NASCAR Sprint Cup Series
Citizen Soldier 400
Dover International Speedway 1mile×400Laps=400miles
winner:Martin Truex Jr(Furniture Row Racing/
Furniture Row/Denver Mattress Toyota Camry)
NSCSは最初のエリミネーション レース、"モンスター マイル"の怪物が
ドライバーを待ち受けます。
本日も雨で予選は無し、そのため、オーナー ポイント順のグリッドで、
ブラッド ケゼロウスキーがPP。
決勝での車の出来はまあまあでしたが、順当に次ラウンド進出でした。
レース序盤を引っ張ったのはカイル ブッシュとマーティン トゥルーエックス ジュニア。
雨があったということでコンペティション コーションが40周で
予定されていましたが、33周目にケビン ハービックの車が突然減速&白煙。
トラック バーが壊れたようでガレージ送りに。前戦で勝っていなければ
ここでチェイスから脱落してしまうところでした。
40周が間近だったのでコンペティション コーションも取りやめに。
さらにこのコーションでは、カイル ラーソンがバッテリーのトラブルで
周回遅れになります。ポイントでチェイスを争い、進出可能な位置だったはずが
一転してピンチに。なお、バッテリーは左リア側で交換可能で時々
交換している人がいます。
しかもこの作業の際、クルーが規定を超える7人出てしまってペナルティー。
ペナルティー覚悟で人数を増やすこともありますが、今回の場合
見た感じうっかり興奮して出てしまった単純ミスのよう。
ドーバーは1周が短い&高速&ピット速度制限は厳しい、でピット通過ロスが
極めて大きいトラックで、これで3周遅れになってしまい、自力での
次ラウンド進出が風前の灯火になりました。
チップ ガナッシ レーシングに怪物は牙をむいたようで、
チームメイトのジェイミー マクマーリーも車の振動を訴え始め、
しかも駆動系っぽいとの説明。
その後立て続けにエンジンの不調も発生、1気筒死んでいるようだ、ということで
こちらも次ラウンド進出が絶望的な状態になります。
レースの方はカイル、トゥルーエックス、そしてドーバーで通算10勝の
ジミー ジョンソンの3台が優勢。
1度のコーションを挟んでもこの3人が速さを見せ続けますが、
124周目、カイルがあっさりとトゥルーエックスに抜かれ、立て続けに
ジョンソンにもやられます。
急激にハンドリングが悪化したようで、ターンの出口側での旋回が足りないと
無線で訴えます。
ドーバーはコンクリート舗装で非常にコンディションが変化しやすいという
特徴があると思います。
非常に面白いのが、各車がレースしていてライン場がラバーで黒くなっていくのに、
コーションで低速走行していると、そのラバーが逆にタイヤによって拾われて
リスタートするとライン上だけ路面が再び白くなっているということです。
またすぐに黒くなるわけですが、それだけ常に路面が変化していますし、
リスタート直後のショートで速い車は、ロングだと合わない可能性が考えられます。
182周目、ラーソンが壁に当たってラーソン涙目。
190周目のリスタートをジョンソンが制し、クルー チーフのチャド カナウスから
久々の
「ニュー リーダー、フォーティー エイト」という無線が流れます。
直後の193周目、マクマーリーのエンジンついに大破。
駆動系の振動がエンジンの破損につながることがよくあるので、関係が
あったかもしれません。
199周目のリスタート以降もジョンソン-トゥルーエックス体制。
チェイス争いはCGRの2台が消えたせいで何か事件がないとほぼ
落ちる4人は確定した状況で、さあ怪物さんもうひと暴れするのかな、
と期待するのが当然なところですが、この後レースは予想外の展開に。
全くコーションが出ません( ゚Д゚)
上位2台だけが速すぎて、バンバン周回遅れができていきます。
276周目あたりからグリーンでのピットが始まりますが、
ここでジョンソンにオーバー ザ ウォール トゥー スーンのペナルティー。
ジャッキさんがフライングしました。直前にエリック アルミローラと
ジョンソンが重なって減速したので、いつもの感覚で飛び出そうとして
タイミングがズレてしまったかもしれません。
これでジョンソンも周回遅れ。ただ、その程度では彼の次ラウンド進出に影響は
なさそうです。
これでトゥルーエックスは単独走行。しかも、スキッドリカバリーフォース
オンにしてるんじゃないの!?と違反を疑いたくなるぐらい異常な速さで
なおも周回遅れを量産。そして依然として出ないコーション。
リード ラップ車はどんどんと減っていき、ついには一けた台に。
結局コーションがないまま再びのピット サイクル。
ピットでのロスが大きいので大胆なアンダーカットをするのはリスクが大きく、
一方で大量リードのトゥルーエックスは相手が入っても即座に反応する必要なし。
もはや誰もこの盤石の体制を動かすことはできず、
そしてなんと、そのまま200周以上コーションが出ないまま、
トゥルーエックスがチェッカーを受けました。
実に202周、レース距離の半分にわたってコーションが出なかったわけですが、
ドーバーでの最多グリーン記録は500周!!
1971年の6月、500マイルレースだったMason-Dixon 500で
1度もコーションが発生せず、マーキュリーのボビー アリソンが
優勝したとのことです。
当たり前ですが、2位以下は全部周回遅れで500マイル走ったのは彼一人でしたw
また、今回のレース、最終的にリード ラップ車はたったの6台。
ジョンソンは周回遅れなのに7位でした。
現在のフリー パスにより周回を取り戻せる規則ができたのは2003年で、
それ以降の最少リード ラップ車の記録は5台で2004年6月のドーバー。
このレースはフォードのマーク マーティンが優勝。
で、今回トゥルーエックスは
「エンジンが壊れそうだったから」と、バーンナウトではなく
トラックを逆走で1周、というパフォーマンスをしましたが、これは
マーティンに教えてもらった、クラシカルなパフォーマンスだそうです。
なお、今は放送席にいるジェフ バートンは2004年のレースでは
マーティンのチームメイトで4位フィニッシュ、
このレースで貴重なリード ラップ車の1台でした。
これでチェイスは最初のラウンドを終了
トニー スチュワート
カイル ラーソン
ジェイミー マクマーリー
クリス ブッシャー
の4人が脱落となりました。
私のテキトー予想は2人だけしか当たりませんでしたねw
レース前に脱落圏だったオースティン ディロンが、CGRの不運も手伝って
逆転で生き残った形となりました。
次戦はシャーロットのナイト レース。
600マイルではトゥルーエックスが400周のうち392周をリードする
記録的勝利でしたが今回は果たしていかに。
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