Monster Energy NASCAR Cup Series
Go Bowling 400
Kansas Speedway 1.5miles×267Laps(80/80/107)=400.5miles
winner:Martin Truex Jr(Furniture Low Racing/
Auto-Owners Insurance Toyota Camry)
MENCS at カンザス。夕方から夜へと向かう調整力を問われるレース、そして
早いものでオールスター前の1つの区切りです。
今回、またもや予選前の車検で大量12台が引っかかってタイム無しという
他のレースではありえない惨事。29位以下のグリッドがオーナー ポイント順です。
ヘンドリック モータースポーツはチェイス エリオット以外の3人、
フロント ロウ モータースポーツが2人とも引っかかるなど、何が起きてるんでしょうか・・・
そんなレースはライアン ブレイニーがPP獲得。勝ったらお祝いに何か
ブレイニー グッズを買うぞ!と財布のひもを緩める心づもりでしたが、
そう簡単には勝たせてもらえず、マーティン トゥルーエックス ジュニアが
今季2勝目を挙げました。うーん、グッズ買いたいぜw
スタートこそブレイニーが先行したものの、10周もするとトゥルーエックスが
リードを奪います。ロングでは相変わらず速い模様。
30周目、違反組の一人、ランドン カッシルがクラッシュしてコーションとなると、
52周目に再びのクラッシュ。ここでアクシデントに見舞われたのはチェイス エリオット。
2タイヤ交換で出ますが、マイケル マクダウルと接触してしまい、
右前を大きく損傷してしまいました。
どうやら無線でクルー チーフはちゃんと「95が来るぞ」と言っていたのに、
出し方が悪かったようです。つまらないミスです。
リード ラップ車が多い序盤での2タイヤ交換は、こういうリスクがあるので
注意が必要です。
この後レースはトゥルーエックス、ブレイニーにカイル ブッシュが対抗馬として登場。
ステージ1はカイルが制します。デイトナ500以来久しぶりです。
ステージ間コーションではジミー ジョンソンが他人のピットをバリバリ
踏みすぎてペナルティー、せっかく後方スタートから上位に上がってきたのに
また後退です。
ステージ2、ステージ16周目に好調のエリック ジョーンズがスピンを喫すると、
リスタート後にはカート ブッシュとジョンソンが接触してジョンソンのタイヤが破損。
コーションが多発します。
このコーションでは上位陣はステイ アウト、中団以降は入る人もいて、
微妙に戦略が分かれていきます。
この後しばらくはコーション フリーの展開。まだステージ2でピットに入っていない
人はそろそろ給油の時期で、上位陣も入る時期かな、というステージ57周目、
コーリー ラジョーイが壁に当たってコーション発生。今日7回目です。
カイル、ブレイニー、トゥルーエックスの順でのピットでしたが、
今日はクルーが手早いウッド ブラザーズ。1番ピットの恩恵もあって、
ブレイニーが先頭でピットを後にします。
このあたりから、各陣営は残りのタイヤが気になります。
このレースのセット数は全部で9。既にこのピットを終えると多くのチームは
新品が3セットしか残っていないと予想され、デイル アーンハート ジュニアは
先を見越して1回使った中古タイヤをここで装着。
コーションだからって何でもかんでも替えてればいいってもんじゃないのが
難しいところです。
この後グレイ ゴールディングのアクシデントでさらにコーションを1回増やしつつ、
ステージ2はブレイニーが獲りました。
ステージ3もブレイニーのリードで始まりますが、また10周ほどすると
トゥルーエックスのターン。
「始まって数周はタイトだったが、その後は自分のものになってきた」という
ハンドリング状態。ロング、かつ夜になったコンディションに合っています。
基本はやはりタイト目に作って、リアが落ちてバランスを取るのが良いようです。
193周目、ポール メナードとA J アルメンディンガーのクラッシュでコーション。
ブレイニー、またここでリードを奪い返します。ここのクルーは13秒台の
作業が多い印象でしたが、今日は12秒を切るタイムを連発しています。
しかしリスタートではトゥルーエックスがリードを奪って強さを発揮。
そしてその後でした。
大きなクラッシュが発生します。
ジョーイ ロガーノの右前のブレーキ ディスクが割れたようでいきなり制御を失い
ダニカ パトリックと接触、そこのエリック アルミローラが猛スピードで
突っ込んで、アルミローラの車は大きく宙に浮いて着地しました。
ダニカの車からは出火、アルミローラは車から出られず赤旗となります。
G+の放送では編集されていましたが、この後アルミローラはルーフを切って
オフィシャルによって車両上部から引き上げられ搬送されました。
結論から言うと、第5脊椎の損傷でレース復帰まで8~12週間を要する重傷でした。
オースティン ディロン
「ヤバいな。デカい、デカい、デカい、なんてこった・・・」
トレバー ベイン
「ひどいな。彼らは大丈夫だろうとは思うけど、こんなひどいクラッシュは人生初だ」
ジョンソン
「なんてこった。まずいな・・・」
など、NASCARドライバーですら、口々にholy ***(禁止用語)と驚きと
恐怖を覚えたクラッシュ、当のアルミローラは
「背中だよ背中、背中、ア―――――――!!!!!!!!!!!!!」
と痛みに耐えられない無線。
その後、まだ車両から出ていないこと、ルーフを切られていることなどがドライバーに
伝わると、ドライバーもまたかなり辛そうなトーンで返答していました。
アルミローラの回復を祈ります。
それでもレースは続き、205周目にリスタート。トゥルーエックスに
ライン選択権があり外を選びましたが、内からブレイニーが前に出ます。
しかし11周後、ジョーンズがスピンしてコーション。
残り50周あまり、ということでほぼ全車ピットへ、トゥルーエックスは
右のジャッキを落とすのが早すぎて、リアのナットを締めなおしたので順位転落。
5台もステイ アウトがいたのでリスタートがやや混乱しますが、
ブレイニー、カイル、トゥルーエックス、という顔ぶれで相変わらず
そして10周ほどするとトゥルーエックスが来るのも変わらず。
そして残り25周、とうとうトゥルーエックスがブレイニーも捉えて再リード。
ブレイニーに打つ手はありません。
ところが、コーリー ラジョーイがクラッシュしてブレイニーに
アタック チャンス到来。
各陣営ピットに入り、これがいよいよ最後の新品タイヤです。
ピットをきちんと先頭で出たブレイニー、後は短いランだからリスタートを決めれば、
というところだったんですが、ここで思わぬ伏兵登場。
トゥルーエックスのチーム メイトであるジョーンズが唯一ステイ。
レーン選択権を奪ってしまい、ブレイニーはイン側リスタート。
チームの戦略だったのかどうかはさておき、ハメられたブレイニー、
リスタートでトゥルーエックスを抑えられず、またトゥルーエックスがリードです。
しかし残り9周、そのジョーンズがスピンしてまたコーション。
残り5周でのリスタートはトゥルーエックスがイン側選択。
確実にこれをものにしたのに、後方でジョンソンがスピンしてまたコーション。
もはや荒れ放題のレースは残り2周でリスタート。ブレイニーにとっては
最後のチャンスでしたが、既に車のバランスがコンディションから外れており、
外からの追い抜きはかないませんでした。
トゥルーエックス、レース最多の104周をリードして今季2勝目。
ブレイニーは最後にまとめて抜かれてしまい4位フィニッシュでした。
トゥルーエックスの長いレースでの好走は次戦のシャーロット600でも
役に立つはずで、昨年も彼はシャーロットを圧勝、たぶん今年のステージ制導入の
きっかけを作ったレース。再来週も脅威になりそうです。
ブレイニーは勝つにはレースでのアジャストの能力をあと少し
磨く必要がありそうですが、チーム力自体が向上していることを感じるレースでした。
引退発表後も良いレースができないジュニアさん。
会見からは、レースを嫌いになる前にやめたい、といった雰囲気も感じましたが、
やはり結果がでないことにいら立ちを募らせている雰囲気が見られます。
RadioActiveを見ると、レース序盤には
「言いたくないんだけどバイブレーションがある。一日中このクソ症状と
付き合わなきゃいけないのか?」
と、前週に続いて発生するバイブレーションに不満爆発。
さらに、ベインとの争いでは、何があったのかは知りませんが
ジュニア「ふざけんな6番!」
スポッター「インサイド、クリアー」
ジュニア「抜こうとしてるときに入ってくんなよ。奴をクリアーに
しようとしてるの知ってるだろ!?必要もないのにターンの真ん中で
話しかけないでくれ」
とスポッターにもイライラ。オールスターを区切りに
良い流れを取り戻してもらいたいですね。
アルミローラの件は非常に恐ろしい出来事でした。NASCARでこれですから、
インディーカーならなおさら。
来週はフェルナンド アロンソがインディー500に参戦しますが、
謙虚さを持って挑まないと、スポット参戦、観光気分、勝てば儲けもん、
そんな気持ちが少しでもあると、本当に危ないです。