Monster Energy NASCAR Cup Series
Federated Auto Parts 400
Richmond Raceway 0.75miles×400Laps(100/100/200)=300miles
winner:Kyle Busch(Joe Gibbs Racing/M&M's Toyota Camry)

 MENCS プレイオフ 第2戦はリッチモンド。施設をかなりの
資金を投じて回収し、コース名が昨年までの名前から
『International』が外れていたことに今気づきました。
春のリッチモンドの記事も訂正しときました(´・ω・`)

 0.75マイルのショート トラックはタイヤ・ブレーキの管理が
重要なレースになってきます。
レースはそのロング ランでの速さがポイントとなり、
カイル ブッシュが39位からの優勝で次ラウンドの切符を手にしました。
 
 PPはケビン ハービック。NASCARでは予選順位の上位から順に
ピット位置を選ぶことができ、通常は出やすい1番出口よりを
選択しますが、今回ハービックは36番ピットを選択。
短いコースにぐしゃっとへしゃげたDシェイプのリッチモンドでは
かなりピット ロード全体も曲がっているので、1番ピットは入りにくくて
デメリットもあり、入りやすさを一番重視した結果だそうです。

 一方、カイルは予選11位でしたが、車をぶつけて破損しており、
修復をしたため最後尾へ。

 ステージ1、ハービックをマーティン トゥルーエックス ジュニアが
追いかけます。トゥルーエックスの方が速そうですが、
100周のステージ距離をノーピットで走るのがセオリーなため、
序盤からの酷使を避けているよう。
 じーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと着いて行き、
40周目にようやくリーダーになります。
 カイルは序盤から順位を上げていきあっさりトップ20へ。
クルー チーフのアダム スティーブンスからは
「いいタイムだ、ここからはクルーズ コントロールで行くぞ」と
指示が飛んだという情報。序盤に順位を上げた後は
タイヤを壊さないようペースを管理し、リード ラップでステージ1を
終えればそれでよし、という割り切りが感じられます。
昔のカイルなら絶対ガンガン攻めてタイヤを潰したでしょう。

 ノーピットがセオリーでも耐えれそうにない人は1ピットの
賭けに出ます。53周目、そんな1ピット組の
リッキー ステンハウス ジュニアがタイヤを替えた後とにかく
速く走ろうとしすぎたんでしょうが、
リード ラップ車のデニー ハムリンに突撃。ハムリン、奇跡的にスピンを
免れましたが、リア タイヤがお亡くなりになってピットへ(+_+)
 結局ステージ1は終盤になってハービックがまた盛り返し、
そこに現在3連勝中のブラッドケゼロウスキーも来て3台が僅差でフィニッシュ。
ハムリンも10位まで戻してステージを終えました。

 なお、ケゼロウスキーの父でこれまたドライバー、1989年に
ARCAでチャンピオンにも輝いているボブ ケゼロウスキーが
ボンネビルでおそらく元NASCAR用のダッヂ チャージャーを
さらに改造した車両を使い、このカテゴリーでの最速記録となる
271.8mphを記録したそうです。


 このステージ間コーションではエリック ジョーンズが
スポイラーにレンチを引っ掛けたまま発進したため、
ジミー ジョンソンは速度違反でペナルティー。
ケゼロウスキーはタイヤを落っことしかけて、ペナこそ免れたものの
8位まで後退してしまいました。


 ステージ2、3位からスタート、ロングランで速いチェイス エリオット。
しかしショート ランが犠牲のセットで、リスタート後にかなり
抜かれてしまいます。
 ステージ1で特に事故も無く、1ストップがそこそこ走れそうだったからか
ここでは数人のコンテンダー、ジョーイ ロガーノ、
クリント ボイヤー、ライアン ブレイニーが1ピットを選択。
 しかし上位には関係のない話で、トゥルーエックスがここは
独走でステージ勝利。トゥルーエックスがあまりに速いので
危うくブレイニーとボイヤーは周回遅れのままステージを
終えてしまうところでした(^^;)

 しかし、過去ショートトラックで勝ったことが無い、
どれだけリードしてもなぜか勝てない、春のリッチモンドでも
ピットのトラブルで勝てなかった!トゥルーエックスが
ここでアンコントロール タイヤのペナルティーを取られて後方へ。
先週「ペナルティーを気にして慎重に作業してるように見える」
って書いたとこなんですけどねえ。。。


 これでチェイスがリーダーでファイナル ステージが
始まりますが、やっぱり出足が遅い・・・
4位からリスタートの『家族で"2番目"に速い男』ケゼロウスキーが
リーダーに。しかし243周目、ペースを取り戻したチェイスが
ケゼロウスキーを抜いてリード。絶対コーション連発とかに
なってほしくない車ですね。

 ファイナルステージは春もそうでしたが、1ピットで走れても
誰かが動くとそれに合わせて、結局2ピットになりがち。
 266周目、ハムリン、ブレイニーが動いたところから一斉に
ピットが忙しくなり、サイクルを終えるとケゼロウスキーがリード。
そこになんとカイルが続きます。エリオット陣営は
相手の動きを見すぎて入るのが遅くなりあっさりとアンダーカットされ、
しかもここからまた序盤の遅さが再来です。

 車の仕上がりはカイルがケゼロウスキーを上回っているようで、
286周目、カイルがインから、まるで溝落としでもしたように
すんごい旋回力で抜いてリード。
 一方チェイス君、「スプリッターが地面に当たる」と訴えます。
今まではコーション中のピットで、多少タイヤの内圧をあげる時間が
ありましたが、今度は履いたタイヤで即レースなため、
先ほどまで以上にセットの影響を受けている可能性があります。

 残り80周あたりで苦しそうな人が2回目のピットに入ると
じわじわと波及し始めます。
リーダーのカイルは5秒近い差を持っていて完全に後続が
アンダーカット圏外なのでゆっくり様子を見れるなと思った矢先、
326周目にマット ケンゼスに当てられたジェフリー アーンハートが
スピンしてコーション到来。
 ケンゼスは少し前にピットに入ったらコミットメント ライン違反を
取られていたので、ちょっとイライラして雑な運転だったかもしれません。


 これで上位には最後のピットの絶好の機会。
一方カート ブッシュ、ブレイニー、ロガーノは既にピットに入っており、
ハムリンも惜しくもコーション直前に入ってしまい、
ウエーブ アラウンドしてもなお1周遅れの悲惨な結末が待っていました。

 残り67周、カイルをリーダーにリスタート。
ケゼロウスキーは車の出来からして最初が勝負!という感じで
かなり攻めており、カイルはこれをさらりとしのぎます。
これで勝負ありかと思いきや、これが3連勝している強さなのか
ケゼロウスキーはここからさらにもう一度攻め込んで342周目に
再びリーダーに。
 ただ、カイルはすごく余裕がある様子で、一生懸命タイヤを使って
抑えようとするケゼロウスキーをストーキング。
散々無言の重圧を与え続けた末に残り37周、再びリードを奪います。
頑張りすぎたケゼロウスキーはリアが一気に落ちて
ハービック、トゥルーエックスにも捕まりました。
 あ、トップ3がおなじみビッグ3になった( ゚Д゚)

 この後カイルが周回遅れに手間取る間にハービックはその差を
1.5秒→0.7秒にまで詰めましたが、カイルはそれ以上
踏み込ませずそのまま逃げ切りました。

 これでカイルは史上4番目の若さでのカップ戦通算50勝。
今季7勝目、リッチモンドでは6勝目です。
そしてこれでプレイオフ スタンディングスは

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 トゥルーエックス陣営は
「今季は5~10位でのフィニッシュがなく、つまり圧倒するかダメか。
 安定感が大事だ」と話していたそうですが、
 安定したステージ ポイントのおかげもあって、勝っていませんが
既にポイントでの次ラウンド進出が確定。
ハムリンとジョーンズはヤバい状態から抜けることができずに
次戦・シャーロットの『ローバル』を迎えます。
ただこのローバル、かなり滑りやすい上にランオフがない設計で、
事前のテストでは「おいおいそんなミスするかよ」というような
バリア衝突も相次いだ模様。
もちろん本番ではそこまで無理しないでしょうが、思わぬ
落とし穴はありそうです。
 また、ロード コースということで、ステージ終了2周前に
ピットに入る作戦が出ると思われ、ポイントの厳しい人は
リスタート順位を捨ててでもステージ順位を取りに行く必要が出て
作戦がばらける展開も考えられそうです。