うっかりニュースを見落としていたのですが、プレイオフを迎える
Monster Energy NASCAR Cup Seriesに残念なニュースが入りました。
2017年のチャンピオンであり、今年も連覇の可能性を持つ
Furniture Row Racingが9月4日、今季限りでチームの活動を停止し
来季には参戦しないことを発表しました。
主要スポンサーであった5-Hour Energyが今季限りでNASCARから
撤退すると発表し、一気にスポンサー問題に見舞われたFRR。
オーナーのバーニー ビッサーは先月
「2019年のレースに参加しないというのはオプションには無い」
と強気の姿勢を見せていましたが、わずか1ヶ月で苦渋の決断を迫られました。

「これは誰にとっても良いことではない」とビッサー。
「資金が足りなかった。競争力のあるチームを継続するには
お金を借りないといけないが私はそうはしない。これが才能ある
多くの人たちにどう影響するかを考えれば、本当に痛恨の決断だった。」
「5-Hour Energyに替わり、ジョー ギブス レーシングとの提携費用を
賄えるスポンサーを積極的に探してきたがうまく行かなかった。
チームのメンバーが来年の仕事を探すためには、
この時期に決断することが唯一正しい方法だったんだ。」
「このアナウンスを聞いてとても悲しいが、決断は理解しているよ。」
とドライバーのマーティン トゥルーエックス ジュニア。
「バーニー ビッサー、(ジェネラル マネージャーの)ジョー ガローン、
ファニチャー ロウ レーシングのみんなは、僕がキャリア最悪の時に
チームに招いてくれて、そしてこのスポーツの頂点に立ったんだ。
僕はいつまでも、彼ら全員とファニチャーロウ、デンバー マットレス、
ビッサーの家族に感謝するよ。」
コロラド州デンバーに拠点を構える異色のチームは
小規模な弱小チームからビッサーの情熱と確実に固めていった組織により、
大規模な強豪チームを押しのけてチャンピオンにまで到達しました。
しかしその歓喜の時からわずか10ヶ月で訪れたチーム消滅という事態。
これはNASCAR全体にとっての大きな損失であり課題であると思います。
チャンピオンであり、連覇も可能な一線級のチームが
下りたスポンサーの後継を見つけられない、ということは、単に
ファニチャーロウの問題にとどまらず、
『NASCARという媒体が企業に相手にされていない』ことをも
現しているのではないかと思います。
NASCARもこれを受けて、チームの財務状態の安定、
競技の魅力向上に取り組んでいるという旨の声明を出しましたが、
観客動員やテレビ視聴率は残念ながら厳しい状態が続いています。
また、8月には創業家の人間でCEOを務めているブライアン フランスが
飲酒運転と薬物使用の疑いで逮捕される問題も発生しました。
一部では、フランス家が完全に経営から手を引いてNASCARが
売却されるとの見方もあり、この逮捕事案はむしろ長い目で見れば
硬直的な彼らの経営から離れてNASCARが復活する起点になり得る
チャンスである、との意見も出ている様子です。
このチャンピオン撤退劇を今後の糧としなければ
NASCARは衰退の一途をたどることになるかもしれません。
トゥルーエックスに関しては来季の契約先に注目が集まります。
今のところ、JGRへと移籍して、ダニエル スアレスが他のトヨタ系チームへ
放り出されるのでは?という見方をされているようですが、
他のドライバーの動向などもあり、スアレスにはおそらく
メキシコ マネーも関係してくるでしょうからこれはまだまだ
分からない状態でしょう。
そのスアレスの移籍先と噂されるうちの1つには、シボレーから
トヨタへ変更するのでは、という噂が出ている
リバイン ファミリー レーシングの名前も挙がっています。
LFRはケイシー ケインがフル参戦から引退すると表明して
ここのシートは空席、トヨタ/TRDとしてもFRRが抜けて供給先が
減ったので、代わる存在として供給することは考えられます。
スアレスにはJGRのサポートも引き続き付くでしょうし多少お金も
付いてくるかもしれないので現実的な案としては合点が行く噂です。
ドライバーと言えば、ジェイミー マクマーリーは
来季チップ ガナッシには残らず、噂ではデイトナ500にだけ
出場した後はチーム側の仕事に入らないか打診されたとのこと。
後釜にスチュワート-ハースを離れるカート ブッシュが入るのでは、
とも見られています。カートはSHRには今度こそ残らなさそうですが、
スポンサーのモンスターは付いて行く見通しなので、財政的には
魅力がありそうです。でもベテランからベテランかよ^^;
ライアン ニューマンもリチャード チルドレスには残らないと発表。
ラウシュ フェンウェイ レーシングへ移籍するのではないかという
情報も出ています。RFRはトレバー ベインが残留しないようで
6号車が空きになる予定です。
マット ディベネデトーもGo Fasレーシングには残らないと発表されています。
日本ではよく、野球の試合がない冬場に記事が無い中で
話題になる移籍などの情報を『ストーブ リーグ』と読んだりしますが、
アメリカでは夏場に記事が無くなった頃に馬鹿げた噂話で盛り上がる、
といった意味合いで
『silly season(夏枯れ時、sillyは愚かな、馬鹿げた、などの意味)』と言います。
思わぬ撤退のせいもあって、今年もシリー シーズンは忙しそうです。
てか全然枯れてねえよ^^;