Monster Energy NASCAR Cup Series
レース開始早々、カイルブッシュとブラッドケゼロウスキーが接触。
AAA Texas 500
Texas Motor Speedway 1.5miles×334Laps(85/85/164)=501miles
winner:Kevin Harvick(Stewart Haas Racing/Mobil1 Chevrolet SS)
プレイオフも佳境に入ってきました、今年最後の500マイル戦・テキサス。
先週のマーティンズビルはものすごい寒さでしたが、今週のテキサスは
開催史上でも最も暑い気候。体壊しそうです。
そんなテキサスで、ここまで今季オーバル未勝利だったケビン ハービックが
ようやくの優勝でファイナル進出決定。怖い人がメンバーに加わりました。
PPはカート ブッシュ。来年の所属が決まりませんが、1.5マイルのトラック史上
最速タイムを記録。規則でDF削ってるのに車は速くなる、恐るべし
NASCARのエンジニア力。
レース開始早々、カイルブッシュとブラッドケゼロウスキーが接触。
カイルはフェンダー、ケゼロウスキーはタイヤを破損。
ケゼロウスキーはここのところ1.5マイルの走りが思わしくないせいか、
今回ライアン ブレイニーのセットで走っているとの情報。
ウッド ブラザーズがペンスキーの役に立つとか衝撃的。
カイルは先週勝ってるからいいとして、ポイントを争うケゼロウスキーには
大問題の出だし。コース改修でターン1~2と3~4でバンク角が違う非対象になった
テキサスですが、外ラインが全く役に立たず、高速な上にバンクが浅い
ターン1~2では、特にリスタート後の不安定な条件で姿勢を乱すことが多く、
この後もドライバーを悩ませます。
リーダー争いはデニー ハムリンが序盤の46周をリードしますが、
その後カイル ラーソン、そしてピット サイクルが終わるとステージ1終盤には
ハービックがリードを奪いそのままステージ1を制しました。
元来テキサスが得意なジミー ジョンソンは1回目のピット後にバイブレーションを
訴え結局アンスケジュールのピット。2周遅れでステージを終え、厳しい
展開となります。
ステージ2、おなじみ超速ピットでハムリンが再び先頭で開始。
しかしハービックがバックストレッチでインを伺うと、ターン3でハムリンは
完全にラインを外れて後退。
翌93周目にダニエル スアレスがケイシー ケインを引っ掛け双方スピン、
本日2度目のコーションです。これでケゼロウスキーはフリー パスを得て
リード ラップに戻ることができました。
この後は比較的流れる展開で、ラーソンがステージ2を制覇。
ハービック、ブレイニーと続きます。ブレイニー、シーズン序盤より明らかに
平均的に走行する位置が上位に上がっています。
ステージ6位のハムリンは、終盤にルース ホイールを訴えていましたが、
残りの距離が少なかったので強行突破、難を逃れました。
G+の放送ではこの後のリポートでのルースホイールという単語を聞いて、
ステージを終えた後に訴えたような話になっていましたが、正しくは
前のスティントで起こっていました。
また、結局アンダー グリーンのピットでのペナルティーで戦線から離れましたが、
ジョーイ ロガーノが2タイヤ交換で好走。意外とイケる作戦だと見せつけます。
これは2台のチームメイトへのデータ集めの意味もあったでしょうか。
すると、この後のステージ間コーションでマーティン トゥルーエックス ジュニアと
エリック ジョーンズが2タイヤを選んで1・3位でピットを出ました。
ケゼロウスキーは10位、スタート直後の損失はほぼ埋まりました。
しかし彼らの上を行ったのがマット ケンゼス。ケンゼスはステージ2を
8位で終えていましたが、ピットを155周目=ステージ残り16周と
ギリギリまで引っ張っていたためこのコーションでステイ アウトを選択し
リーダーに躍り出ていました。
ステージ3は約160周、どのみち2ストップで55周程度すれば良いので、
ステージ2を約15周走った車でそのままステージ3を50周する変則作戦に出ました。
クリーン エアーがいかに大事かを表しています。
レースのどの段階だったか忘れましたが、ピット時にポール ウォルフから
「何か欲しいものはあるか(=アジャストしたい項目はあるか)」と聞かれた
ケゼロウスキーは「クリーンエアー」と答えたそうですw
ケンゼスは狙い通りリスタートを決めますが、わずか3周後に
ランドン カッシルがスピンしコーション。カッシルは来年どうなるんでしょうか。
ラブスのスキームは自分的GT SPORTでやってみたいランキングでトップ10ですw
186周目にリスタート、今度はトゥルーエックスが外からまくってリーダー、
ひとまずカップ戦を離れる見込みのおじさんに譲ってはくれません。
そのケンゼスは224周を終えてピットへ。他の車はまだ燃料的には
10周以上走れますが、どのみち2ストップなのでケンゼスに合わせる動きとなります。
カート ブッシュはルースホイールで緊急ピット。ポールだったのに面影なし。
すると、直後にマイケル マクダウルがスピンしてコーション発生。
運も無い兄ブッシュ。一方弟ブッシュはスティントの長さ重視で
ステイアウトして暫定的にリーダーだったため、このコーションで得をします。
239周目、トゥルーエックスが外選択でリスタートしますが、ターン3~4で
張り切りすぎて外へ流れてしまい、ケンゼスにリーダーが回ってきます。
しかし241周目にレイ ブラック ジュニアがスピンしてコーション。
ケンゼスがリードするとなぜかレースが止まります( 一一)
26歳のブラックはカップで2度目のレース。昨年NXSにフル参戦し年間19位。
Wikipediaによると、ゲームでレーサーに興味を持ったとか。
同じころ、デイル アーンハート ジュニアも足回りが壊れてガレージへ。
これは接触では無いので修復・再出走が可能です。
246周目にリスタートすると、同じ轍は踏まずにトゥルーエックスが好リスタート。
そして燃料ウインドウが開こうかという269周目にまたブラックがスピン。
びっくりしてジェフリー アーンハートもスピン。ジェフリーはカッシルが
スピンした時も後ろにいて、埃っぽい外ラインを辛うじて逃げていました。
これで全車ピットに飛び込み、ハムリン、ロガーノ、ケインが2タイヤで前に。
その後ろに4タイヤのトゥルーエックス、ハービック、ケンゼスで275周目に
リスタート。
282周目、ジェフ バートンが「ラーソンが壁に激しくヒットしてる」と
言っているのに、別に映像も来ないし妙に冷静。
と思ったら、ターン1でクラッシュ。炎を上げてリタイア。どうも
一度うまく行かなくなるとこういうことになりますね。
これでオイルを撒いたか赤旗となりますが、冒頭ご紹介した通り
この日はとても暑く、車を止めると車内へ風が入ってこないので、
ドライバーはかなりご立腹だったようです。
残り46周、ハムリンがリーダーでしたがトゥルーエックスが外からまくってリード。
外ラインはタイヤ半分ラインを外れると破滅的ですが、旋回速度自体は
外の方が速いので、ラインを守れさえすれば速いので、選択もドライビングも
なかなか難しいレースです。鉄板の選択が無い、というのはなかなか面白いですが。
これはもうこのままトゥルーエックス無双で終わりかと思いましたが、
なんとハービックがこれを追走。
トゥルーエックスはクリーンエアー番長で周回遅れに出会うと途端に
ペースが悪化しているのがはっきりと分かり、残り10周、トレバー ベインに
つかえたタイミングでハービックが仕掛けてリード チェンジ。
このままレースを引っ張りハービックがレースを制し、ホームステッド行きを
決めました。
ハービックは通算37勝目ですがテキサスでは初勝利。これで現行開催トラックで
未勝利なのはケンタッキーとポコノだけになりました。
また、プレイオフでの勝利は通算12度目で、これはオーナーである
トニー スチュワートと並んで歴代2位タイ。
歴代最多はジョンソンで29勝と全然レベルが違いますw
そしてトゥルーエックスも、カット オフ ラインから61点以上リードしているので
ポイントでのホームステッド行きが確定。
次戦フェニックスでは、5人のコンテンダーが、1枠だけを争うことになりました。
トゥルーエックス的には1位でも2位でも関係なかったわけですが、
ハービックとライバルにとっては非常に大きな結果でした。
4 | Brad Keselowski | 4111 | +19 |
5 | Denny Hamlin | 4092 | -19 |
6 | Ryan Blaney | 4089 | -22 |
7 | Chase Elliott | 4062 | -49 |
8 | Jimmie Johnson | 4060 | -51 |
残る争いはこういった状況。ヘンドリックの2人がいわゆる
マスト ウィン シチュエイション(勝つしかない状況)。
と言っても、ハムリンとブレイニーもかなり差があるので、
まずはステージ ポイントでレース中にケゼロウスキーとの差を詰めないことには
ポイントでの逆転は難しい状況です。
ケゼロウスキーからすれば、普通にトップ10圏内を走っている限りは
そうそう逆転はされない状況なので、ライバルを見ながらのレースになりそうです。
フェニックスと言えば春のレースではライアン ニューマンがビックリ優勝を
挙げた場所であり、終盤にコーションがあれば作戦での思わぬ逆転も
考えられるトラックですが、果たして最後の1枠を手にするのは。
ここまで来たら、勝ち残ってペンスキーの先輩に一泡吹かせろブレイニー!