NASCAR Sprint Cup Series
Bojangles' Southern 500
Darlington Raceway 1.366miles×367Laps=501.322miles
winner:Martin Truex Jr
               (Furniture Row Racing/Auto-Owners Insurance Toyota Camry)

 NSCSの伝統的レース、ダーリントン。このレース限定で偉大なドライバーの
過去のカラーリングを再現したカラーリングが多数登場、結果、誰が誰だか
よく分からない状態になりますw
 ダーリントンはラインの外側のみにバンクが多く付けられた形状をしているので、
壁ギリギリを走るのが特徴、のはずなんですが、ダウンフォースが大きいためか、
ここ数年は案外イン側でも走れてしまうのでダーリントンっぽい走り方が
少し減少しています。その分追い抜きはできるんですが。

 そんな伝統のレースをマーティン トゥルーエックス ジュニアが勝利。
シーズンに2勝するのは自身初めて、それもシャーロット600と
サザン500という、誰もが勝ちたい伝統の2レースでの勝利です。


 予選はハリケーンで流れたためグリッドはオーナー ポイント順。
ミスター安定感・ケビン ハービックがこれでPPになりますが、予選やっても
ぶっちぎりじゃね?と思うぐらいレースでも安定した速さを発揮。
 95周目、ピットに入ろうとしたトレバー ベインがスピンしてコーション発生。
サイクル中だったためこれによって順位が一時的に変動しますが、
それでも時間が経てばまたハービック王朝復活。
最後まで行ってしまいそうな勢いですが、夕方から夜に向かっていくレースなので
大事なのは日が沈んだ時のバランスです。
 というかその前に、夕日が眩しくてそれ自体が大変です。ハービックも
左手を目の前にかざして日差しを遮るという超古典的対処法を披露。
他にこんなことをするレースがあるでしょうかw

 トニー スチュワートはボビー アリソンのカラーで走りますが、
カール エドワーズがかつてのトニーのカラーで走っていて目の前にいるため、
「自分が走ってるのを見ているみたい」と走行しながら笑います。
ただ残念ながら、グリルに付着したゴミが原因でレース終盤エンジンが壊れて
最後のダーリントンは完走できず。

 レースが動き始めたのは250周目、ジェフリー アーンハートが
壁に当ててしまい発生したコーションでした。
このピットでハービックは作業が遅く、リスタートが5位に。
 そこから10周と経たず、グレッグ ビッフルのクラッシュで再度コーションとなると、
それでもみんな迷わずピットへ。今日はタイヤの劣化が激しいです。
このピットは無難にこなしたハービック、この後リーダーに戻りますが、
280周目、A J アルメンディンガーのクラッシュでコーションが発生。
そしてこのピットで10個以上順位を落としてしまいました(゜ε゜)
右後輪を装着する際、ガンが閉める回転に切り替わらなかったようです。
 この後のリスタートを2位で迎えたカイル ラーソン。先週のヒーローが
この後リーダーに立ち、2連勝へ向かいますが、327周目、カート ブッシュの
クラッシュで仕切り直しとなり、ピットを真っ先に出たのはトゥルーエックス。
ここではステイ アウトする車もいたため、ラーソンは一旦集団の中へ。

 334周目のリスタートから、トゥルーエックスがうまく抜けだしてリーダーに。
ステイ組のライアン ニューマンが結構粘ったためハービックが
2位を奪還した頃には大きな差になります。

 残り19周でエリック アルミローラがクラッシュし、残り12周は
トゥルーエックスとハービックの直接対決。
ペースはほぼ互角ですが、ならばやはりクリーン エアーを受けている方が有利。
ハービックもラインを変えながら機会を伺ったものの、最後は先にタイヤが
落ちた感じでした。
 ハービックはピットで失った順位を奪い返す時間が足りず、
トゥルーエックスは逆に会心のピットが勝利に直結しました。



 クルーの動きを見ていると、トゥルーエックスを含むJGRのクルーは
面白い動きをしています。(他にも数チームいましたが)
 今回、走行距離が短くてもピットに飛び込むため、給油量はわざわざ
2缶入れる必要がありません。
そのため、最近は給油マンが給油をしない間に何かしら作業を手伝うのが
主流ですが、JGRはなんと、給油マンが最初は、本来の仕事場から最も遠い
右前へと回り込み、外したタイヤを運ぶタイヤ キャリアーの仕事を代行。
その後に持ち場に戻って給油しています。
フロントのキャリアーは1本だけを運ぶので2本かつぐより確実でスムーズ。
全体の流れが僅かながらよくなり、恐らく平均を取ったらコンマ数秒
早く作業が行えるようになっていることでしょう。
 何せNASCARはエア ジャッキで車全体を持ち上げるのではなく、
左右片方ずつを持ち上げているだけですから、右側で誰か1箇所が遅いだけで
ジャッキが下ろせない→左の交換作業に入ることができない、というわけで
大幅な損になります。ハービックがまさにそうでした。
いかに導線を改善するか、日々努力が続いています。


 いよいよ次戦でチェイス入りする16人が確定します。
実質的には6点差で争う16位・ジェイミー マクマーリーと17位・ライアン ニューマンの
争いになりそうです。15位のオースティン ディロンは完走さえしていれば
まず大丈夫そうな16点差です。
 ただ、30位・クリス ブッシャーもまだ31位・デービッド レーガンと
11点しか差がないので、途中でガレージ送りになるようだと黄信号です。
ブッシャーが落ちるとニューマンは今の位置でも問題なくなりますが、
逆に、想定外に18位以下の人が誰か勝ってしまうと、今度は
マクマーリーとディロンが争うことになるので、もし妙な顔ぶれが
上位に来ると、この人達は急に慌てることになります。
残念ながら、そういう波乱を起こせそうな雰囲気の人が見当たらないんですが。