NASCAR スプリント カップ シリーズ 第23戦 Pure Michigan 400。
ミシガンでの2度目のレースです。
 このレースではインディアナポリスで使用された
「ハイ ドラッグ仕様」の空力パッケージが適用されましたが、どうやら
レースの直近になってさらにスプリッターの形状に小変更が加わったようです。
 色々変えるだけでも大変なのに、事前に予定を告知するにとどまらず
さらに変更し始めるといよいよ迷走している感が出てきます。

 シリーズはここ5戦、ジョー ギブス レーシングとチーム ペンスキーが
常に1・2位と好調。メーカーで言うとトヨタとフォードで、シボレーは
ややお休み気味です。
 そして今回も優勝はマット ケンゼス(Joe Gibbs Racing/Dollar Generalトヨタ カムリ)
2位はケビン ハービックで、連続記録は途切れましたが、JGRはこれで
ここ6戦で5勝。2013年のような好調ぶりですがホンモノでしょうか。

 レースは高ドラッグ仕様のため、ほとんどのドライバーが
「単独だとタイト、後ろにつくとひどいルースで別の車みたい」と
いう感想を持っていました。1周2マイルで幅の広いミシガンでは
走行ライン選びたい放題なんですが、これだと後ろについては走れないので、
スタート(ないしはリスタート)直後、タイヤの新しい、位置取りが決まらないうちに
仕掛けないと、あっという間に1列の走行になって、あとは戦術レースに
なってしまいます。先頭を取った人だけがクリーン エアーを受けて
逃げを打つことができる、いつもの展開です。
 NASCAR側は「前に出るためにタイヤを替えない人vs替えて後ろに下がった人」
で人為的に追い抜きを作りたいんでしょうか?

 ケンゼスの車は終始安定していて、200周のうち146周をリード。
ほぼ完璧なレースでした。

 ここのところ少し目立たなくなっていたマーティン トゥルーエックス ジュニアは
今回3位。チェイスに向けて色々攻めていたのを今回元に戻したとの
ことで、既にチェイスを決めている人たちは今のレースより、先に向けて
色々と実戦テストをしている感もあります。
 この時期いつもグダグダのレースをやるジミー ジョンソンは今回も
グダグダでしたが、彼らもたぶん計算高いので、そういうことをやっているんでしょう。

 このレース一番目立ったのは2年目のオースティン ディロン。
予選4位ながらエンジン交換で最後尾スタートのディロンは、他車とは
違う作戦シークエンスでうまく順位を上げることに成功。
 終盤にはリスタートでケンゼスを攻め立てるなど見せ場を作って
事故最高の4位に入りました。

 チェイスまであと3戦。カット ラインの16位付近で点差がガバっと
付いていて消化試合気味ですが、次戦のブリストルは荒れる場所。
その次に特殊なトラック、1回開催のダーリントンと続きます。
できればもう2波乱ぐらいないと、26戦目のリッチモンドが面白く無いので
下位ドライバーの奮闘に期待します。