NASCAR Sprint Cup Series
GEICO 500
Talladega Superspeedway 2.66miles×188Laps=500.08miles
winner:Brad Keselowski(Team Penske/Miller Lite Ford Fusion)

 シリーズ最大のトラック・タラデガ。
このレースを前にNASCARはようやくナット問題に手を付け、今回から
ちゃんとナットは5本とも引っ付けておき、ちゃんと締めて出て、
締めて帰ってくることが義務付けられたようです。
ただ、そもそもが監視カメラと引き換えにピット上にオフィシャルがいなくなって
監視不能になったことが要因になっているそうなので、例えば付けるだけ付けておいて
1本は最初から強烈な接着剤で固定。実際は締めるふりだけして4本=締める、
1本=引っ付いてるだけ、というようなインチキにどこまで対処できるのかが
気になるところです。

 さて、危ないので病み上がりのトニー スチュワートは最初のコーションで
タイ ディロンに交代です。
 そしてリストリクター プレート レースといえばマイケル ウォルトリップ。
デイトナにはBKレーシングから参加したマイケルですが、今回はPEAKカラーの
55号車と、昨年の彼のチームの装いそのもの。
あれ?チームは無くなったのにどうして?BKの3台目をリナンバー?と
思ったら、プレミアム モータースポーツの2台目だったようです。

 レースは雨の予報があり、レースの周回数が半分を超えてから赤旗になると
そこで成立・終了となる可能性があるため、普段なら最後の50周までおとなしく
パレードする人たちが最初からガンガン攻めまくり、これがために
車がどんどんボッコボコになっていくことになりました。


 今回もデイトナに続いてPPはチェイス エリオット。ですがまあここで
先頭から出てもあまり優位性はありません。
 1回目のピットまではまあまあ落ち着いたレースでしたが、50周目に
デイル アーンハート ジュニアを起点にアクシデント発生。
 高速走行で低DF、ちょっと後ろを車が横切っただけで急にバランスが乱れます。
しかもジュニアは最初のスティントでかなりのタイト。これをアジャストしにいって
出口でフリーになっていました。しかも2タイヤ交換、『時間がない』中で
急いで対応しようとしたことが一因と言えそうです。

 59周目にはウォルトリップがマーティン トゥルーエックス ジュニアとの
軽い接触からコースを外れ、戻ってきたために混乱発生。
解説で兄のダレル ウォルトリップ、思わず「オー、マイキー、オー、マイキー」
と発しますw

 レースが半分を過ぎ、いよいよ雨=即終了の状態。しかも次の給油タイミングが
すぐそこで、さあどうしようか、と思った矢先の96周目に大クラッシュ発生。
オースティン ディロンとマイケル マクダウルの接触が起因となり、
クリス ブッシャーは3回転しました。
でも本当に危なかったのは画面の端でバリアにぶつかっているマイケル アネット。
車の左側を高速で真っ直ぐバリアに衝突。車にほとんどダメージがない=
ドライバーにまともに衝撃が加わる当たり方で、もしSAFERバリアがなければ
脳にかなりの衝撃が加わっていて深刻な事態になりかねない事故でした。

 110周目、集団から離れた場所で事故発生。見に来ている人のためにも、
とチームの他車のクルーも総出で直して復帰していたジュニアが、
今度はもらい事故。カール エドワーズとともに修復不能に。
エドワーズも前のアクシデントで車をかなりいためており、いきなり
壊れたようです。
高速道路を300km/hで巡航していて、いきなり2車線隣の車が自分の方に
飛んで来ることを想像すると、いかに恐ろしい仕事であるかは考えるまでもありませんね。
 ちなみにジュニアはその前に、コーション中にいきなりステアリングが抜けてしまい
慌てて根本を操作して危機を回避した後に差し直す場面も。
今日は彼の日ではなかったようです。それにしてもいきなり抜けた時の驚きようは、
失礼ながら笑ってしまいます。
 なおもアクシデントの連鎖は止まらず、128周目にはケイシー ケインが単独事故。
彼もジュニアとの最初の事故をもらって壊れていました。
 152周目はデービッド レーガンが白煙、この頃にはかなりボロボロの車ばかりです。

 残り28周、そろそろ雨とか関係なく攻めていかないといけない雰囲気の中、
この日2度目の大きなアクシデント。
カート ブッシュがジミー ジョンソンを押し、ジョンソンの右リアが
外にいたポール メナードに引っかかって、ここから雪崩をうってみんな巻き添えに。
ジョンソンとカートの気が合わなかったようですね^^;
ちょ、押すな、な状態だったジョンソンはたいそうお怒りでした。
軽く当たった人も含めると21台巻き添えだったようです。

 フィールド上かなりの有力者が脱落し、ズタボロな車が上位にもいる
絶対なにかありますよな状況。
トゥルーエックスはリアが中破してスポイラーはトランクごと右に傾いているので
効いているのかどうかも怪しい車です。
 その後もコーションや危ない場面を挟んで残り8周、ここで再びのアクシデント。
この日2回目の横転事故となります。
ケンゼスはフロント ウインドウをバリアに引っ掛けたまま走るという
危ない着地でしたが大丈夫な模様。それにしても今年は運が無い。
しかし彼の怒りの矛先は、その数周前に幅寄せしてきたジョーイ ロガーノに
向けられ、レース後に何か一言文句をつけていきました。
けんぜす「おい、今になって去年の仕返しか?とんだ腰抜けだな」
ろがーの「何の話してんの?w」
けんぜす「そっちがその気なら覚えとけよ!」
ろがーの「(うるせえおやじだなw)」
※セリフは想像です

 かくして残り3周でリスタート。先頭のブラッド ケゼロウスキーはあえて
外側選択したものの、リスタートでインのカートに大負け。
ただ、カートの後ろにいたのはフォードの若造2人で全くアシストが得られず
再びの並走。ここからケゼロウスキーにカイル ブッシュからどでかいインパクト。
カートからすると弟のプッシュで自らがトップから引きずり降ろされる形となり、
ケゼロウスキー、カイル、の並びでホワイト フラッグ。
その後ろではオースティン ディロンが良さそうでしたが、
エリオットが積極的な動きで上がってきたためにディロンの攻める場所が封じられ、
結果としては追う人で食い合う格好に。
もはや距離が足りず、ケゼロウスキーの逃げ切りとなりました。
ケゼロウスキーはタラデガで4勝目。初優勝をタラデガで飾っている彼にとって
なぜか相性が良いようです。
 後方ではもう1回クラッシュ発生。正直あんまり意味の無い闘いで
車の修理代だけが無駄にかさんだ気がしますが走ってる方には関係ないんでしょう。
ただエリック アルミローラが足を痛そうにしていたので心配です。

 今回結果的に雨は降らず、雨が降るぞ、という脅し文句によって積極的な
レース展開が生まれたのでお客さんとしては面白かったと思います。
かなりのドライバーが新たにタラデガを嫌いになったことでしょう。