NASCAR スプリント カップ シリーズ コンテンダー ラウンド 第2戦
Hollywood Casino 400。カンザス スピードウェイでの400周のレース、
次戦がタラデガとあってここで勝って楽になりたいチェイス コンテンダー達。
しかし勝ったのは前戦で勝利して既に次ラウンド進出を決めている
ジョーイ ロガーノ(Team Penske/Shell Pennzoilフォード フュージョン)。
遺恨を残す結末になりました。
PPを獲ったのはロガーノのチームメイト、ブラッド ケゼロウスキー。
レース序盤はそのまま快走しますが、バランスが一度悪化すると歯止めが効かず
なんとか9位で終えることとなります。
高速でタイヤに厳しいカンザスの特性のせいか、レースは30周を超えたあたりで
誰かしらウォールに当たってコーションが出る展開が続き、ロガーノと
マット ケンゼスが速さを見せます。ケンゼスは前戦でクラッシュしてポイントでは
8位から遠く離された状況で勝たないと脱落の可能性が高い立場。
特にロング ランで強さを見せるケンゼス。179周目のリスタート以降
コーションが出なくなったこともあって後続を突き放し、そのまま終わってくれれば
何の問題もありませんでしたが、243周目、ちょうどケンゼスが周回遅れに
しようとしたジャスティン オールガイアーが壁にあたってコーション発生。
なぜかステイ アウトしたジミー ジョンソン以外は4輪交換を行い、
248周目(残り20周)でリスタート。
ジョンソンは当然すぐやられてケンゼスとロガーノの一騎打ちとなり、
ショートで速いロガーノの攻めをケンゼスが鬼ブロック。
どう見てもそのうち当てられそうな雰囲気が漂います。
そして残り6周から5周となるフロント ストレッチ。数台の周回遅れが
いたためやや失速したケンゼスにロガーノが追いつき、ターン1の進入でやっぱり接触。
ケンゼスは壁にこそ当たらなかったものの、大ドリフト大会でもちろんタイヤは没。
無念の14位に終わりました。
レースの方はコーションが発生してグリーン-ホワイト-チェッカーとなり、
ケンゼスのチームメイト、デニー ハムリンが2位からのリスタートでしたが、
今日のロガーノに対抗できる速さはありませんでした。
今回もコンテンダーにいくつかの試練。
ジェフ ゴードンとデイル アーンハート ジュニアは共に車が決まらないところに
タイヤの問題なども重なってしまいます。それでもゴードンは運良く10位、
ジュニアは21位でもうタラデガで勝つしかありません。
ケビン ハービックとマーティン トゥルーエックス ジュニアはいずれも
ピット時のペナルティーを食らって後退。ハービックに至ってはシフト レバーが
壊れてしまって以後2回のリスタートは持ち手がないので根本を持って操作。
彼らはポイントが当落線上の僅差のところに集まってしまったので、
タラデガで無事に走り切ることを祈るのみです。
既に進出を決めた、ある意味『消化試合』のドライバーが、進出を争う
ドライバーに当ててしまうのはどうなのか、ということもありますが、
チームとして考えればロガーノが勝ってケンゼスの進出を阻むことは
ケゼロウスキーの援護となり、さらに言えばケンゼスがこのラウンドで消えてくれれば
この先が楽になりますから、勝つ意味は十分あります。
レース後も翌日に出たテレビ番組でもロガーノは、要は
「お互いにハードにレースをした結果だから」というような言い方。
「ロジャー ペンスキーには勝つために雇われている」とも言ったそうです。
ケンゼスからすると『あいつわざとぶつけやがって』というところを
レース後はあえて遠回しな言い方で猛烈に皮肉を述べていましたが、
あの位置関係であれだけブロックしたらまあ当てられるでしょう。
日欧のレースなら問題になりそうですが、NASCARの基準で考えれば、
あそこまでいいバトルをしてもらっていただけまだマシな感じすらします。
もっと早くぶつけられると思ってました。
とはいえ2位では対して悪い状況は変わりませんから、ケンゼスが鬼ブロックした
判断自体も間違いではなく、まあ相手が悪かった、運がなかった、としか
言いようがない感じです。
チャンピオン争いとは無縁ですが、今回若手のライアン ブレイニーが7位、
ブライアン スコットが12位と健闘。双方ともフル参戦ではありませんが、
ブレイニーは速さが垣間見えて将来が楽しみな逸材です。
最後にジョナサン メリマンによるレース リキャップを。