Monster Energy NASCAR Cup Series
Ford EcoBoost 400
Homestead-Miami Speedway 1.5miles×267Laps(80/80/107)=400.5miles
winner:Martin Truex Jr.(Furniture Row Racing/Bass Pro Shops
/Tracker Boats Toyota Camry)
長かった2017年のシリーズもいよいよ最後です。ホームステッド-マイアミ。
20000%余談ですがアメリカにはオハイオ州にもマイアミ群というのがあります。
マーティン トゥルーエックス ジュニア、カイル ブッシュ、
ブラッド ケゼロウスキー、ケビン ハービックの4人の中から最上位で
フィニッシュしたドライバーがチャンピオンとなる最終戦。
レースの流れは静かに少しずつ変化を繰り返し、そして
267周を最初に走り切ったのはトゥルーエックスでした。
これで強制同点決勝制となった現行プレイオフ制度になって以来、
4年連続で、優勝者がチャンピオンとなりました。
PPは先週涙を飲んだデニー ハムリン、2位トゥルーエックス、3位カイル、
4位に引退濃厚なマット ケンゼス。トヨタの壁がそびえます。
スタートからわずか5周目、ジョーイ ゲイズがクラッシュ。
すると早速ケゼロウスキーはピットを選択します。意外な選択です。
ところが10周目にリスタートすると、この判断が吉と出ることが
すぐに明らかに。ピット組の先頭であるカイル ラーソンがすごい速さで
追い上げ、ケゼロウスキーも速さを見せます。
大外ラインをミニ四駆走り(命名:ウルミコスさん)するラーソンは
この後コンテンダーを全く寄せ付けず、13周目にリードを取るとそのまま独走。
アンダー グリーンでのピットを挟んで、以後はコーション無しで、
ラーソンがステージ1を制します。冷静に考えて、ステージ ポイントが
付かないレースなので区切る意味があんまりありません^^;
コンテンダーの方は、ケゼロウスキーはタイヤを替えたおかげで2位。
カイルはピット後にバイブレーションを訴えたということで心配されましたが、
その後は特に文句も無く、というかロング ランになると異様に安定したペースで
終盤追い上げて3位、ハービックはロングでやや劣って4位、トゥルーエックスは
センターでタイト、出口でルースとあまりいい車ではなく5位でした。
2~5位に全員固まっています。
ステージ2もラーソンのミニ四駆走りは誰にも止められず、コンテンダーでは
ケゼロウスキーの出来が相対的に悪そうで、アンダーグリーンでのピットを
真っ先に行います。
カイルはピットの入ろうとしてライアン ブレイニーが邪魔になり、危うく
入り損ねますがうまくトラブルを回避、トゥルーエックスは左後輪の交換に
時間を要し若干の順位変動がありましたが、基本的な情勢に変化はありません。
142周目、フル参戦は今季限り、来季はデイトナ500とインディー500に出て、
それでドライバーとして区切りを付ける意向を示したダニカ パトリックが
クラッシュ。ケイシー ケインがそこに突っ込みます。この2人、なんか
不運も含めてよくぶつかった印象がありますが。。。
ケインにとってはヘンドリックでの最後のレースでしたが、最後まで
流れは来ませんでした。
151周目にリスタート、このあたりの時間帯はターン1方向にちょうど
太陽があって、西日で視界の確保が困難、リスタート ゾーンが見づらいということを
各ドライバーが気にしていたようですが、クリーンなリスタートで
ミニ四駆チャンピオンがステージ2も制覇。
トゥルーエックス、ハービック、カイル、ケゼロウスキーとコンテンダーが
また固まって続きます。
ステージ2までの情勢としては、カイルはロングラン重視で、最初の5周ぐらいは
大したこと無いけどそこからが速いことが見えてきて、トゥルーエックスの方は
徐々に改善するも、基本的なタイトセンター、ルースオフは変わっていない様子。
ハービックはややショート ラン向き、ケゼロウスキーはちょっと競争力で
厳しい立場、という印象。いよいよ最後のステージへと向かいます。
するとこのステージ間コーションのピットで、トゥルーエックスの
クルーがさっきのミスを帳消しにする作業、カイルも続いて、
ミニ四ファイター・ラーソンは3位に後退してしまいます。
あの走りにクリーン エアーは不可欠ですから、ちょっと流れが変わりそう。
166周目、ステージ3がスタート。序盤トゥルーエックスが逃げますが、
やはりロングランでカイルが追い上げ、177周目に完全に勝負を付けてリード。
ラーソンはある程度車間距離が開き始めてから壁走りが本領発揮。
ターンの入り口からずーーーーーーーーーーーーーっと壁沿いだけを
走り続け、どこかのピットで「さっき壁に本日3度目の接触」とか言ってたので
少々こすっても気にせず走っている様子。何であんなことができるのか理解不能です。
やや2台から置いてけぼりなハービックは、破片でも当たったか
右前のSUNOCOのステッカーあたりの車体に損傷(穴?)があって、空力に
影響しているんじゃないか、という話。
197周目、ケゼロウスキーがピットに飛び込みます。ステージ3は約100周なので、
50周で均等割りして1ピットが定石ですが、もう普通にやっても勝てそうにないので
ポール ウォルフは2ストップでひっかきまわしに行きました。
これに対してライバルはというと、トゥルーエックスとハービックは反応して
2周後にピットへ。しかし、カイルだけは無視して1ストップの自分たちのレースに
集中します。
ジェフ バートンが「アダム スティーブンスにとってキャリアで最も難しい決断だ」
と言っていました。
これ、普段のレースであれば、ラーソンとか他にもいる選手を気にしないと
いけないですし、例えばハービックかトゥルーエックスのいずれかが入っていなかったら
どっちをカバーするかという話でステイ アウトもありですが、この場合
相手にするのは3人だけでよく、仮にコーションが出て4人なかよく
周回遅れになっても、その中で一番になればいいだけなので、わざわざ
作戦を替えるのは不用意にリスクを増やしているだけで失敗だと
この時点で思いました。仮にカイルが勝っても、「あの作戦は結果的に
勝ちはしたけど良くは無かった、って書こう」と思ってましたw
かくして、1ストップを貫いたカイルはピット後見かけ上はアンダーカットを
許したことになり、そこからコース上で順位を追い上げているさなかの
228周目、1位トゥルーエックス、2位ハービック、4位カイル、という時点で
コーションが発生。カート ブッシュのタイヤが壊れたようです。
兄のせいで作戦ぶち壊し。なんかこういうの何回か見たな^^;
当然全車ピットに入るのでカイルの作戦は単にコース上の順位を捨てただけに。
残り34周、トゥルーエックスとハービックが1列目でリスタート。
カイルは3位でピットを出たものの、トゥルーエックスが外側選択だったので
実質4位からのリスタート。
リスタート後しばらくはハービックがトゥルーエックスを追い、ラインを変えながら
機会を窺いますが攻めきれず徐々に後退。一方カイルはリスタート後
ジョーイ ロガーノにしばらくてこずってしまい、追い上げの開始に時間がかかりました。
前の開けたカイルはハービックを相手にせず2位に浮上、トゥルーエックスに
迫りますが、その後ろから青い車もすごい勢いで走っています。
ラーソンがまた異様に速いです( ゚Д゚)
ハービックはラーソンにも抜かれてもはや権利無し、これでトヨタ2台の
争いになってきます。
大外ラインを使いつつ追い上げるカイル、一方トゥルーエックスは、
リスクが高いので外ラインを使わないようにしていましたが、
ここでコール パーンから「今でしょ!」な一声で外ラインもフル活用。
ラーソンは明らかにこの2台より速そうですが、さすがにチャンピオンを
争っているのでちょっと遠慮しているようです。ただの
どれだけ壁に近づけるでしょうか選手権になっています。間違いなく貴方が優勝ですよ。。
やはりロガーノにタイヤを使いすぎたか決めてに欠き始め、同じラインでは
無理とばかりに極端にインに下りたりするカイルですが、結果ペースが鈍って、
ラーソンに「おい速くいけ!」とばかりに押される場面も。
最終のターン4では一か八かの動きをしていましたが、トゥルーエックスは
私と違ってミラーを見て動揺して自滅したりしないので
そのままチェッカー。
2017年のチャンピオンに輝きました。
カイル的には下手に違う道を行った作戦が失敗だったと思います。
ただ、トゥルーエックスは誰がどう見てもチャンピオンにふさわしい、
むしろこれでチャンピオンになれなかったら2度とチャンス来ねえだろ、
という強さでしたから、勝つべき人が勝った、ということだと思います。
最後の最後まで、ほんの一瞬滑ったら、一瞬スロットルを抜いたら、
その瞬間に全てが変わるような緊迫した争いで、見ていて素晴らしかったです。
正直、ケゼロウスキーとカイルがトップを争ってたら、最後に
破滅的なことが起こりそうなのでこの組み合わせは勘弁してほしいなと
思っていたので、JGR仲間でのクリーンな争いで良かったですw
ラーソンも本当にすごい走りでした。ほんとミニ四駆ですよ。
GT SPORTのノーザンアイルで私も遊びでAI相手に大外だけ使って
走ったりしてますけど、外だけ維持し続けるってホント難しいというか
実車でできるのが奇跡的です。
ぜひ、来年こそは、コンテンダーとしてこの走りを見たいです。