NASCAR Sprint Cup Series
FireKeepers Casino 400
Michigan International Speedway 2miles×200Laps=400miles
winner:Joey Logano(Penske Racing/Shell Pennzoil Ford Fusion)
NSCS第15戦ミシガン。このレース、NASCARは現行よりさらに低ダウンフォースの
車体規則をお試し導入。リアのスポイラーは低く、狭くなり、一瞬
付いてないのかと思うほど小型に。
アメリカではインディーカーは逆にエアロ キットの導入でDFが増加されていますが、
展開がつまらない、NASCARを見習え、という議論が起きている模様。
世界の主要カテゴリーを見ても、安全面からDF削減をすることはあっても、
レースの面白さの面から削減を進めるのはまだまだ少数派に思えます。
NASCARから見習うことは多い気がします。
DWがスタートで「ブギティブギティブギティ!」って言わなかったのは
ここ5戦で2回目だと思います。
スタート直後は予選順位通りジョーイ ロガーノと
マーティン トゥルーエックス ジュニアの2台が引っ張ります。
昨年低DFパッケージ(今年使用しているもの)が試験導入された時は
みんな暴れまくりでしたが、今年はみんな肝に銘じているのか序盤は
トラブルなくレースが進行。
タイヤのデグラデーションもそこまで大きくないのか、アンダーカットよりも
燃料を使い果たす通常のオーバル戦略が主流になりそうな気配です。
46周目、引っ張りまくったブラッド ケゼロウスキーがガス欠してしまう凡ミス。
しかし、直後にトゥルーエックスが自滅してコーションが発生、
ケゼロウスキーは最悪の事態を幸運にも回避します。最終的に4位でした。
するとこのリスタート以降、レースは荒れ出します。
みんな単独だとそれなりに気をつけて走るものの、リスタート後の接近戦で
周囲に車が現れると、ターン中にバランスが崩れて他車に当てるケースが多発。
やはり低DFの影響が随所に見られることに。
王者カイル ブッシュはエンジンがぶっ壊れてリタイア。
フロントが妙に跳ねるとか言っていたので、先に何か異常があってそうなったか、
あるいは振動がエンジンを壊したか。
カイルはカンザスのレースで勝ったものの、レース後に
ナット違反でペナルティーを受け、翌戦からこれで4戦連続30位以下です・・・
62周目、デイル アーンハート ジュニアがクラッシュ。
軽く当ててしまった新人のクリス ブッシャーに対しジュニアさんは激怒。
一方のブッシャーも、大スターをガレージ送りにして随分と凹んでいる様子の
無線が放送されました。
この後102周目には甥のジェフリー アーンハートもクラッシュします。
117周目のリスタートではチェイス エリオットがロガーノを抜いてリーダーに。
好調のロガーノでもやはりダーティー エアーになるとバランスが悪いようで、
結局のところ、DFゼロどころか風を受けると揚力が発生するような車にするか、
風の影響を受けない市街地並みの速度で走らない限り、追う車が走りづらい状況を
根本的に変えることはできません。
残りが50周に迫ろうかというところでリーガン スミスのクラッシュで
コーション発生。残り距離的に燃費レースも視野に入るタイミングです。
エリオットはリーダーを守ってピットを後にはできたものの、
給油の2缶目の挿入に手間取ってきちんと全部入っていない模様。
燃費レースになれば明らかに不利です。
しかし、154周目のリスタートで大失敗、それどころではなくなります。
163周目、私イチオシのライアン ブレイニーがジミー ジョンソンに当ててしまいます。
このレース何度も見られた、並走からのイン側の車のスライド。
当てられた側はたまったもんじゃないですが、わざとやったわけでもなく、
無謀な動きでもないのでこれこそレーシング インシデントとしか言いようがありません。
残り12周、デニー ハムリンがフロットストレッチ上で左後輪のバーストで
大事故寸前。320km/hでいきなりバーストして壁に向かっていくことを
想像すると、この人達がやっていることは常人からは想像できない異常なことであると
改めて感じさせられます。
日テレG+の放送では話題になっておらず、自己直後の当人も知らなかったようですが、
ハムリンはその前のリスタートの段階で左後輪からほんのわずかに白煙が出ていて
他車との接触で曲がったフェンダーが干渉しているようでした。
ほぼ間違いなくそれが原因です。
残り7周、燃費の制約やリスタート失敗で諦めかけたエリオットに
再度2位からリスタートで勝負できる機会が訪れましたが、残念ながらやはり
出足が遅く勝負あり。
実はミシガンでは過去、新人の最高位は2位が4度で、そのうちの一人が
24号車の大先輩・ジェフ ゴードン。
師匠超えとこのトラック初の新人での優勝は近くて遠いものでした。
3位はカイル ラーソンで4戦連続で13位以内フィニッシュ。
エリオット共々、じきに勝ちそうな雰囲気ですが、一方でそう言っていても
なかなか2から1になるのが簡単に行かないのもこのレース。
勝てないままズルズルと行かないために、早めの1勝を見たいところです。
ちなみにラーソンはチェイス グリッドでは21位。
(放送でのスタンディングスでは19位となっていますが、公式サイトでは
21位となっています)
あまり目立っていないチームメイト・ジェイミー マクマーリーの方が実は
14位でチェイス圏内です。安定感も大事ですね。