Monster Energy NASCAR Cup Series
1000Bulbs.com 500
Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps(55/55/78)=500.08miles
winner:Aric Almirola(Stewart-Haas Racing/
                                 Smithfield Bacon for Life Ford Fusion)

 MENCS at タラデガ。プレイオフで最大とも言える難所です。
今回、長年に渡ってNASCARの映像ディレクターを勤めてきた
マイク ウェルズという方の引退レースということで、レースが始まると
NBCの中継は実況ではなくウェルズが各スタッフに、まるで
オーケストラの指揮者のように映像作りを指示する音声で始まる
珍しいものでしたが、そんな彼の引退レースはやはり簡単には
終わりませんでした。

 予選ではカート ブッシュがPP、以下クリント ボイヤー、ケビン ハービック、
エリック アルミローラとなんとスチュワート-ハース レーシングが独占。
 そしてこの強さは一過性ではなくレースでもそのまま発揮されます。
ステージ1はジェフリー アーンハートのフラット タイヤで
一度のコーションが発生しますが、レースは常にSHRが上位を独占。
 コーション後には、ここにチームペンスキーの3台+
チェイス エリオットの8台だけがリード パックとなってしまうと、
その後ブラッド ケゼロウスキーがルース ウィールで脱落。
 この1台が脱落したわずかな乱れでなんとSHR4台だけが単独で
リードパックを形成する異質の展開となり、そのままカートが
ステージ1を制しました。
 コーションの発生時期が燃料ウインドウギリギリだったため、
エリオットはピットが開く前に給油に入る羽目となり後ほど
ペナルティーを受けることになります。


 ステージ2はピットで逆転したライアン ブレイニーと
周回遅れのケゼロウスキーが1列目(なぜ前に配置されたのか謎)
で始まりますが、ほどなくジミー ジョンソンがスピンしてコーション。
 ジョンソンに関しては、ずっと組んできたクルー チーフの
チャド カナウスとのコンビがとうとう今季いっぱいで解散と
なることが分かりました。
 カナウスは来季ウイリアム バイロンの担当へ、現在バイロン担当の
ダリアン グラブは車両開発を統括するテクニカル ダイレクターへ、
そしてジョンソンの新たな相棒には、現在NXSでエリオット サドラーを
担当している37歳のケビン ミーンダリングという人が就くことに
なりました。

 さっきよりも長い距離が残るタイミングでのコーションですが
全車ピットへ。この後もSHRがリードする展開は変わらず、
第2パックは前を追うどころかお互いに前に出ようと
サイド ドラフトを使い合って足の引っ張り合いにすら見える状況。
もう前の4台は勝手にやっててくれ、状態です。
 あとは燃料が心配でしたが、ステージ残り7周でカイル ラーソンの
タイヤがバックストレッチでいきなりぶっ壊れてスピン。

幸い巻き添えも無くコーション。しかし時速300km/hでいきなり
前輪がぶっ壊れて横を向く車って想像もしたくないですね^^;

 これでステージは残り3周でリスタート、レースを考えれば、
このコーションでピットに入っておいてファイナル ステージを
前からリスタートした方が有利ですが、SHR勢を筆頭に11台が
ステイ アウトを選択。勝つしかないアレックス ボウマンなどは
ここでピットには入りました。ステージはハービックが制します。


 解説によると、SHRはスポイラーをライバルよりも削って
ハンドリングを犠牲に抵抗を減らしているとのこと。
前から見た時にスポイラーの見え方が違う、と言っているのですが、
イメージ 1
それよりも直線でカートが明らかにカニ走りみたいな姿勢になっている方が
よほど気になりますw 右に向かって走っているように見えますけど、
この角度でレーンの真ん中を維持して走ってるんですよ(´・ω・`)

 ファイナルステージは先ほどピットに入った人が来るので
このレースで初めて顔ぶれが大きく変化。
 周回遅れから戻ってきたケゼロウスキー、バイロン、
ジェイミー マクマーリー、ダレル ウォーレス ジュニア、タイ ディロン、
J J イェリー、とあまり書かない名前が並びます。
 ここで初めて気づきますが、BKレーシングのイェリー、
トヨタじゃなくてフォードの車です。
調べたら初めてのフォード使用だったようなんですが、次戦では
トヨタに戻すようで、特段調べてもフォードに変更、という記事も
見当たらず。スーパー スピードウェイ用の車の手配に困ってたんですかね?

ボウマンはこれで前に出るはずでしたが、ルース ウィールの疑いで
結局ステージ後にもう一度入って作戦が台無しになります。

 先ほどまでのSHR無双ではないのでようやく争いが活発になり、
バイロンがしばしレースをリード。しかしCM中の136周目に
マクマーリーのタイヤが壊れてコーション。
これでチップ ガナッシのタイヤ故障は2度目、マクマーリー自身は
前回もフリー走行中のタイヤ故障から宙を舞っており、セッティングに
問題がありそうです。

 残りが50周弱となりますがここで全車ピットへ。燃費レース覚悟です。
カイル ブッシュやマーティン トゥルーエックス ジュニアは
燃料をつぎ足しながら後方リスタートで終盤の燃費レースを
想定した戦略。
 ただトゥルーエックスは車が絶不調、バランスが悪い上に、
右リアのロッカーか何かが壊れているようで、かなり酷い、と
情報が来ていて、まともに勝負できない状況です。

 上位はまたSHRとペンスキーが中心に戻り、燃料も気になるため
大きな動きは無し。
 160周目、ピットからタイヤが転がって芝生まで到達し
やむを得ずコーションとなると、上位がステイアウトを選ぶ一方、
先ほど後方で待機を選択した人達はここで給油して万全の体制を
整えます。万一オーバータイムになってもこれなら安心です。

 残り24周からリスタート、SHRの4台体制をなんとか切り崩そうと、
10周を切るあたりからレースを動かす試みが活発となります。
 ペンスキーの3台がサテライトのウッド ブラザーズとともに
動きを見せますが、ライアン ブレイニーは迷って追随に失敗。
ああ、やっちまった、と思っていたら、数周後にはなぜか
ブレイニーがその集団を率いており、いかに混とんとしているかが
分かります。それを無視して黙々と隊列走行するSHR勢( ゚Д゚)
4台の集団が5位以下の第2集団を2秒近く離したまま残り5周を切る
シラケそうなトップ争いでしたが、残り3周で
とうとうアクシデント発生。ボウマンが滑って堪えられずスピン。
 これでオーバータイムとなります。
困ったのは138周目以降ピットに入っていない上位陣。
1回のコーションでギリギリ足りると思ったのに、距離が伸びたので
またしてもガス欠危機です。
 リスタートを迎えた段階でも、節約しようとエイプロンを走って
隊列が揃わねえなあ、と思っていたら、ハービック、ケゼロウスキー、
ブレイニーはここでガス欠しピットへ。
これならコーション中にやせ我慢せず入った方がマシでした。。。

 これでコースに残った人たちもガス欠する危険性が高いのは明白、
そんな中でカートとアルミローラが先頭争い。
 残り1周のターン1で事故発生!ですがコーション無し( ゚Д゚)
そしてターン3から4に差し掛かったあたりでカートもガス欠( ゚Д゚)
アルミローラは最後まで燃料がもち、トップでチェッカー。
デイトナ500では最終周のバックストレッチでリードしていながら
無駄にブロックしすぎて吹っ飛ばされたアルミローラが最後は
持久戦を制して通算2勝目を挙げ、次ラウンド進出を決めました。

 ガス欠やら最後の事故やらでコンテンダーも色々と煽りを受けて
訳が分からなくなりましたが、スタンディングスは
イメージ 2
こうなりました。結局コンテンダー12人のうち6人が23位以下となり、
前戦まで安泰の位置にいたトゥルーエックスがなんと8位。
レース中には一時的に当落線の下に落ちていたぐらい、
ずっと下位を走っていましたので、最後はペンスキーのガス欠に
救われた感じもあります。
そのペンスキー勢はガス欠コンビが揃ってピンチになりました。
車が速かったのに、アクシデントではなく燃料切れでの後退、
ということで結構痛い出来事でした。

 もし最後のアクシデントでコーションが出ていればカートが
勝っていたはずですが、NASCARは最終周に関して言えば、
もう一度事故現場に競技中の車両が来ることがないため、
事故現場の後ろに車がいなければそのまま流すことはよくあります。
今回は実際にはガス欠した組などがしょんぼりと走っていたので
車が後ろから来るわけですが、数台ならまあ気付いて減速するだろう、
ぐらいの感じで流したようですね^^;

 次戦はカンザスです。