Monster Energy NASCAR Cup Series
FireKeepers Casino 400
Michigan International Speedway 2miles×200Laps(60/60/80)=400miles
winner:Kyle Larson(Chip Ganassi Racing/
Cars 3/Target/Cottonelle Chevrolet SS)
MENCS at ミシガン。今回37台しか参加していません。
NASCAR側は、あくまでチャーターを与えている36台が『フル フィールド』で、
残る4枠は追加的にオープン枠のチームに与えている出走枠なので
36台より多い範囲での台数の増減はあまり気にしていないとしているそうですが、
レースの大勢に影響がないとしても、枠を埋めきれないという出来事そのものが
マイナスのイメージです。
レースはPPを獲得したカイル ラーソンが後半に巻き返して今季2勝目。
ミシガンでは昨年の秋に続いて2連勝でした。
今回映画『Cars 3』のスキームで、ライトニングな速さを見せました。
CM流れてますけどレース トラックの感じとかカッコいいですね。
スタート直前、カート ブッシュとケビン ハービックは、車検後に
ピット上で車体に変更を加えたとして後方スタート。何かインチキを
しようとしたんでしょうか。
また、前戦でシフト操作ミスを犯したデイル アーンハート ジュニアは
対策としてシフターを変更したとのこと。来週がソノマでシフト操作をたくさん
やりますから、その前に慣れておいた方が良いでしょう。
スタートでは外ラインが圧倒的に有利な状況が見て取れます。
ラーソンがすーっと逃げますが、7周目に黒いビニール袋がコースに落ちてきて
最初のコーション。
コンペティション コーションが20周で予定されていましたが、25周に延期されます。
リスタート後、17周目あたりにまだラーソンが最速ラップを出しているとの情報、
タイヤのデグラデーションが比較的小さいことが読み取れます。
実際、このレースの供給タイヤセット数はたったの8セットです。
コンペティションコーションでは多くが2タイヤ交換。デグよりも順位が大事な様子。
リスタート後も快調そうなラーソンでしたが34周目に
マーティン トゥルーエックス ジュニアが捉えてリーダーに。
ステージ1はトゥルーエックスが勝つお馴染みのパターンです。
2位ラーソン、3位カイル ブッシュ、4位デニー ハムリン、5位マット ケンゼスと
3~5位にJGR勢。ステージ終盤にかけてケンゼスが上げてきていたので、
ステージ2での注目すべきだなと思いました。ズラ疑惑が浮上したからではありませんw
ステージ間コーションでラーソンは1番ピットを生かしてリードを奪い返します。
圧倒的に外ライン有利な情勢なので、レーン選択権は極めて大事。
リスタートを決めます。外スタートのケンゼスが2位に浮上し、
この後ラーソンを追っていきます。
デグが小さいこともあってか、上位勢はアンダーカット狙いの早めのピットではなく
出来るだけ引っ張る策を選んだようで、ケンゼスが入ったのはステージ残り12周。
しかし、ボックスを軽く通り過ぎてしまって、押し戻した分時間をロス。
次の周にラーソンとトゥルーエックスが入り、ラーソンが順位を守りますが、
ピット後にケンゼスの壁が無くなったトゥルーエックスがラーソンを攻め、
ステージ残り5周というところでリードを奪い返しました。
結局ステージ2もトゥルーエックスが勝利、これで10度目のステージ勝利です。
このステージではちょっと変わったことが起こっていたようです。
フロントストレッチのイン側にカウボーイ ハットが落下していました。
各スポッターが「フロントストレッチにカウボーイハットが落ちてるぞ」と
伝える中、リチャード ペティー モータースポーツのダレル ウォーレス ジュニア、
「リチャードが帽子を失くしてないか確認した方がいいんじゃない?」
とジョークを飛ばします。
デビュー2戦目の新人ですが、やはりどんな状況でもアメリカン ジョークというのは
出てくるもんなんですね。そしてなぜコーションは出なかったんだw
さて、このステージ間コーションでは上位勢はステイ アウト。
リスタートではカイルが動き出しで先行したものの、ターンに入ると外が有利。
それでも、ここまでほぼ確実にイン側1列目の人は順位を失っていたので、
2位を維持したのは素晴らしい仕事と言えるでしょう。
トゥルーエックスはカイルを引き連れてレースをリード。
150周目にライアン シーグが目の前でスピンしてコーション発生。
そろそろ燃料が無くなるころなので良いタイミング、これならさっき入った組とも
サイクルが一緒になるので優劣がありません。
ここでカイルを含む4人が2タイヤ、トゥルーエックスは4タイヤ組では先頭で
ピットを出ますが、リスタートが5位です。5位ということはイン側です。
この時点で残りは50周足らず、燃料的にはフルに入れるとギリギリ足りそうですが、
2タイヤ組は給油時間が短いので足りるのかちょっと疑問。
行けるだけ行っといて後で帳尻を合わせるような話をしていますが、
燃費レースになったら明らかに不利です。
リスタートではカイル独走、トゥルーエックスは不安的中、姿勢を乱して
大きく後れてしまい集団に埋まります。
ランが長くなるとラーソンが2位に浮上してきておなじみのカイル×カイル対決。
じわじわとラーソンが追い上げてきていましたが、180周目に
バックストレッチでデブリーとの情報、コーション発生です。
ただこのコーション、何が落ちているのかあまりはっきりせず、ドライバーからは
疑問の声が。
トゥルーエックス「デブリーなんて無いだろ!?(放送禁止用語)」
カイル「間違いなくウォーター ボトルだ」
ラーソン「ああ、山ほどデブリーが散らばってた」
クリント ボイヤー「デブリー?(放送禁止用語)(放送禁止用語)」
なんか立場によってリアクションが違う感じですね。ラーソンの話の盛り方ww
ちなみにオフィシャルの無線の方もなんか対応がイマイチだったようで
コントロール側「バックストレッチの(壁に書いてある文字の)
ファイアーキーパーズを過ぎたあたりのホワイトライン近くに
何かあるんだけど、何かわかる?」
コース側オフィシャル「いや、分からん」
カウボーイハットを無視しておいて、謎の物体でコーションというのは、
『見えないデブリー』だと言われても仕方ないですね。
上位勢はピットに入らず、中団グループがピットへ。先ほどのコーション以降
集団に埋まった9位のケンゼスが入りますが、またピットを通過、しかも
さっきよりひどい。ブレーキが悪いのか、路面が悪いのか、下手なのか・・・
残り15周のリスタート、当然カイルが逃げる、と思ったら、なんとラーソンが
インから抜いて行きました。
そして次の周、さっきコーションに怒っていたボイヤーがバトルからラインを外れて
壁に接触してしまいコーション。
「NASCARふざけんな!ありもしないデブリーでコーション出しやがって!」
と言ったかどうか、ピー音が多すぎて分かりませんが、とにかく激怒です。
残り10周でリスタート、今度の2位はチェイス エリオット。
エリオットは昨年のミシガンで2レースとも2位、勝てる可能性があるトラックです。
ターン1に入る前は半車身ほど前にいたものの、ターンに入ると外のラーソンが優勢。
そしてバックストレッチで混戦からダニカ パトリックがとばっちりを受けて
クラッシュ。またコーションです。
ライアン ブレイニーがリスタート後にターンで大失敗して渋滞が発生しました。
ブレイニーはイン側で粘りすぎました。
残り5周でリスタート、今度のイン側の挑戦者はハムリンでしたが、
さっきと同じ流れでラーソンが前に出ます。エリオットが2列目イン側から
うまく2位に上がりましたが、車の自力ではラーソンが上。
そのまま逃げ切りました。
ラーソンのイン側からの追い抜きが勝利につながったわけですが、
ジェフ ゴードンの解説では、サイド ドラフトが大きく影響したと言います。
あのリスタート、ラーソンは蹴り出しで出遅れ、ストレートの終わりの方で
ブレイニーからプッシュを受けました。そしてその勢いでカイルの
左リアに接近しています。
この『ストレートの終わりで追いついた』というのが肝で、これによってカイルは
ターンに入り直前にラーソンにサイドドラフトを使われてしまい、ターン進入時に
わずかに失速、空力バランスも乱れました。
他方で、その後の2回のリスタート、エリオットとハムリンは、いずれも
蹴り出し~ターン1へ向かってラーソンに対し先行しています。
しかしこれによって、外にいるラーソンはターン進入前に、イン側のライバルに対し
右後ろに車を寄せて、これまたサイドドラフトを使うことができました。
結果、元々外の方が旋回速度が速い上に、イン側の挑戦者はターン進入直前に
サイドドラフトで勢いを削がれてしまっています。
平均速度が速いミシガンは空力が大事。必ずしも、完璧なタイミングで加速して
相手の前に出ることが有利に働くとは限らかった、という場面でした。
ラーソンはこれで5点差で選手権リーダーに浮上。
エリオットはこれで3連続ミシガン2位でしたが、最近なかなか車を合わせきれて
いないレースも多かったので、本来の常に上位を走るレースを
取り戻したことは大きかったと思います。
ただ、次戦は右にも曲がらないといけません。ロード コースのソノマです。