NASCAR Sprint Cup Series
Good Sam 500
Phoenix International Raceway 1mile×312Laps=312miles
winner:Kevin Harvick(Stewart-Haas Racing/Jimmy John's Chevrolet SS)
NSCS第4戦フェニックス。
ここで過去7勝、ズルしてるような速さのハービック。
オッズが1倍を割り込んでマイナス金利になりそうな勢いです。FOXの中継では
『カクタス キング』と名づけていましたが、今回もまた勝利を手にしました。
ただし今回は0.01秒差、NASCARらしいフィニッシュでした。
しかしハービックでは予選18番手、PPはカイル ブッシュです。
これでブッシュ兄弟が3戦連続でPPスタート、かつカイルは前日のXfinityを
制しており、Xfinity3連勝と勢いを持っています。
カイルの隣はカール エドワーズ、後ろにはデニー ハムリン、6位には
マット ケンゼスもいて、ジョー ギブス レーシングが上位3台を独占。
トップ8にはカムリが5台と相変わらず速さを見せます。
一方ジミー ジョンソンは予選5位だったのに、アタック後に
『ステアリングが外れて』コーナーを真っ直ぐ進んでクラッシュ、
バックアップ車で最後尾からのスタートです。
解説の桃田 健史曰く「割とよくある。僕も取れたことある」
ハンコンの線が抜けるのも結構リアルなトラブルなんでしょうかw
スタートから後続を引き離し快調なカイル、特に何も起きることなくレースは進み、
52周目、ライアン ニューマンのクラッシュで最初のコーション。
どうも右前タイヤのビードが溶けてバーストにつながった模様。
うーん、こういうのって何回やっても同じ周回で誰か壊れるパターンに入る気がする・・・
ここでカイル陣営、トップを走っていて、しかも1番ピットで他の動きを
見れるのになぜか一人だけ2タイヤ交換。「なぜ?」と思ったのは当然カイルも
同じで、クルー チーフからの返答は「トラック ポジションが大事だから」
4タイヤでも問題なかったんですが・・・
やはりそれが響いたか、75周目にデイル アーンハート ジュニアがカイルを抜いて
今日初めてのリード チェンジ。この後も順位を落としてさぞお怒りかと思いきや、
4位で踏みとどまって案外調子が良かったらしく割と落ち着いていました。
さすがチャンピオン。
ジュニアは予選26位とさっぱりでしたが、車を何もかも変えたら
決勝はかなり良くなったとのリポート。
で、106周目、リスタートから約55周でポール メナードがクラッシュしてコーション。
直後「タイヤではないと思う」と無線で語ったメナードですが、
ニューマンのチームメイトですから、同じ原因な気もします。
で、このピットでエドワーズが真っ先に飛び出し、次のスティントはエドワーズが
引っ張り続けることに。カイルも2位でピットを出ることに成功したので
一安心でしょうか。ただ、ハービックが気づけば3位に(・o・)
そしてそろそろ誰かぶつかるだろうと浅知恵が働きはじめる162周目、
リッキー ステンハウス ジュニアがやはり同じようなぶつかり方でコーションに。
このピットでカイルさん、自爆してしまいます。
リスタート後なかなか順位が上がらず放送禁止用語投入。
しかし最終的に4位でした。さすがチャンピオン?
169周目のリスタートで2番手、外側スタートのハービックが大外刈り、
とうとうリーダーになってしまい、事実上勝負が決しましたw
彼曰くフェニックスと自分の走り方が合うそうなんですが、特徴的なのは
ターン3~4で黄色い線の内側、バンクのないところに完全に4輪入れていくところ。
道幅をより広く使ってアウト イン アウトを取り、出口を速くするわけですが、
バンクの境界線は跳ねるため、それを下りて乗ると2回跳ねますし、
バンクを無視してインまで下りて旋回できる車と乗り方がないと走ることができず、
言うは易し、意外と誰も真似できません。
言うなれば、拓海が秋名で溝落としをやっているようなもんで、たぶん
計測機器を取り付けたらハービックのレース走行距離は他に人より数m少ないんじゃ
ないかと思います。
誰も走らない場所まで降りるため、周回遅れを抜くのも比較的安全・簡単です。
腹立つぐらい速いんですが、その動きの綺麗さには惚れ惚れします。私だけか?w
それはともかく、225周目、ブラッド ケゼロウスキーの右後輪がバーストして
4回目のコーション。また約55周です。そして残りが約85周となり、
満タンならギリギリ走りきれるかきれないか、という距離になります。
燃費レースの様相を呈しますが、どうせまた50周後に誰か壊れる気がします。
脅威の11.2秒ピットでリーダーに戻ったエドワーズを先頭にリスタートしますが、
今回は外側選択のエドワーズをあざ笑うかのようにハービックががら空きの
インから簡単に抜いていき、また同じ展開。
燃費走行も必要なわけですが、途中で表示されたテレメトリーの
表示を信用するなら、2秒程度の差を築いたハービックはストレートでアクセルを
1割ぐらい余らせて燃料を節約していました。
乗っている人は知らないでしょうが、これをやられるって結構屈辱です(-_-;)
さあ、残り30周、魔の周回が来た、、、、けど今回は誰も事故りません。
じゃあこれで終わり、かと思えばそうでもなく、期待通り
残り6周でコーション。ケイシー ケインがクラッシュしました。
燃費走行でペースを落とした分タイヤのライフが伸びた、と勝手に解釈。
何はともあれこれでNASCARオーバータイムへ。そしてピットへ入るか否か。
ハービックと2位に上がっていたデイル ジュニアはステイ アウト。
自分からは動けないので仕方ない環境です。
「前と逆をやれ」言われたエドワーズが入って2タイヤ。
ステイ アウトは他にオースティン ディロンだけで、エドワーズはタイヤを替えて
4位から。ハービックは外ラインを選択。
規定では、1列目は先頭の人が自由選択、2列目以降は
3位イン、4位アウト、となるため、先頭の人が外を選ぶと、4位の人は
実質的には3位からリスタートできます。さあ大変です。
そしてリスタート。飛び出したハービックでしたがターン3から明らかに
旋回速度で勝るのはエドワーズ、そしてこうなりました。
ターン4でこつんと当ててインに入ったエドワーズ、外へ寄せていったものの、
加速ではわずかにハービックが上。最後にもう1発パンチしてみましたが、
ハービックが真っ直ぐ突き進みました。
レース後「クラッシュさせたらよかった!」と冗談めかして答えたエドワーズ。
最初の飛び込み、その後の寄せとも最低限にとどめており、彼の人の良さが
出たような気がしました。
実はSUPER GTでも、富士の非選手権だったかと思いますが、
最終周の最終コーナー出てから最後の直線で2台のフェラーリ430が
並走して2~3回ガンガンぶつけてフィニッシュし、解説だった福山 英朗が
「いやー僕の好きなNASCARみたいでしたね~」と言ったのを思い出しました。
これぞNASCAR、といった映像で、ファンも楽しめたんじゃないでしょうか。
ちなみにハービック、レース後の会見で
「来年SHRはフォードになるけど来年も残るの?」みたいな
質問をされたようです。彼は、
現行の体制は最高の布陣で、長年にわたって築き上げてきたものを
変えるのは相当困難、出て行く理由がない、みたいな返答をしたようですが、
シボレーにこだわってるとか、移籍の噂があるとかなのか、SHR自体の
将来性が実は危ういとかいう話が出てるのか、単に聞いてみたかったのか、
そこらの背景がわからないですね。
仮にシボレーにこだわってるとしても、ヘンドリックは仮にケインを
クビにしたとしてもジョンソンとハービックを抱えるのは無理がありすぎるし、
古巣のチルドレスに戻るとも思えない、ガナッシも考えづらい、
普通に考えたら無いと思いますが。。。