Monster Energy NASCAR Cup Series
Gander RV 400 
Pocono Raceway 2.5miles×160Laps(50/50/60)=400miles
winner:Kyle Busch(Joe Gibbs Racing/
           M&M's Hazelnut Spread Toyota Camry)

 MENCS at トリッキー トライアングル・ポコノ―。
毎年単調なので個人的にはあまり好きでないイベントですが
これが今年のパッケージでどうなるのかが見どころでした。
 ここが不人気なのはどうやら間違いでは無いようで、
NASCARは来年、ここでのレースを土日の連戦にするとしています。
 また、Generation 7へと車体規則が刷新される予定の2021年に
向けて、集客と視聴率改善のために年間開催数やレース距離の
見直しにも踏み込む意向を示しているようなので、来年の
状況次第では1回開催や契約が切れた段階でのカレンダー落ちも
考えられそうです。

 そうなると地元の人には残念なのでなんとか盛り上がって
もらいたいところですが、今年もやはりそこまで変化はなく、
カイル ブッシュが後半敵無しで今季4勝目を挙げました。

 今回のポコノ―は昨年とは少し異なります。従来ここは
とても長い直線から激しい減速でターン1へ進入するため、
場合によっては4速から3速へと落とす必要がある年間でも
数少ないトラックでした。
 しかし今年は最高速が落ちてダウンフォースが増えたので、
この速度差が小さくなったため4速ホールドでの走行になります。
シフト操作の上手い下手や、うっかり入れるギアを間違えて
エンジンをぶっ壊すことはなくなりましたね。

 そしてなんとビックリ、今年のYouTube再配信で初めて
画面にテロップが!!!!!!!!!!!!!!!
 おそらく今年からNASCARのYouTube向け映像はFOXが
テロップやオーバーレイを追加する前の”生映像”状態を使って
いるために何も表示がなかったと思うんですが、戻してくれたのか
今回だけだったのか。
 そういえば今回のレース、いつもならある
"DURACELL quick words"とか無かったけど、それが
関係してたりするんだろうか。


 PPはまたもウィリアム バイロンでした。
夜の雨により20周でコンペティション コーション、そして
ファイナル ステージの時間帯にまた雨が降るかもしれない、
という予報が出ていました。

 20周まではバイロンがリード、エリック ジョーンズ、
カイルが続く静かな展開。
 ここは1周が長くピットに入ってもトップから離れていれば
周回遅れにならないため、ケビン ハービックはなんと
コンペティションコーション直前にピットへ。
規則でコンペティションコーションまでは給油禁止なので
タイヤのみを替えますが、これでコンペティションコーションでは
給油だけを行って時短作戦。
 このコーションでは2タイヤ交換も多かったので、見た目の
順位では少し下げたものの、4タイヤ交換組として考えれば
実質的には順位を上げました。

 コーション以降は2タイヤで前に出たカイル ラーソンが
そのまま難なく逃げ切ってステージ1勝利。
 29周目にオースティン ディロンがポール メナードと接触、

クラッシュしてリタイアとなりますが
イメージ 1
自走できないので手押しするクルーの映像が無駄にカッコいい( ゚Д゚)
解説のジェフ ゴードンは大爆笑でしたがw

 ステージ2はブラッド ケゼロウスキーと
マーティン トゥルーエックス ジュニアだけがステイ アウト。
彼らはクリーン エアーを受けて走った上で、ステージを
10周ほどしただけでピットに入って給油、それでステージ2を
走り切ろうという戦略。
 ところがリスタート早々・57周目にマット ディベネデトーが
スピンしてコーション発生。マットさん、今回は
フリー走行でいきなりエンジンが壊れてリアからのスタートで
レースでもスピンと大変でしたが、終わってみたら17位でした。

 これでステイ組はこれ幸いとピットに入りはしましたが、
ここで給油したら走り切れるのは他も同じなので、
ステージ1終了後に入ったばかりの人もここで入って給油のみで
ピット アウト。
 ケゼロウスキーもトゥルーエックスもタイヤを替えるので
集団に埋もれてしまい、作戦はむしろコーションで不発に
終わりました。

 この後もマット ティフトが61周目にスピン、
69周目にはコリー ラジョーイが壁ドンでコーション。
さらにトゥルーエックスはエンジンが壊れてリタイア。

 レースを引っ張るのは弟ブッシュでしたが、ファイナル ステージで
前からリスタートするためにステージ終盤にピットへ。
同じ作戦が数台出たので、結局ステージ2の勝利も
ラーソンがいただきました。ごっつぁん。

 ファイナルステージ、作戦行使の9人がステイアウトで
前からリスタートし、1列目から出たカイルとケビン ハービックが
後続を引き離していきます。

 正直ここまでくるとできることは少なくなります。
コース上ではなかなか抜けませんし、コーションを待って
燃料が切れるまで引っ張る作戦は、周回遅れにならない
このトラックでやるとコーション後にビリになるので
役に立ちません。
先に動いてアンダーカットしても得られるのはほんの数秒。

 というわけであとはタイヤの交換本数ぐらいしか
出せる知恵が無いので、残り42周、ケゼロウスキーが
ウインドウギリギリで真っ先に動いた上で2タイヤ交換。
 残り37周でカイルとハービックも同時に入り、ここで
ハービックも2タイヤで逆転!のはずでしたが、なんと
アンコントロール タイヤのミスでペナルティー。
イメージ 2
右前のチェンジャーが持って帰らないといけないはずなんですが
ジャッキさんに任せてしまったようです。2タイヤなんだから
慌てなくてよかったのに、ロドニー チルダースも思わずあきれ顔。
イメージ 3
 この後結局パワー ステアリングの問題が出たらしくハービックは
失速して22位でした。

 もはや追う相手も来なくなってカイルは独走、147周目に
リッキー ステンハウス ジュニアがクラッシュしてコーションが
発生しましたが、
11台はステイアウト。リスタート後にはラーソンが
積極的に動いて行きますがクリント ボイヤーと軽く
接触してバリアに強打。現在プレイオフ圏ギリギリにいるため
ポイントが必要なラーソンには痛いミス。26位に終わりました。

 弟ブッシュはそんなこと関係なしの快走でそのまま逃げ切り、
通算55勝目のチェッカーです。
 今季ここまでの平均順位は6.3と全ドライバー中でぶっちぎり。
全周回数のうち走れていないのはカンザスの3周だけで、
総周回数4461周、総走行距離5763.08マイルはいずれも最多。
今のところホームステッド行き最有力の一人ですね。

 規則が変わっても結局抜けないのは変わらないレースでした。
並走すると2台ともサイド ドラフトで失速するので
リスタート後しばらく抜きつ抜かれつがあるものの、それを
過ぎると縦一列になってしまって誰かが事故るのを
待つだけになってしまいます。

 ステージ制は人為的な変動を促している、と運営は考えて
いるんでしょうが、周回数の先が見えてしまうとここでは
逆算してピットに入れば特にデメリットが無いので
むしろ固定化につながっている気がします。
『ステージ ポイントを取るか次のステージのリスタート位置を
取るかで悩ませる』という意図も、正直お客さんが
レースを見るという部分においては重要度は高くないですし、
明らかに速い人がピットに入った結果、残った人が得た
ステージ勝利を面白いと思う観客は少ないでしょう。
 個人的には、年1回開催で、2マイル以上のトラックには
ステージ制は適用しない方が良いと思います。

 次戦はミシガンです。