Monster Energy NASCAR Cup Series
Overton's 400
Chicagoland Speedway 1.5miles×267Laps(80/80/107)=400.5miles
winner:Kyle Busch(Joe Gibbs Racing/Skittles Red White & Blue Toyota Camry)
MENCS at シカゴランド。2011年以降はプレイオフ初戦に組まれていた
イベントが久々の夏開催です。
そして今週から放送はNBCになりました。解説には昨年限りで引退した
デイル アーンハート ジュニアが加わり、元ジュニアのクルー チーフだった
スティーブ レターテとの『コンビ』が復活。
ヘンドリック寄り名放送にならなければいいんですが。あ、裏事情は
大歓迎ですよ(´・ω・`)(と言っても会話を聞き取れないから分からないが)
レースは高温の中で行われ、最後に今年一番と言える展開。
カイル ブッシュが今季5勝目を挙げました。
PPはなんとポール メナード。2008年夏のデイトナ以来自身2度目、
1.5マイルでは初です。2位にライアン ブレイニー。先週パワステが壊れて
腕がパンパンだったはずですが大丈夫でしょうか^^;
スタートでは早速ブレイニーがインからメナード抜いてリード。
しかし好調だったのは5位スタートのクリント ボイヤー。19周目から
レースをリードしていきます。
ところが彼はピットで落とし穴にはまります。痛恨の速度違反で
ペナルティーを食らった上に、パススルー ペナルティーでもう一度違反。
2度目は一旦ボックスで制止するストップ&ゴーとなり、2周遅れに。
どうも練習の段階で不具合があったので修正したはずがうまく対応しきれて
いなかった模様です。
これでピット サイクル後の実質的なリーダーは同じスチュワート-ハースの
エリック アルミローラ。そのままステージ1を制しました。
自身初のステージ勝利です。
ステージ間のピットではマーティン トゥルーエックス ジュニアが
ブレイニーが邪魔でピットを出れず3位→9位に後退。
さらにカイル ラーソンも電源が落ちてしまって再起動に時間を要し
大きく順位を失ってしまいました。デニー ハムリンはこれの巻き添えです。
意外とボックスの間隔が狭いんですかね。
ステージ2はアルミローラをケビン ハービックが追う展開。
ハービックはずっとストーキング走法で、121周目に先に動いて
アンダーカットに成功します。すると大まかにサイクルが終了した129周目に
デブリーでコーションとなり、これでボイヤーがフリー パスを手に。
「ゲームに戻れるぞ!」とクルー チーフから激励されるボイヤー。
コーション待ちでピットを引っ張った作戦が実りました。
このコーションではライアン ニューマンがステイ アウト、
ブレイニーが2タイヤ交換。アルミローラは先頭でピットを出て
3位からのリスタート。
リスタートではブレイニーが抜け出しますが、134周目にアルミローラが
これを抜いてリード。ところがほどなく、彼はルース ウィールを訴えて
緊急ピット。これでカート ブッシュがリーダーとなります。
カートをハービックがストーキング、そして電源落ちで遅れた
ラーソンがロング ランで速く3位に。このまま終わるかと思いきや、
ステージ2最終周、ハービックがカートに仕掛け、最後は外から抜いて
ステージ勝利を手にします。
チームメイトなのに接触を恐れぬ走りで仕掛けてきたハービックに対し
カートは怒り心頭。無線でキレまくります。
彼の車には今回温度計が設置されており、車内温度は153°F(約67°C)に
達しています。暑さのせいもあって余計に苛立ってるかもしれません。
ファイナル ステージ。先頭はハービックでしたが、リスタートで
トゥルーエックスが思いっきり押したのでインのカートが先行。
この後ハービック、ラーソンを絡めた争いになっていきます。
シカゴランド スピードウェイの西側では積乱雲が発達。雨雲が
徐々に近づきつつあり、場合によってはレース短縮の可能性があるため、
チェッカーまでを考えつつ目先も考えないといけない難しい局面。
そんな中177周目にハムリンがスピンしてしまいコーション発生。
ここでブラッド ケゼロウスキーとアルミローラがステイアウト、
ジョーイ ロガーノも2タイヤで前に出てきます。
ロガーノの2タイヤはブレイニーがステージ2でそこそこ走れたことを
見たからでしょうし、ケゼロウスキーはタイヤのセット数制限が厳しいので
温存を考えた戦略、アルミローラはルースウィールで無駄にセットを
注ぎ込んでいてタイヤが残り少ないせいと思われます。
リスタート後やはりハービックが優勢でリーダーとなりますが、
208周目にコリー ラジョーイが壁にこすって、ちょうどフィニッシュまでの
ウインドウに入ったタイミングでコーション。
チームによってはこれがもう最後の新品タイヤとなります。
全車4タイヤ交換でここでなんとさっきまで一度も名前が出てこなかった
カイルが先頭でピットを出る見事なピット作業。
リスタートでも速く、ハービックがこれを追います。
せっかくタイヤを温存して、もし次にコーションが出たら
有利になるはずのケゼロウスキーはルースウィールの疑いで失速、
さらにアルミローラはまたルースウィールで緊急ピット。
もう新品がないので中古タイヤを履いて出ていきます。
リーダー争いは、3位のラーソンがロングで好調。
「特に新品タイヤではボトムの走りが鍵になる」と話していた
大外ライン好きのラーソンは、ロングランで外ラインを有効に使い、
残り20周でハービックを抜き去りカイルを追撃。
カイルはターン1・2では外、3・4では内を走るラインで、特に
1・2でラーソンが速さを見せます。
あっという間に1秒以内にまで迫ったラーソンに対し、カイルが
今のラインを続けるか、防御のため両方外を走るのか、それに対して
ラーソンは、とライン取りが注目された中、残り8周でラーソン
まさかのブラッシュ。直前に初めてボトムに下りて揺さぶりをかけましたが、
違うラインを走ったことでリズムに狂いが生じたんでしょうか。
これでもはや勝負ありかと思われましたが、残り3周から
すごい結末に繋がりました。
周回遅れに詰まってカイルが軽く接触してしまい失速、ラーソンも行き場を
無くしかけながら攻め続け、とうとう最終周のターン1でインにダイブ。
しかし突っ込みすぎてターン2出口で接触してしまい、それでも
なんとか先行してターン3へ入りますが、当然ながらカイルが今度は
やや無理な速度で入ってラーソンをコツン。
結果カイルは壁へ、ラーソンはスピン。
最悪2台とも脱落でしたが、カイルは壁から戻ってきてトップでチェッカー、
ラーソンも信じられないコントロールで立て直してなんと2位でチェッカー。
カイルは右前タイヤを壊してもはやバーンナウトできる状態でもない
ボロボロの状態。そしてものすごい歓声とブーイングの中、カメラに謎のポーズ。

泣きまね?アンチならイラっと来てテレビ画面破壊したくなるレベルでしょうw
この2人のカイル×カイル対決で1・2位になったのはこれで
カップ・Xfinityを通じて8度目、勝ったのは全てブッシュです。
しかし敗れたラーソン、明るい表情でレースを語り、
こっちが先にやったんだから当然のこと、といった感じで、
彼とのレースは楽しい、と健闘を称えていたのが素晴らしかったです。
ところでラーソンの大外ライン、ここ数回の解説で面白いなと
感じたのは、壁すれすれを走ると、車と壁の間にも空気が通っているので、
どうもこの空気の壁に押し返されるような力が働いて、それによって
壁に当たりそうで当たらないようです。
ジュニアもまた大外好きのドライバーでしたが、ラーソンの走りについて
「SAFERバリアの向こう側に向かって行くよう」といった表現を
用いていたと思います。
壁を押すぐらいの勢いで入って行って、空気の力で逆に壁から押し返されつつ
高い旋回速度を維持してターンを回る。
今までそれは知らなかったのでなるほどなと思いました。
そしてこの感覚はなかなか身に付くものではないと思うので、
単に外が良いからと言って誰でもラーソンのラインでタイムを上げれる
わけでもないでしょうから、ものすごい武器です。
勝てはしませんでしたが、レース後の態度を含め、ますますラーソンに
注目したくなりました。
次戦はデイトナです。