NASCAR スプリント カップ シリーズ 第11戦 Spongebob Squarepants 400。
スポンジボブはアメリカで人気のテレビ アニメで日本でも放送されている
ようですね。それはそうとして、1.5マイルのカンザス スピードウェイでの
267周のレース、勝ったのはジミー ジョンソン
(ヘンドリック モーター スポーツ/Lowe'sシボレーSS)
今季3勝目、通算73勝目、1.5マイル トラックでは歴代最多の通算23勝目。
雨で2時間15分ほど中断したため、レースが終わったのは日付が
変わってからでした。

 レースは残り60周で8回目のコーションとなり、ちょうど満タンで燃料が
ぎりぎりの距離となったため、燃費レースの様相を呈します。
 しかし残り12周でリッキー ステンハウス ジュニアが壁にあたってコーション。
作戦が分かれる大きな勝負どころとなります。
 ここで上位陣の多くはピットに入りますが、4台がコースに留まる賭けに出ます。
その4人のうちの先頭がジョンソンでした。
 残り6周でリスタートが切られると、4位のカート ブッシュが出遅れ、
これでその後ろにいた人たちも煽りを受けて勝負権を失います。
 一方で2タイヤ交換をした5位リスタートのケビン ハービックは奇数列だったので
影響を受けず、残り4周で2位に浮上。この時点ではハービックが勝つと
思ったんですが、タイヤを変えた利点と、後方乱気流を受ける欠点、
逆を言えばジョンソンはタイヤの落ちを空力の利点で補って相殺されてしまい、
結局最後まで両者の差は縮まることがありませんでした。

 ジョンソンはスタート時はひどいハンドリングで、それに加えてルーフ フラップ
(スピン時に車が浮き上がらないように立ち上がるエアロ ブレーキのようなもの)
が少し浮いていて、空力も不安定だったそうです。
 しかしレースを進めながら車を改善し、最後の勝負手の作戦がはまって
レースをさらって行きました。確かに中盤にはポール メナードがタイヤ無交換で
順位をそれほど落とさないなど、タイヤの落ち幅が小さい状況だったので、
目先の順位を取るのは好判断。しかし自分が先頭だとこういう大胆なことは
やりにくいので、コーション時に中団グループだったことがかえって良かったのかも
しれません。何にせよ、ぶっちぎりに速い車でなくてもきちんと勝つのが
やはり6度の王者の仕事ぶりです。

 一方、最後にカートのとばっちりを後ろで受けたのは
マーティン トゥルーエックス ジュニアとカイル ラーソン。
トゥルーエックスは今季抜群の安定感ながらまだ勝利がありませんが、この日は
レース最多の95周をリード。しかし最後のピットでの作戦が、
「給油のみ」という中途半端なもので、内容を結果に結びつけることが
できませんでした。
 今季不調のラーソンもこの日は久々の快走で、2年目での悲願の初優勝へ
向かいたいところでしたが、速さも作戦も運も少し足りませんでした。

 そしてもう1人、18歳のエリック ジョーンズが
ジョー ギブス レーシングの18号車で本格的にデビュー。
スタート時に無線が通じていないという最悪の出だしながら、中盤以降
ものすごいキレのある走りでトップ5も見える速さでしたが、やはり世の中
そんなに甘くなく、一瞬のスライドを支えきれずに壁にぶつけてしまいました。
 本来の18号車の主、デイトナで重症を負ったカイル ブッシュの復帰が
近いようで、今年この後ジョーンズが乗る機会がどのぐらいあるのかは
分かりませんが、何か大物を予感させるような走りでした。

 次戦はオールスター戦です。