NASCAR Sprint Cup Series
Can-Am 500
Phoenix International Raceway 1mile×312Laps=312miles
(オーバータイムにより324周に延長)
winner:Joey Logano(Team Penske/Shell Pennzoil Ford Fusion)
いよいよチェイス最後の椅子をかけたエリミネーション レースとなったフェニックス。
天候も快晴でレース日和、お客さんもけっこう入っています。
予選のPPはアレックス ボウマン。見ていて一発の速さではそれなりのものを
見せています。というか、彼でこれなら、ケイシー ケインが全般的に遅いのは
車かドライバーかクルー チーフに致命的な問題があると言わざるを得ないと思います。
一度ケインとグレッグ アイブスを組ませて試してみた方が良い気がします。
スタート直後2位にカイル ラーソンとコンテンダーのジョーイ ロガーノが接触、
ラーソンが回っていきなりコーション発生。ロガーノ、ここで一緒に
事故っていたら一巻の終わりでした。
リスタート後、チェイスに無関係どころかカップに登録されていないので1点も
入りすらしないボウマンがレースをリード。ロガーノは2位でも
ポイントで生き残れる立場ですが、ロング ランになるとむしろ速いのはボウマンでした。
一方、勝って大逆転を狙うと思われたケビン ハービックは早々に
3位に上がり、ボウマンとロガーノの争いを高みの見物、かと思ったら
車がかなりルースで順位をどんどんと下げていきます。
ニューハンプシャーで新車としてつぎ込んで勝った時の車だそうですが、
無線で「信じらんねえ」と言っていたぐらいひどい状態で、この後
アジャスト地獄になります。
80周を超えるとアンダー グリーンでのピットが始まります。
ところが、そこそこの台数が入った82周目にコーションが発生。
ピットに入ろうとしたライアン ニューマンの減速が不十分で、
前にいたラーソンに思いっきりぶつけました。凡ミスです。
既にピットに入っていたハービックは順位でさらに損害を被ります。
予選タイム無しで最後尾スタートだったマーティン トゥルーエックス ジュニアは、
追い上げて来ていたのにここで運悪く周回遅れにされます。
さらに、ウエーブ アラウンドでリード ラップに戻るのが定石なのに、
周回遅れとしてピットに入るという謎の選択をした上、その際にピット入り口の
コミットメント ラインより手前でペース カーを抜いたとしてペナルティーまで受けます。
しかもこの違反がなかなか重罪で、『ピットで停止して他車が1周するまで待つ』
という1周遅れのペナルティー。日欧のレースで1周遅れペナルティーなんて
ないな、と言おうと思ったら、SUPER GTでピット閉鎖中に入ったら
事実上1周遅れでした。
トゥルーエックス、一瞬で2周遅れになりました。
リスタート後のスティントではロガーノがボウマンをとらえたものの、
距離が長くなるとボウマンが接近し、さらに、今日は大してすることがない
ジミー ジョンソンも接近。その中からジョンソンがリーダーに立ちます。
そして132周目、退屈したファンがペットボトルを投げ込んだか、コーション発生。
ここでジョンソンもトゥルーエックスと同じようにペース カーを抜いてしまい、
1周のペナルティーを受けます。トラックの形状的になんか行ってしまいやすい
罠があるのかもしれませんが、言い訳にはなりません。
156周目に再びリーダーになります。行けそう感が出てきました。
この後コーションを挟みつつもボウマンは独走。その後ろでは
ロガーノ、マット ケンゼス、カイル ブッシュが2~4位に固まります。
彼らはほぼポイント差が無く、自分たちの位置関係がそのまま
チェイスに影響するので一歩も引けません。
255周目、ニューマンとトゥルーエックスがクラッシュしてコーション。
ここでほとんどの車がピットに入ったのに対し、ちょっと正攻法では
ダメっぽいデニー ハムリンがステイ。
ケンゼスとカート ブッシュは2タイヤ(カートはテロップで4と出ていますが誤りです)
ロガーノは3列目からのリスタートになりました。
リスタートすると、ハムリンはさっさとケンゼスに抜かれますが、
カートもそんなに速くないのでハムリンに詰まり、2台詰まっているから
ロガーノがそれに引っかかって、結果ケンゼスが大逃げに成功します。
しかしリスタートからわずか4周でデブリーによりコーション、仕切り直しです。
270周目にリスタート、ケンゼスは引き続きリードを保ち、
ロガーノとカイルが直接対決。しかしそこにボウマンが割り込んで、
まるでいつものハービックのようにぐいぐいと車を進めて2台とも抜いていきます。
このまま行くと、ロガーノはカイルに抜かれると同点になりますが、タイブレーカーを
握っているためそれだけではまだ問題なし、ただ、カイルとの間に1台挟まると
1点ビハインドとなり脱落になります。
残り12周、とうとうカイルがロガーノを抜いて3位になり、ロガーノの背後には
ハービック。ロガーノがここで考慮すべきは
A案 鬼ブロックで順位死守!
B案 さっさと前に出し、ハービックにカイルも抜いてもらって他力で再び同点にする
ロガーノは鬼ブロックを選び、カイルと差が開いたので万一抜かれたら
もうハービックはカイルに追いつけず、つまりもうおしまいな状態。
カイルはレース後「あの時はハービックのチアリーダーだった」と冗談を言っています。
そしていよいよレースは最終ラップへ、というタイミングで、なんと
マイケル マクダウルのタイヤが壊れてクラッシュ、まさかのオーバータイムになります。
グッドイヤーは彼のタイヤに細工でもしたんでしょうかw
そして迎えたオーバータイム、ケンゼス、ボウマン、カイル、ロガーノのトップ4.。
ケンゼスは外側選択でいいリスタートを決めますが、
イン側でボウマンはイマイチ、そこにカイルが仕掛けていったところ
待っていたのは悲劇でした。カイルとボウマンが軽く接触、争って
突っ込みすぎたボウマンが、イン側はクリアーだと思って切り込んだケンゼスに
まともに当たり、ケンゼスの2016年の戦いは無残にも終了。
言葉が出ませんでした。
実はこのリスタート前、JGRはケンゼスをどちらからリスタートさせるか
多少議論もあったようです。カイルが3位=2列目のインなので、ケンゼスが
外を選ぶとロガーノが事実上の3位リスタートになってしまうので、
助けるためにイン側を選んだ方が良いのでは?というところがありました。
ただ、結果的にまず自分の勝利第一、ということで通常通り外側を選んだところ
待っていたのがこの結末。
結果論ですが、インなら刺されることはありませんでした。
こうして、最初から最後までボウマンの存在がレースを左右しましたが、
オーバータイム2度目のリスタートをロガーノ、カイル、のトップ2がきっちりまとめ、
この2人がそのままホームステッド行きを確定。
ハービックは最後のリスタートに賭けましたがそこまでの爆発力が
ありませんでした。
これが現行チェイス制度の残酷なところ、非コンテンダーの若手の
一撃がコンテンダーの運命を左右し、単純ポイント積算ではリーダーの
ハービックも脱落しました。
チャンピオンシップに進んだのは
18 カイル ブッシュ(ジョー ギブス レーシング/トヨタ)
19 カール エドワーズ(ジョー ギブス レーシング/トヨタ)
22 ジョーイ ロガーノ(チーム ペンスキー/フォード)
48 ジミー ジョンソン(ヘンドリック モータースポーツ/シボレー)
うまいこと3メーカー残ったw
日テレG+も生放送(ただし延長なし)の最終戦ホームステッドは
日本時間21日の朝。仕事から帰ったらすぐ見ないとね。