Monster Energy NASCAR Cup Series
South Point 400
Las Vegas Motor Speedway 1.5miles×267Laps(80/80/107)=400.5miles
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Auto Trader Ford Fusion)

 始まりました2018年のNASCARプレイオフ。カレンダー刷新により
開幕の舞台はラスベガス。そもそも年間2回開催が初めてです。
 ラウンド オブ 16の3戦はラスベガスの後、0.75マイルのリッチモンド、
史上初めてロード部分が使われる『ローバル』のシャーロット、
とやや特殊なトラックが続くため、是が非でも1.5マイルで勝っておきたい、
そんなギャンブルの街。
 レースはそんな運営の『ルーレットのごとき展開』というありきたりな
表現が見事にハマってしまい、ブラッド ケゼロウスキーがなんと3連勝。
 一方コンテンダーの多くには試練が待ち受けていました。

 まずプレイオフ開始時点のポイントはこの通り

 プレイオフ制のことは前回の記事を参照してください。ちなみに
NASCARのプレイオフ制を参考にしたゴルフのPGAツアーのプレイオフも
来季から内容が変更されて、これまた今のNASCARに近くなるようで、
ポイント制だけだとややこしいから、最終戦はプレイオフ ポイントに従って
最初からストロークにハンデを付け、その上で
『この大会で勝った人がシリーズ王者』とすることになりました。

 PPはエリック ジョーンズ、2位にジョーイ ロガーノと、JGRの
現No.20と元No.20が並んだ予選。
 ラスベガスは非常に暑く、気温38℃、車内温度は70℃に迫る過酷な条件。
ピット リポーターのパーカー クリガーマンはiPadを取り出して
「熱で安全装置が働いて動かない」とその暑さを説明。
何せラスベガスと名前は付いていますが、いわゆる我々の想像する
中心部とはかなり離れており、上空から見ると
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 なーーーんにもない(´・ω・`)全部砂漠です。
そんなわけで、20周ほど走ると右前のブリスターが気になるとの情報です。

 スタートではロガーノがあっさりとジョーンズを抜いてリード、
カイル ブッシュが続きます。ジョーンズは出足今一つな様子。
 ここにケビン ハービックが迫っていき、CM中に2台とも抜いてリーダーに。
しかしピット サイクルを終えるとアンダーカットして前に出てきた
マーティン トゥルーエックス ジュニアのペースが非常に速く、
59周目にハービックを抜くとそのままステージ勝利へ。
 これに次いで速さを見せていたのはカイル ラーソンでしたが、
懸念された右前タイヤのフラットで緊急ピット。惜しい!
ただ、ステージ間コーションでウエーブ アラウンドを受けて
とりあえずリード ラップには戻ります。


 ステージ2、89周目にリッキー ステンハウス ジュニア、
111周目にタイ ディロンがいずれもウォールに当たってコーション。
ラーソンは救われた一方、ここでのピットではカイルがナットの
装着不足で再ピット。どうも最初のピットでガンが1個壊れて
予備と取り替えたようですがうまく行かなかった感じです。

 ピットでケゼロウスキーが先行したもののトゥルーエックスが逆転し
王道のパターン。
 そしてステージが終盤に差し掛かった148周目、CM中になぜか
妙に失速するハービックの映像。あ、タイヤの崖か?と思った次の瞬間、
タイヤが壊れてウォールへ一直線、そして外ラインを走っていた
ジョーンズが回避不能で突撃( ゚Д゚)
 コンテンダー2人が脱落。ハービックにはプレイオフポイントのおかげで
ゆとりがありますが、ジョーンズは早くも敗退の危険性が出てきました。

 ステージ2は残り4周でのリスタートとなり、またピットで逆転していた
ケゼロウスキーがそのまま逃げ切りました。
トゥルーエックス陣営はこのレース全体的にピット作業で後れを
とっていました。最近アンコントロール タイヤのペナルティー判定の
基準が厳しい(というか緩すぎたので今さら規則に厳格になった)感じが
見て取れるので、ペナをもらわないようかなり気を配って時間を犠牲に
している印象を受けました。


 ファイナル ステージはついさっきコーションでピットに
入ったばかりなのでステイ アウトする人が5人。
 ステイ組で速いラーソンと、ピット組から抜け出したケゼロウスキーが
前に出て、ケゼロウスキー、ラーソンの並びになります。
一度タイヤのトラブルで周回遅れになったラーソンとすれば
この位置を守れれば上出来です。

 184周目、ウィリアム バイロンがウォールの餌食。
リスタート後の201周目には、ピットで何度遅れても蘇る
トゥルーエックスがケゼロウスキーからリードを奪い返しますが、
その後の212周目、ちょうどスルー ザ フィールドで取り上げられていたため
カメラに映っていたチェイス エリオットの目の前で
ジェイミー マクマーリーがクラッシュし、先ほどのジョーンズ同様
回避不能で突撃。
またコンテンダーが消えました。
マクマーリーはその数周前にウォールに接触しており、その影響で
タイヤが壊れたようです。

 223周目のリスタート、ピットでケゼロウスキーとロガーノ、
ペンスキーの2台がトゥルーエックスを下して最前列に並び、
トゥルーエックスに押してもらったロガーノがリード。
 しかし233周目にまたもやコーション、原因は
またもやコンテンダー、カイルでした。芝生ダイブでしたが幸い
大ダメージは免れます。

 238周目のリスタート、ここではラーソンが大外刈りで一気にリーダーに。
ただ接触で右リアからスモーク、ヤバそうなやつです。
 しかし247周目、ラーソンではなく別のコンテンダーが事故りました。
カイルのチームメイトのデニー ハムリンが全く同じようなスピンで
こちらは思いっきり芝に車体を打ち付けて中破。
なぜかカイルはセーフでもこの人は不運。続行不能のハムリンは32位でした。

 レース終盤とあって上位陣はステイ アウトを選択。
残り17周でリスタートし、ここでケゼロウスキーが好リスタート、
リードを奪い返します。しかし翌周に後方のアクシデントで
またもやコーション。終盤になって荒れてきました。
 残り11周、今度はまたケゼロウスキー、ロガーノの並びで
ロガーノは蹴り出しに失敗。ここでまた中団グループが混戦となり、
3ワイドの争いからジミー ジョンソンとアレックス ボウマンがいずれも
接触でタイヤを傷め、さらにこれで曲がれなかったジョンソンに
追い出されてクリント ボイヤーもウォールにヒット。
コンテンダーが立て続けに蹴落とされていきます。
この3人は全員周回遅れでのフィニッシュとなりました。
これまだプレイオフの初戦なんですけどねえ^^;

 さらにこれでデブリーが撒かれてコーションとなり、残り2周の
短期決戦に突入。ケゼロウスキー、ライアン ブレイニー、ロガーノと
ペンスキーがトップ3独占でしたが、ブレイニーがリスタート失敗。
これでケゼロウスキー vs ロガーノとなりいよいよホワイト フラッg、、
クラッシュ発生( ゚Д゚)
 またもコンテンダーのカート ブッシュが巻き添えになりました。
オイルも撒かれてレースはとうとう赤旗&オーバータイムへ。
 リスタート オーダーの上位9人には8人のコンテンダーが入っている一方、
残りの8人は下位、ないしはリタイアという荒れ模様。
 裏でインディーカーシリーズの最終戦が行われており、
NBCはそっちの中継に行きたかったはずが思わぬ長いレースで
インディーが始まってしまったようですw

 もう二波乱ぐらい起きるんじゃないかと思われたオーバータイム。
しかしここまでの流れ通りリスタートを心得ているケゼロウスキー、
ここもうまく抜け出して他の追随を許さず、そのまま逃げ切って
自身初の3連勝、ラスベガスでの通算3勝目を挙げました。

 レース後わりとあっという間に放送も終わりましたw
有力どころが軒並みアクシデントに見舞われた結果、
スタンディングスはどうなったかといえば
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 ハムリンとジョーンズが結構ヤバいことになりました。
ハービックまでは安泰、ラーソンはポイントで結構ゆとりはありますが、
彼はロードコースだとタイヤをつぶして結果が出ないタイプなので、
シャーロットのローバルを考えるとどうなのかなという位置。
陣営もショートオーバルとローバルは今一つなので、是が非でも
ここを取っておきたかったそうですから、いかにうまくやり過ごすかに
なってきそうです。トゥルーエックスはレースを圧倒しなくても
やっぱり強いですね。

 次戦はリッチモンド、昨年まではレギュラーシーズン最終戦の
舞台で消化試合気味でしたが、生き残りがかかるとなると熱いレースに
なるでしょうか。