今回は、なんとトップレベルの腕前を持つプレイヤー、
n76さんから、燃費に関するコラムを掲載したいとの
大変ありがたい申し出をいただきまして、私もこういった内容を
書くなり動画にするなりしたいと思い続けて放置していたこともあり
ありがたく原稿をいただきました。
それではnさんよろしくおねがいします。
なお、一部見つけられる範囲の誤字等は訂正を入れておりますが、
内容には一切現行から変更はありません。
皆さんこんにちは。今回SCさんのブログに寄稿させて頂くn76w83と申します。
SCさんともレースでお会いする機会があり、
いつも楽しくレースをさせて頂いてます。
さて、今回は燃費走行に焦点を置いたお話を致します。
デイリーレースCやFIAレースにおいてはいかに燃費走行を
上手く行うかによって給油時間が変わり、それによって
順位が変動することも少なくありません。
その中で私が考えていることを文章にしてみました。
あくまでも、一つの考え方として参考程度に捉えていただけると幸いです。
下の順序で話を進めて参ります。
①燃費走行をする上での前提
②主な燃費走行の手法
③以上を踏まえたレース全体の組み立て
① 燃費走行をする上での前提
話を進める上での前提ということで、ここでは主に2つのこと挙げます。
その1:トランスミッションはMT設定で
GT SPORTで遊ぶ上で、中にはATでやっていらっしゃる方も多いと思います。
ただ、燃費走行という観点ではあまりこれはオススメできません。
理由に関してはこの後論じます。私自身今までのレースゲーム全て
ATでやってましたし、GT SPORT購入後1か月程度はATでやっていました。
ある日思い立ってMTに挑戦してみたところ、最初は苦労しましたが、
1週間もやればかなり慣れました。
もし、この記事を読んでいらっしゃる方の中にATの方がいらっしゃいましたら、
是非MTへの挑戦をオススメします。燃費走行云々以前にゲームとして
より楽しめますよ^^
その2:車種によって燃費が異なる
Gr.3,Gr.4のレースではBOPによって各車でタイムの差が大きく出ないよう
設定されていますが、やはり絶対的に燃費の良い車、悪い車というのは存在します。
例えばGr.4で言えばRCFは燃費の良い車、コルベットは燃費の悪い車として
挙げられます。プレイヤー側の努力によって燃費は変わりますが、
ある程度はデフォルトで決まってしまっているのもまた事実です。
以上の前提条件を踏まえて、次は具体的な燃費走行の手法について論じていきます。
② 主な燃費走行の手法
大きく分けて3つあります。
(1)ショートシフト
(2)fuel map
(3)リフトアンドコースト
(1)ショートシフト
エンジンの回転数を抑えたままシフトアップするというもの。GT SPORTの
キャンペーンでは教わりませんが、一番オーソドックスなやり方です。
ATだとこれができません。
主な特徴
〇手軽にできる
〇好きな塩梅に調整できる
〇あまりスピードを落とさずに燃費走行ができる
FIAで上位にいるレーサーは必ずこれをやっていると言っても過言ではないです。
レース序盤は大体スピード表示の上にあるバーが半分程度になった時に
シフトアップされている方が多い印象です。
(2)fuel map
キャンペーンで教わるやつです。ちなみに、"fuel"は「フュール」と読みます。
主な特徴
〇ショートシフトと併用するとより燃費向上に繋がる
〇かなり高い速度が出た際に有用
×パッドだといじりにくい
×ショートシフトと比べると効率が悪い
ショートシフトと比べると活用の場面は限られます。私がこれを使う場面は
ホームストレートの最後や、ショートシフトをしても尚も前が詰まっているとき、
或いはノーストップ作戦など燃費を大きく向上させるときに用います。
ただパッドだといじりにくいのが難点。これをいじってコーナーミスったら
本末転倒なので、私はL1R1で行えるよう設定を変えました。
(3)リフトアンドコースト
直線の最後にアクセルを抜いて、その分ブレーキのタイミングを遅らせるというものです。
主な特徴
〇高回転域でアクセルを抜くため効果が大きい
〇前の車への追突リスクを減らせる
〇あわよくばペナ消化が行える
×効果を発揮する場面が限られる
私がこれを用いる状況はただ一つ、前の車のスリップストリーム(以下スリップ)を
使える場面ですね。単独走行の時にこれを使うと燃費以上にタイムを失います。
しかしスリップについた際にこれを用いれば周りと燃費で大きく
差をつけることができます。
ただ、後ろを走っている車にインに差し込まれるリスクがあるのでそこは注意です。
以上が主な手法になります。「なーんだ、当たり前のことやないかい!」と
思われた方も多いと思いますが、これらを使ってどうレースを組み立てるかが
大切になります。
③以上を踏まえたレース全体の組み立て
一度話は脱線して、、、fuel mapにあるremain lapsの説明をします。
一度話は脱線して、、、fuel mapにあるremain lapsの説明をします。
あれを見て、あと大体何周走れるかの参考にされている方も多いと思います。
あれは、
「今までのペースの平均と同じ要領でこれ以降も走り続けたら、
あとこれくらい走れるよ」
という表示です。さらに、それに準じて給油の際の
『これくらい入れればいいよマーク』が表示されます。
レース序盤はどうしても車が詰まってペースが抑えられますよね。
その時は否が応でも燃費走行をするわけです。中盤以降は車間も開いて、
自分のペースで走れるようになりピットイン。給油マークは
燃費走行をしていた分のペースも加味して割り出されているため、
あのマークピッタリで入れると全開で後半を走るには明らかに燃料が足りなくなります。
じゃあどのくらい給油すればいいのか、という話になるわけですが、
そのヒントは実は予選にあります。
具体例を出してお話します。予選でスタートしてアウトラップをまず1周。
次の2周目でタイヤ交換のためのピットイン。軽量化のためにガソリンは給油しない。
大体こんな感じの流りますが、この時ガソリンの残量に注目します。
仮に72だとしたら、全開2周で28の消費、1周あたり14消費しているわけです。
これを踏まえて12周のレースを想定し、半分である6周目に
ピットインすると仮定します。仮にガソリン残量が40だった場合、
給油マークは今まで使った燃料と同量の60にマークされます。
しかし全開だと1周14なので、それに残りの6周分をかけて84まで
入れればまずガス欠のリスクはなくなるわけです。
実際に84まで入れるかというと、特に前後の差があまりない場合は
前に出るため多少抑えることも多々あります。
ここでの給油量を最小限に抑えるために前半の戦略が重要になります。
スポーツモードにおける給油の速さは1%あたり0.1秒です(※)。
0.1秒以下のロスで1%燃料をうかせることができれば良い燃費走行、
逆にその1%をうかせるために0.1秒以上のロスを生み出すと、
それは良い燃費走行とは言えません。
より良い燃費走行を行うためには単にショートシフトを繰り返すことが
ベストとは言えないと思います。他の車との間合いやレースの流れを見て
戦略を考える必要があります。シチュエーションごとに私なら
どのような戦略を取るかを論じます。
(1)1位走行、あるいは前の車と大きな差がある時
気持ちショートシフト程度であまり大きな燃費走行は行いません。
ここで燃費走行をしても、結局後ろにスリップ入られたら燃費面ではかないませんし、
それくらいなら引き離しにかかります。
(2)自分より明らかにペースが遅い車が前にいる時
抜かす際はエンジン回すことになっても抜かしにかかります。
スリップについて燃費を稼いでも効率が悪いです。
(3)自分と同程度のペースの車が前にいる時
直線でスリップ使えば抜かせるけど基本的なペースが変わらないといった時を想定。
ピット後なら抜かしますが、入る前なら抜かしません。
見た目上の順位はあがりますが、ペースはあまり変わらず、燃料は
スリップに入らない分浪費することになります。
であれば、リフトアンドコースト等を使って燃費を浮かせて、
ピットで逆転という戦略を取ります。
(4)(3)に加えて、さらにその前にも比較的僅差で走る車がいる時
これなら抜いてもまたその前の車のスリップにつけるので、
抜かしてなんら問題がありません。
まとめると、
「スリップを利用できる限り利用し、あまり利用できなさそうなら飛ばす」
ということになります。もちろん、前の車を抜かすというのはある程度の
リスクも伴うので、その点注意が必要です。
以上、私なりの燃費走行に対する考え方です。
最後までこの駄文を読んで頂いた方々、どうもありがとうございました。
もし何かの気づきを得られて、それをレースで生かして頂ければ
私としては嬉しい限りです。
※2019年10月1日時点では、一部の特殊な例を除き公式戦の給油速度は
7L/秒に設定されているため、現在は1Lあたり約0.143秒。
ただしこれは今後変更される可能性があるため、レース設定は
各自確認することを推奨する。
いかがだったでしょうか。燃費は大事ですが、大抵の場合、
1Lケチるのに0.1秒以上失うので、前後に誰もいない状況での
むやみな燃費走行は実は逆効果になることが多いです。
また、私のように、コーナーで高い回転を使って走りたい、
エンジン音で速度を感じてコーナリングしたい、エンジンブレーキを
多用したい人は、ショートシフトや高ギア維持によってリズムが乱れてしまい、
燃費走行以上にロスをしてしまうこともあります。
絶対に近いセオリーは一応存在はすると思いますが、動かす人が
合わなければ意味がありませんので、色々試して自分なりの
方法論・パターンを作り上げていくと良いかもしれません。