントは付けるけどコーションは出さないようにしないと
戦略が全部逆算になってコース上の争いや波乱が少なくどうしても単調になりがちですね。
この週末はたまたま最後にハービックとハムリンが良い争いを演じましたが、これはステージ制導入以降
ずっと抱えている課題だと思うので、新常態を考えていくこの時代だからこそ、レース運営見直しの
一貫としてぜひ考えていただきたいなと思います。
次戦はインディアナポリス、またロードコース戦略のレースになりますかね。