NASCAR スプリント カップ シリーズ 第9戦 Toyota Owners 400。
0.75マイルのリッチモンド インターナショナル スピードウェイでの
400周のレースです。
レース前に色々と話題がありました。
まず、FOXのリポーターで、癌で闘病中だったスティーブ バーンズ、
残念ながら56歳の若さで亡くなりました。ステージ4の癌ということで
厳しいとは思っていましたが、進行が早いのと、かなり転移していたようで、
彼に対する支援の名を冠した前週のレース、関係者の思いは届きませんでした。
お悔やみ申し上げます。
そして今回のレース、本当は土曜日の夜のはずが、雨で順延されて
日曜の昼になりました。車は保管されて触れないので、夜のつもりの車で
昼のレース、いつものことですが、想定する気温・路音と違うと、車は
全く別物になってしまいます。
さらに驚くことに、今回のレースのペース カーはなんと!トヨタの
燃料電池車「ミライ」でした。(ミライとミライースって似てません?)
現地のFOXの放送でも、コーションになってミライが画面に出るたびに
「トヨタ ミライ。水素で走り、水素と酸素で電気を作り、出るのは水だけ」
といった(たぶん原稿でしょうね)内容が読み上げられていました。
でもこいつ、水素の製造方法が効率化されていない現状では、全体での
環境負荷はハイブリッド車と変わらないって話ですね^^;
で、レースの方はカート ブッシュ(スチュワート ハース レーシング/
Haas AutomationシボレーSS)が制しました。
序盤の100周あたりまでは、予選1位のジョーイ ロガーノがリードしていたものの、
段々ハンドリングが悪化したのか、そこから先はほとんどカートの独壇場。
結局291周をリードする圧倒的な速さでした。唯一彼を脅かせそうだな、
と思ったのはジェイミー マクマーリーでした。もう約2年勝っていない
マクマーリー、スティント後半でのタイムの落ち幅が見るからに小さく、
周回数が長いほど距離を詰めていましたが、終盤に短い間隔で
コーションが続き、最後のリスタートが切られたのは残り25周。
これでは勝負をかけることはできませんでした。
元交際相手に対して暴力を振るったとして開幕直前に裁判所から保護命令→
出場停止、となっていたカート。復帰後は昨年にはない切れ味で毎戦好レースを
展開していましたが、フォンタナではなんかよく分からないコーションで
勝てなかったりして「NASCARはあんまり勝たせたくないのでは?」
と邪推したい感じでしたが、今回は残り2周でコース上にゴミが落ちてたり
することはありませんでした。
せっかく「Toyota Owners 400」で、ミライが出てくるトヨタの日だったのに、
トヨタ勢の最上位はマット ケンゼスの7位。
予選2位だったデニー ハムリンは昼のコンディションに全く車が
合わなかったようで、2周遅れの22位でした。
今回一番驚いたのは、カップ戦2戦目のチェイス エリオットで、
終始リード ラップを走行し、ぶつけたり回ったりすることもなく混戦を
走りきって、16位でフィニッシュしたことでした。
たしかにヘンドリック モーター スポーツの車は、たぶん不調の
ラウシュ フェンウェイ レーシングの車と比べたら遥かにベースが良い車で、
グレッグ ビッフルあたりは「俺だってあの車なら優勝争いするわい」
と思っているかもしれませんが、それでも大した適応力だと思います。
次戦はジョー ギブス レーシングの18号車に話題の超新星、エリック ジョーンズが
乗るようで、たぶんカイル ブッシュが戻るまでは今後彼が経験を
積ませてもらうんでしょうが、この2人の秘蔵っ子ドライバー、この後の
シーズンでの直接対決が見たいものです。