NASCAR スプリント カップ シリーズはここで中休み、
シャーロット モーター スピードウェイでの非選手権、
NASCAR Sprint All-Star Raceです。

 シャーロットは1.5マイルの標準的な形状ですが、幅はよそよりやや狭く、
一方で舗装が綺麗なのでかなりターンの通過速度が速いです。

 個人競技でオールスターというのも違和感がありますが、このレースには
出場資格があり、今年は
・2014~2015年の公式戦で勝利
・過去10年の年間王者とオールスター勝者
・前哨戦のSprint Show Downの第1・第2セグメント勝者と
 それ以外でファン投票の最多得票者
のいずれかに該当する必要があります。

 オールスターは毎年のように規則が変わるんですが、今年は全部で110周を
5つのセグメントに分割しており、1~4は各25周。各々の間にコーションが入り、
ここでのピットは任意。
 そしてセグメント4終了時点で、各セグメントのフィニッシュ順位の平均が
良い順に並んで、ここからタイヤ4本交換義務付けのピット作業。
 そして10グリーン フラッグ周(コーションが出ても周回に数えない)
のセグメント5の着順が最終の順位になるという、説明が面倒くさい形式です。
 優勝賞金$100万、賞金総額$315万588の賞金レース、正直ここに出てくる
人たちはみんな高額契約のトップ選手なのでもらえなくても全然平気なんですが、
翌週にここでCoca-Cola 600があることもあって、テストという意味でも
走ることがとても大事です。

 このレース、2月に足を骨折したカイル ブッシュが復帰。
 またレース前には、先日なくなったFOXのリポーター、スティーブ バーンズの
12歳の息子、ブライソン バーンズが、解説者のマイケル ウォルトリップと共に
レース前のインタビューにあちこち回っていました。
 $100万の入ったケースを持ったブライソンは、ドライバーが手を付けようとすると
ワニのようにバクッとケースの蓋を閉めて、挟まれたら結構本気で痛そうでしたが、
NASCAR全体が彼の家族を支援しようとしている様子が伺えました。

 さてレースの方はセグメント4を終えてブラッド ケゼロウスキーがトップ。
しかし規則は「平均順に並んでピットに入る」なので、この後のピット作業が
とても大事。そこでレースは動きました、というより事実上決しました。
 6番目でピットに入ったデニー ハムリンが素早い作業。既に作業を終えて
ピット ロードを走行していたケゼロウスキー、これを見てなんとか前に出ようと加速。
これで速度違反によりペナルティーを受けました。
 ハムリンは予選1位で一番前のボックスを得ていたことが大成功。
 一方のケゼロウスキー、レース後の言い分は「先頭でクリーン エアーを
受けないと勝ち目がないから思い切って勝負に出た。」
どうせ前に出ないと勝ち目はないし、選手権じゃないからビリになっても
別に関係なし、という自己判断だったということです。
 結局ハムリンは追い上げてくるケビン ハービックを振り切って優勝。
ハムリン、ジョー ギブス レーシング、トヨタ車、いずれにとっても
オールスターの初優勝となりました。

 次週、放送に1週間の間があるのでリアル時間で言うと今日の深夜、
アメリカの1大レース日、Indianapolis 500、Coca-Cola 600が開催されます。
 
 なお、最新の情報によると、カイルは復帰したばかりでシーズンで最も
長いレースを走るのは不安があるので、エリック ジョーンズが控えで待機
しているようです。
ジョーンズはブリストルのレースで途中からハムリンの代役として
レースの残りを引き受けています。