Monster Energy NASCAR Cup Series
STP 500
Martinsville Speedway 0.526miles×500Laps(130/130/240)=263miles
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Miller Lite Ford Fusion)
MENCS第6戦atマーティンズビル。個人的にこの最遅トラックは好みなんですが、
今回の出走は38台だけ。
No.31 ライアン ニューマンはスポンサーがいないのか何なのか、
ボンネットに掲げられたロゴは『Chevrolet』。
いや、シボレー車なのは知ってるから・・・
一方チームメイトのオースティン ディロンには日本の工作機械会社である
オークマのアメリカ法人が付いています。
今回グッドイヤーは右側のタイヤにD-4722という新しいタイヤを投入。
コンクリート舗装のマーティンズビルに対して、よりラバーが乗りやすい
構造のタイヤだそうです。
左側はD-4588というタイヤで、マーティンズビルでは4年前以来の登場とのこと。
レースを見ていると確かに昨年のレースと比べて、明らかに右側のタイヤが
走った部分だけ黒くなっています。
なお、タイヤのセット数制限は予選~決勝スタート用を含めて9セットです。
(他にプラクティス用4セット)
レースはブラッド ケゼロウスキーがマーティンズビル初優勝で
今季のカップでは2勝目に一番乗りとなりました。
レースは雨のため予選が無くオーナー ポイント順のグリッドに。
PPのカイル ラーソンは序盤後続を引き離し、さらにジェイミー マクマーリーも
2位に浮上してCGRが1-2位体制。お、ショート トラックでも好調なのか?
と思われましたが、周回数をこなすと次第に順位が低下、変わって
ケゼロウスキーがリーダーになり、ジョーイ ロガーノが2位と今度は
ペンスキーが1-2位。
この、CGR転落の時期だった18~60周目がG+の放送でごっそりと編集で
切り落とされており、ああ、レース後半に荒れるな、と予想がつきます。
せめて放送枠を3時間半~4時間にした上で”早終了の場合あり”としておくと
こういう詮索ができなくなるんですが。
70周目、リッキー ステンハウス ジュニアのスピンでコーション。
このピットでペンスキー2人が揃ってペナルティーを食らう大失態。
一転して上位をトヨタ勢が占めてリスタートとなります。
マクマーリーはリスタート後に接触でフェンダーを傷め、よせばいいのに
レースを続行、結果
まあこうなりますw
ステージ1残り15周あまりということですが、ステイ アウト組とピット組に分かれ、
結局ステイ組のマーティン トゥルーエックス ジュニアがステージ1を制しました。
ステージ2はさっき残った組がピットに入るので顔ぶれが変わり、
カイル ブッシュとチェイス エリオットが1列目。
ここからはカイルが速く、1度もコーションが出ないままステージ終盤へ。
カイルは後続を3秒以上離していましたが、ステージ最終盤、周回遅れの
集団に引っかかって前に出ることができません。
特にステンハウスが何としてもリード ラップでステージを終えようとしているようで、
カイルの前を通せんぼ。一旦抜かれても隙あらば抜き返そうという動きで、
そしてステージ2の最終ターン。
ステンハウスに突き飛ばされ、なんとエリオットにステージ優勝を
さらわれました。カイルは無線で
「hahaha,(ピー)seventeen,oh much(ピー)what a (ピー)」
全く放送できません。しばらく放送禁止用語をぶちまけていたようです。
さらにカイルにとって問題だったのは、当てられた部分のフェンダーが
タイヤに干渉したことでした。
ステージ3はエリオットがリーダーでイン側スタートでしたが、
カイルはなんと外からあっさり抜いてしまう抜群のスタート。
しかし、カイル陣営はピットで時間を重視してフェンダーをきちんと
修復できておらず、走り出したら左リアから白煙。マクマーリーの二の舞を
演じないか懸念されます。
するとカイル側から無線で
「ターン2のラインの外にデブリーがある」との情報。
これは≒コーション出して、なわけですが、本当にコーションが出ます。
じゃあこれでフェンダー直しにいくんだな、と思いきや、決断はステイ。
正直私は誤った判断だと思いましたが、結果的にはタイヤが壊れる前に
フェンダーが干渉しなくなり賭けは成功しました。
この後レースはいよいよ荒れ模様、リスタートしてもアクシデントで
コーションを繰り返します。
カイルを追うのは、序盤でロング ランが速いと思われる力を見せたケゼロウスキーが
浮上してきて、ステージ2ほど楽をさせてもらえなさそうです。
レース残り110周、ジェフリー アーンハートのクラッシュでコーションとなり、
各車ピットへ。
残り101周でリスタートが切られ、カイルとケゼロウスキーが
抜きつ抜かれつの争いを続けます。
残り83周、複数の車が絡むアクシデント発生。ダニカ パトリックは
レース中常に誰かとこつこつ当てながら走っていました。
彼女は全然引かないタイプで結構執念深いので、絡むドライバーが多いです。
激しく争いながらも、接触することなく堂々と渡り合うカイルとケゼロウスキー、
残り43周でケゼロウスキーがリーダーとなると、カイルには追う力が見られません。
実はカイル、このスティントで履いたタイヤの感触がおかしいと
感じていたようで、
「おい、なんかタイヤに調整したのか?」
『いや、タイヤ替えただけだけど』
「全然違う車だぞ」
といったやり取りが交わされていたようです。
結局これ以降カイルはむしろ後ろから迫るエリオットにやられないように
するのが精いっぱいで、ケゼロウスキーが独走。
連発していたコーションは残り70周で出た14回目を最後に現れず、
結果的にはケゼロウスキーが1.8秒の差を付けて勝利しました。
レース後のカイルもタイヤの違和感に苦言。274周をリードしながら、
最後のセットではそれまでの速さがなかったことで苛立ちが見えます。
恐らく、デイトナ500でいきなりタイヤがぶっ壊れてリタイアしたのが
特段自分に非が無く、個体差の問題にあったであろうということから
グッドイヤーに対する不満が募っているので余計に神経質になっているんでしょう。
エリオットは3位。この車の前任者であるジェフ ゴードンは
マーティンズビル通算9勝、平均順位6.74という脅威の成績。
クルー チーフを通じてゴードン風を目指したセットで走ったようです。
ロングを安定させると、どうしてもスティント序盤がタイト気味でそこが
苦労していたようですが、結果を見れば良い車だったことが分かります。
4位にはロガーノ、一時タイヤ バーストで2周遅れだったのに
ここまで戻ってきました。やはりペンスキーはロングで強かったようです。
このレースでは、ここまで目立たなかったA J アルメンディンガーが7位と
ロード系ドライバーらしく実力を発揮、チームメイトのクリス ブッシャーも
11位と健闘しました。
最終的には周回遅れの21位でしたが、レースを通じてリード ラップで
頑張っていたNo.72のコール ウィットも非常に良いレースをしたと思います。
誰のリポートだったか忘れましたが、このレースの現場にはコーリー ラジョーイの父、
ランディー ラジョーイが来ていて、息子に対して
「この車は35位の車だから(昨年No.83はオーナー スタンディングス35位)、
それを上回ることを目指せ」といった声をかけたそうで、
さて結果はと言うと28位なので目標達成といったところでしょうか。
とりあえずクラッシュが多いので安定して走れることが大事です。