NASCAR Sprint Cup Series
Sprint Unlimited
Daytona International Speedway
winner:Denny Hamlin(Joe Gibbs Racing/FedEx Express Toyota Camry)
2016年のNSCSも開幕前の賞金レース、スプリント アンリミテッドから始まります。
スプリントがNASCARの冠スポンサーをつとめるのは今季いっぱい、
来季はこのイベントも別の名称になりそうです。
条件を満たした25人のみが出場できるこのイベント。
トニー スチュワートも資格がありましたが、ここでも何度か書いたとおり
バギーで事故ってレースどころではない状況。代わりにブライアン ビッカーズが
乗って出場することに。ビッカーズもまた、血栓などで昨年もほぼ欠場、
ここ数年満足にレースできていないので、開幕前に上位チームの車で
走る機会があるのはお得と言えます。
レースは75周で、25周を終えるとコーションが出る2セグメント制。
13周目、後方待機作戦っぽい位置にいたハムリンでしたが、前にいた
リッキー ステンハウス ジュニアがまさかのスピン。
このパックは2台だけでの走行でしたが、ハムリンは安全な場所に
いたはずが、右側にぶつけられてしまいました。
23周目には代走のビッカーズがタイヤのダメージからスピンして
数台が巻き添えに。ビッカーズ、オーナー様の車を大破させてしまいました^^;
そして25周手前でのコーションにより、第1セグメント後のコーションは
ここへ併合されるような形に。
そして30周目のリスタート、なぜかハムリンは先頭にいました。
ピットのきっちりした映像が無かったんでよく分かりませんが、
どうもコーション直前の22周目という変なタイミングでピットに入って
このコーションでステイ アウトしたようです。
2.5マイルでは先にピットに入った方がコース上での順位を得ることができますが、
それで得しないようにわざわざ後半の距離が50周にしてあります。
満タンで走れる距離は概ね46周。普通に行くと燃料が足りません。
コーション多発で燃費が改善することに期待する賭けに出たということでしょう。
ここからはハムリンとマット ケンゼスのJGR2台にブラッド ケゼロウスキーが
中心となってレースを引っ張ります。数回のコーションでなんとか
燃料が持つメドが立ってきたハムリン、残り6周でリスタートが切られると、
いよいよ激しい先陣争い、上記3台にカール エドワーズとジョーイ ロガーノも
加わってJGRトヨタ vs ペンスキー フォードの構図となり、いよいよ
残り3周、というところでまたも多重事故発生。
これでレースは延長戦へ突入。
昨年まで”グリーン-ホワイト-チェッカー”と呼ばれていた規則が改則され、
”NASCAR オーバータイム”というものになりました。
G-W-Cでは、リスタート後、残り1周のホワイト フラッグが振られる前に
イエローになった場合、再びリスタート、それを過ぎていたらレース成立となり、
最大3回までリスタートが行われることになっていました。
それが新規則では、概ねバック ストレッチに設置される『オーバータイム ライン』
というところを先頭走者が通過したら、次にフラッグ(イエローかチェッカー)で
順位が確定。つまり成立要件が半周手前になりましたが、その代わり
回数制限が無くなりました。
これは、昨年のタラデガで『リストリクター プレート レースでは
安全面からリスタートは1回』という突然の変更をしたところ、
トラブルを抱えて、そのまま走ったらリスタート後すぐにビリになりそうだった
ケビン ハービックが明らかに故意に、リスタート直後に車をぶつけてイエローを出させ
レースを強制終了させるという荒業を使ったため改正されたと思われます。
さて、延長線で燃料がまた大変なことになりそうなハムリンでしたが、
新クルー チーフのマイク ウィーラーの指示は徹底した燃料セーブ。
かくして、14台とGT6で再現できる台数まで減ってリスタート。
ハムリンとロガーノが争う中、最終周のターン1でクラッシュが発生して
コーション発生、その時点で前にいたハムリンが自身このイベント
3度目の勝利を挙げました。
まだデイトナ500での勝利がないトヨタですが、こちらのイベントは4勝目。
また、JGRもデイトナ500では過去1勝ですが、アンリミテッドは8勝目。
さて、書いていて結果は知っているわけですが、
JGRとトヨタは本番のデイトナ500での勝利を目指す週末が始まっていきます。