NASCAR スプリント カップ シリーズ コンテンダー ラウンド 最終戦、
CampingWorld.com 500 at Talladega。
今季最後のリストリクター プレート レースは次ラウンドへの生き残りをかけた
大事な1戦です。
デイル アーンハート ジュニアとマット ケンゼスは勝たないと進出はない状況、
だったんですが、なんと勝ったのは3週連続でジョーイ ロガーノ
(Team Penske/Shell Pennzoil フォード フュージョン)
このラウンドをスウィープ。しかしジュニアを蹴落としたので会場は
かなりのブーイングですw
レース前の金曜日に、このレースに関しては延長戦の
グリーン-ホワイト-チェッカーを、通常の『3回』ではなく『1回だけ』とする
決定が行われました。『安全性と面白さの間を取った措置』だそうです。
ところがこれが結果的に大きな問題に発展します・・・
また、チェイス コンテンダーでレース前にやらかしたのは
マーティン トゥルーエックス ジュニア。予選で黄色い線の内側まで使って
アタックしたためにタイムが抹消、最後尾スタートになりました。
ルールぐらい知っといてくれよ・・・
知らない人はNASCAR=ぶつけあいだと思っていますが、タラデガでは
コーション0回のレースが過去に3回あります。
今回もレース開始から延々とグリーンが続き、132周目に
ジャスティン オールガイアーのトラブルでようやく最初のコーション発生。
スタートからのグリーン周回数としては今年最長で、距離で言うと350マイルほど
走りました。SUPER GTならもうとっくに終わってる距離ですw
ここまでに、デニー ハムリンは緊急時にドライバーを救出するための
ルーフ ハッチが壊れて開き始めてしまい、その修理のため周回遅れに。
1回できっちり直せばいいものを急いで作業したためにすぐにまた開いてしまい
何度もピットに入ります。というか塞ぐと役に立たないから本当は
ガレージで完全に修理しないと違反な気がするんですが・・・
ジュニアもピット側の違反で周回遅れ目前でしたが、コーションで救われます。
まあたぶんどっかでインチキ コーションが出たでしょうが(・o・)
2回目のランの後は荒れるかなと思いきや意外とみんな紳士的。
グレッグ ビッフルだけが給油を1回減らしにかかって、ただ1台だけ
半周以上リードしてしまったため、本当に走りきれるのか気になるところでしたが、
残り5周でジェイミー マクマーリーのエンジンが壊れてコーション。
これでたった1度のG-W-Cとなります。ここからが大変でした。
先頭はロガーノ、イン側はジュニア。見ていて私は
「じゃあジュニアが前に出た瞬間チームメイトの誰かがわざと事故ったら
ジュニアの勝ちだな」とか悪いことを考えていました。
この時点で6列目にいるケビン ハービックのエンジンには問題が発生しており、
通常の加速ができない状態でした。ハービックはリスタートと共に
外にはずれて混乱を回避、と思ったらイン側でアクシデントが発生してイエロー。
「え?これで終わり?」と拍子抜けしたら、オフィシャル側は
「先頭がスタート/フィニッシュ ラインを通過する前にイエローになったので
リスタートは成立していない」として、『2回目のコーションが継続』と判断。
改めてG-W-Cを行うこととなります。
そして運命の『2度目』のリスタート。5列目になったハービック、
今度は列に留まります。当然加速せずに、トレバー ベインが外から抜いた
次の瞬間、ベインの左後ろをハービックの右前が引っ掛けてスピン。
後続が次々と巻き込まれてまたコーション。今回はリスタートが成立している、
としてこの時点で順位確定、ただ団子状態なのでビデオ判定となります。
恐らくほとんどのファンはジュニアの勝ちを期待したでしょうが、
判定は無情にもロガーノの勝利を告げました。あと数秒遅くコーションを
出していたら、結果は違ったかもしれません。
この結果、ハムリン、ケンゼス、ジュニア、ライアン ニューマンが
このラウンドで敗退となりました。
レース後、ハービックの動きには批判が殺到。
ハービックはあのまま加速せずに後退していれば、ニューマンかハムリン、
いずれかにポイントで抜かれ敗退しているはずでした。
(ただしジュニアが勝っていれば彼らもまた敗退)
また、ハービックの接触はベインに向かってステアリングを切っているように見え、
「ぶつけてレースを終わらせたら生き残れるからわざとやったのでは?」
と思われるのは当然の内容でした。
ざっとNASCAR公式サイトの記事を見てテキトーに脳内翻訳しましたが、
ぶつけられたベインは
「彼は素晴らしいドライバーだから車の限界を理解しているはず。あれはわざとだね」
自身は次ラウンドに残った大ベテランのジェフ ゴードンも
「彼がわざとぶつけたとは思わないが、その前のリスタートでは道を譲っていたのに、
あの時はしなかったから、混乱の原因が彼だということに疑いの余地はない」
結果的にハービックはペナルティーを受けませんでしたが、そのあたりについて
ブラッド ケゼロウスキーは疑問を持っているようでした。
彼は9月のニュー ハンプシャーのレースで自身のリスタートにペナルティーが
下ったことを根に持っているようです。
ハービックの方はレースの2日後のテレビ番組で色々と釈明を行ったそうで、
接触に関しては要するに
『道を譲ろうとして動いたら結果的にあたってしまった』
動かねえんだから道開けろよ、的な批判に対しては
『オイルを垂れ流して黒旗が振られていたわけでもないし最後まで
全力を尽くすのは当たり前』と批判は当たらないという見解。
『これが第13戦で同じ状況ならピットに引き上げるが、これはカットオフ レースだ』
『例えば怪我したフットボール選手がスーパー ボウルに出場したら、怪我をおして
やれるだけのことをやるだろう?』
と、選手ならどんな状況でも最後まで諦めずにやれることをやるのは誰だって
同じはずだと主張しました。
オフィシャルの方も
『批判は理解するが明確に違反を示すものがない』というような対応で、
幕引きということになっている模様です。
結果的に、『G-W-Cは1回』という規則が
「抜かれる前にぶつけて終わらせてしまえば何とかなる」という状況を
作り出した感は否めません。従来通り3回ならこの手はそう簡単に使えないでしょう。
ハービックが故意かどうかは闇の中ですが、
ただ1つ確実に言えるのは、次のラウンドで利害関係が生じた際、彼は間違いなく
他車からわざとぶつけられてガレージに送られる、ということだけです。