Monster Energy NASCAR Cup Series
Ticket Guardian 500
ISM Raceway 1mile×312Laps(75/75/162)=312miles
winner:Kyle Busch(Joe Gibbs Racing/Skittles Toyota Camry)
MENCS第4戦フェニックス。今季初のショート オーバルで、
今季の新規則で誕生した2種類のパッケージのうち、低速用が
初登場となりました。
レースはカイル ブッシュが前日のXfinityに続いて連勝で
この週末をスイープ。カイルはこれでトラックを含めた
主要3シリーズで通算199勝となり、節目の200勝に王手をかけました。
このレース、予選で一悶着。現在はNASCARもいわゆる
ノックアウト方式の予選ですが、1マイルのトラックで
アタックをギリギリまで待っていた結果タイミングが合わず、
マイケル マクダウルに引っかかったダニエル スアレスがQ1落ち。
で、セッション後に
殴り合いになりました(^-^; 話題をさらった二人はグリッドが
並びとなり、レース前のパレードで”相席”に。
解説のジェフ ゴードンが
「彼は重圧を感じているのだろう。ステップアップしてすごい
チャンスがやってきて、速い車を手にして当然ラウンド3に
行かなければと感じていたはず」と
いったことを指摘していましたが、確かにそうだと思います。
JGRではまだ経験が浅いうちに結果的に席が無くなって
SHRへ移りましたが、ここで他の3人より見劣りする結果しか出せないと、
もう若手扱いも長くはないですし、機会は巡って来なくなります。
さて、PPはライアン ブレイニーでしたが、スタートと共に
チェイス エリオットに抜かれます。
「彼は練習でも序盤数周はルースだったのに、なぜイン側からの
スタートを選んだのか不思議」とゴードン。確かにそうですが、
これが思わぬ結果を生みます。
チェイスがスタート/フィニッシュの手前で抜いてしまったために
スタート違反となりペナルティー(´・ω・`)
なぜかミスったらライバルが消えたブレイニーでしたが、
ペースで上回るのはカイルでした。
結果的にステージ終盤のコーションで作戦が分かれたため
ステージ勝利はブレイニーでしたが、カイルがほぼこのステージを
圧倒していました。
ステージ2はカイルが先頭でリスタートするとそのまま
コーションも無くトップを快走。
ステージ残り3周というところでアレックス ボウマンがクラッシュして
コーションとなりこのままステージ終了となりました。
ファイナル ステージ開始早々、話題のマクダウルクラッシュ。
スロットルが ペダルが壊れて、どうやら引っかかって戻らないので
緊急ブレーキでオカマを掘られたようです。スアレスがこれを見て
「ザマアw」と言ったかどうかは知りません。
166周目にリスタート、

ほとんど誰も黄色い線の外を走らなくなりましたw
219周目、バイブレーションを訴えていたチェイスがスピンして
コーションとなると、まだ燃料ウインドウには少し遠いものの
ほとんどがピットへ。ここでオースティン ディロンが給油のみで
先頭でピットを出ると、チームメイトで今回日本の企業。オークマが
スポンサーのダニエル ヘムリックがステイ アウトでRCRが1列目占拠。
今回は速さが見られない砂漠王・ケビン ハービックが2タイヤでこれに
続くなど作戦が分かれます。カイルは4タイヤで8位から。
この時点ではもう1ピットも視野に入っていた各車ですが、
この後ライアン プリースのクラッシュ2連発でコーション周回が
続いたため、燃費レースへと頭を切り替え、239周目にリスタート。
しばらくは2タイヤ組からエリック アルミローラがリードしますが、
251周目にブレイニーが外から見事に抜いてリード。
ここにカイルがじわじわと追い上げていき、終盤は
ブレイニーとカイルの一騎打ちムードに。
ロングでの速さではカイルに分があり、「すごくタイトだ」と
訴えかけ、なおかつ燃料も2周足りないというブレイニーを295周目に
抜いて再びリーダーに。
カイルも燃料は楽では無いので、ブレイニーを見て飛ばさないよう
すかさず無線が飛びます。
このままカイルが逃げ切って終わりかと思われたレースでしたが、
最終盤に登場したのがマーティン トゥルーエックス ジュニアでした。
残り15周、カイルがリーダーになった時点では8.5秒も差が
あったのに、残り10周で5秒、残り5周で2.5秒と、計算上
真後ろに来る追い上げ。どうやって燃料を節約したのか^^;
ディロンが真っ先に燃料切れでピットに飛び込んで
いよいよ危険信号も灯る中でしたが、最後はカイルも粘って
1秒以上の差でフィニッシュ。バーンナウトできたのでまだ
燃料ちゃんとあったんじゃないかあ(´・ω・`)
トゥルーエックスはさすがのしぶとさ、ブレイニーも貯金を
食いつぶしつつ3位で上出来な結果だったと思います。
一方このレースではトラブルも多発、エリック ジョーンズは
スタート直後からルースを訴えていると思ったらタイヤの問題かスピン。
ブラッド ケゼロウスキーはフロントのスウェイバーが壊れて
タイヤに影響したらしく、急にハンドリングが悪化しクラッシュ。
マット ディベネデトーは終始10~15位を走行しており、
素晴らしいレースを見せていたものの残り48周でオルタネーターの
トラブルにより無念の脱落。
ボウマンやチェイスのアクシデントもルース ウィールや
タイヤorブレーキ関係のトラブルが要因と思われ、負荷の大きい
ショートトラックでかなり色々と問題が出ました。
個人的には、こちらのパッケージは9000rpmは回りますし、
大型スポイラーで空気に穴を開ける、と言っても絶対的な速度域が
低い分そこまで乱気流の影響は受けないので、
接近したレースが続いて、適度にアクシデントもあって
面白いレースだと思いました。
正直、今年のパッケージは方向的に逆ではないかと思います。
どちらかと言えば、テイパードスペーサーを排除して
900馬力近い本来の性能に戻した上でダウンフォースは削減、
タイヤだけは頑丈なできるだけデグラデーションの小さいものを
用意することで、扱いづらい速い車を可能な限り速く走らせた奴が勝つ、
という方が盛り上がる気がします。
アトランタ、ラスベガスと新人がけっこう頑張っていましたが、
もちろん彼らの能力もありますが、NASCARの最も
難しい要素であるコーナリング技術が、ほとんど減速がいらない
規則によって薄められているので、極端な言い方をすれば
車がちゃんとしてれば誰でもそこそこ速く走らせることができる
規則であることも関係しているのではないか、今のところ考えています。
次戦はオートクラブ、だだっ広い2マイルトラックですが、
果たしてどんなレースになるでしょうか。
単調な200周パレードは勘弁してもらいたいです^^;