NASCARスプリントカップシリーズのプレーオフ、
チェイス フォー ザ スプリントカップは16人から8人まで絞り込まれ、
いよいよ最終戦への生き残りをかけた第3ラウンド「エリミネーター ラウンド」
まで来ました。
 先週のGoody's Headache Relief Shot 500はシリーズ最小
1周0.526マイルのマーティンズビル スピードウェイが舞台。
バンクは12度となっていますが、旋回半径が小さい上に
アウト側はフラットなので、もっと低く感じます。
加速してはすぐブレーキ、の繰り返し。1500kg以上あり、850馬力も
ある車でこれを500周繰り返すのは非常に大変です。
 
 当然抜きづらく、しかもアウトにいるとほぼ抜かれる一方なので
場所の取り合いが激しく、低速とはいえ当たるとクルンと回って
えらい目に遭います。
 今回もレース残り10周、デイル アーンハート ジュニアの逃げ切りか、
と思われたところで接触から赤旗中断。最後のピットで作戦が分かれ、
残り5周のリスタートで大混戦となりました。
 
 
 結局ジュニアが挽回して勝ちました。惜しくもチェイス第2ラウンドで
脱落してチャンピオンの可能性が潰えたジュニアが、可能性のあるチームメイト、
そして大先輩のジェフ ゴードンを抑えての優勝。F1だったら
チームオーダー出てそうですが、NASCARではオーダーへの罰則が厳しいのと、
ジュニアも当然勝ちたいしファンも期待しているのでそんな茶番はありません。
 
 で、この映像で面白いと感じたのが車の車高の様子。
トップに立ったジュニアの正面からの映像が分かりやすいんですが、
加速時の車を見ると、ものすごく左リアが低くて、右フロントが浮き上がり、
普通のレースだったら「ああこれパンクしてますね」というような
格好をしているのです。
 ブレーキングでこれが前荷重になりぐしゃっとつぶれても右前だけは
地面と隙間が出来ていて、ターンに入るとロールとバンク角で
綺麗にフロントスプリッターが路面との隙間を埋めています。
 私も詳しい意味は分かっていませんが、他も多かれ少なかれ傾いていますから、
たぶん最初から左右を平行にしているとターンのセンターで左のスプリッターは
地面から離れ、右のスプリッターは地面を打ってしまって車が安定しないんだろうと
想像しています。
 高速だとダウンフォースでストレートでもフロントが沈んでいるのが
ここでは速度が遅いため無いとか、ストレートにバンク角が無い、とか
色んな要因があるんだと思いますが、まあこんな姿で走る車は、
レースカーどころか一般の車まで含めてもNASCARぐらいのものではないでしょうか。
 こういう「他では見れない」という要素がまたNASCARに
惹きつけられる理由でもあります。