Monster Energy NASCAR Cup Series
STP 500
Martinsville Speedway 0.526miles×500Laps(130/130/240)=500miles
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Reese/DrawTite Ford Mustang)

 MENCS 第6戦は私の好きなマーティンズビル。
今回もテロップ無いんですけど今年は無いのが普通なんですかね、
500周のレースで情報無いのはけっこう辛いんですけど(+ +)
 しかしことリーダー争いという点ではテロップ類はほぼ
不要なレースになりました。
 なぜならブラッド ケゼロウスキーが終始レースを制圧していて、
他のドライバーがリードしたのは500周のうちわずか54周しか
なかったからです。



 PPはジョーイ ロガーノでしたが、ロガーノは見るからに車が
ルースですぐにケゼロウスキーがリーダーに。
タイヤの空気抜けてるんじゃないか、と思うぐらいぐにゃぐにゃと
していたロガーノ、結局19位でレースを終えました。

 6周目からリーダーとなったケゼロウスキーは、
アンダー グリーンでのピットがなく、トリッキーな作戦も
飛び出さない展開だったため、ステージ1、2を制して
ファイナル ステージの324周目までリードを記録し続けました。

 そんなケゼロウスキーに対しては、チェイス エリオットや
ライアン ブレイニーが対抗する速さを見せたもののなかなか
牙城を崩せず。
 しかし324周目、とうとうチェイスがこれを捕まえてリード、
チーム ペンスキー以外でこのレース初めてのリードを奪いました。
 解説の話を総合すると、リードする立場のケゼロウスキーは
アジャストで現状維持を求めるのに対し、追う側は色々と
変更を加えるので、それがここに来てハマったのではないか、
という話。
 チェイスのクルー チーフであるアラン ガスタフソンは
解説のジェフ ゴードンの最後の相棒でよく知っているので
「彼はエンジニアからクルーチーフになっていて、そうした
クルーチーフはたくさん見てきたがその中でもベストの一人」
とガスタフソンをべた褒め。そんな名クルーチーフの助けを借りて
チェイスがここからリードしていく、とはなりませんでした。

 372周目、マット ティフトがタイヤかブレーキか、トラブルで
壁に突撃してコーション。このピットで僅かに手間取って
再びケゼロウスキーにリードを奪われてしまいます。
 この後さらに一度のコーションがありましたが、
ケゼロウスキーはリスタートから先に逃げてしまい、
追うチェイスはまず2位争いに決着を付けてからでないと
追い上げられない展開。
 最終盤にはライン取りを大幅に変える試みがハマって
タイムを上げてきたもののあえなく時間切れ。
ケゼロウスキーが446周のラップ リード、全ステージ制覇の
60点+プレイオフ ポイント5点の満額回答で
トロフィーのグランドファーザー クロックを手にしました。

 カイル ブッシュが3位でポイント争いではトップ、4位に
ブレイニー、良い感じでレースを組み立てています(^_^)
 ショート トラックではなぜか勝ったことがない
マーティン トゥルーエックス ジュニアは8位でまたも勝てず。
 シボレーでチェイスの次に上位だったのはオースティン ディロンで
これが11位、弟のタイ ディロンもがんばって13位でした。


 これで大まかに全種類のトラックを消化したシリーズですが、
勢力図としては、やはりフォードのペンスキーとSHR、
トヨタのJGRが3強を形成しています。
 シボレーは高速仕様のパッケージではエンジン面で劣っている、
という可能性が高そうです。前戦でも、リポートの中で
「ストレートで劣っている」という言葉があり、普通に考えて
NASCARで特定のメーカーだけ空気抵抗が大きい、なんてことは
考えにくいですし、ショート トラックならそこそこ戦えています。

 このカテゴリーのお金の注ぎ込み方、メーカーの関与度は
日本からでは読み取れませんが、トヨタはTRDがエンジンを
開発しており、いわばメーカー直系のワークスのエンジン。
 フォードはラウシュ-イェイツが開発していますが、こちらも
フォードのレース部門を任されており、おそらくリーマン危機から
ある程度立ち直って予算を使えるようになった際、NASCARへの
配分がある程度なされたものと思われます。ここ数年彼らは
かなり性能を向上させていて、ドライバーからもラウシュの
貢献を称えるコメントが多いです。

 それと比較すると、シボレーはヘンドリックとチップ ガナッシに
供給されるヘンドリック エンジンと、RCRなどに供給される
ECRエンジンの2つに大別されますが、いずれもメーカー直系、
というよりは、昔ながらの『エンジン ビルダー』という要素が
強いと思われます。
 ある意味、古臭い昔ながらのやり方でずっとやってきたこの競技に、
トヨタ-TRDという勢力が入ってきて、しかも圧倒的に競争力を
得るようになったGeneration-6の導入(2013年)以来、
『ゲームのやり方』が変わってきて、シボレーはそこに積極的に
乗らなかったのがここ数年の不調につながっているのかな、
という感じがします。

 ショートトラックで戦えている、と言ってもチェイス以外は
トップ10を争うので精一杯な感じで、今のままだと
リーダーを争う顔ぶれが固定化されてしまいます。
 今年はこのマーティンズビルですら大きなアクシデントが
少な目でしたが、バチバチやり合うには競争相手の数、メンツが
足りていないことも一因かなと思うので、奮起を期待したいです。
 次戦はテキサスです。