NASCARスプリントカップシリーズ第31戦 Bank of America 500。
チャンピオン獲得への生き残りをかけたレースの終了後に
かなりヒートアップする事態が起こりました。
レース終了後のクールダウンラップ、2号車ブラッド ケゼロウスキーが
11号車デニー ハムリンに攻撃。さらに20号車マット ケンゼスにも
攻撃を仕掛け、バックオンボードカメラの搭載主、14号車トニー スチュワートに
衝突して止まりました。
ケゼロウスキー、ハムリン、ケンゼスの事件
ケンゼスのクルー、ピット裏で大乱闘
映像に映っていない場面での伏線もあるようで詳細に不明瞭な点もありますが、
・ハムリン×ケゼロウスキー
残り2周で行われた最後のリスタートでケゼロウスキーはどうしても勝利が欲しく、
前を行くハムリンのペースが遅いため後ろから思いっきりバンプしました。
こうした動きに対しハムリンは「クラッシュさせる勢いの動きをしてきた」
と危険な運転だと感じ、フィニッシュ後のバックストレートでケゼロウスキーに対し
目の前で急減速するいわゆる「ブレーキテスト」で不快感を示したようです。
これをケゼロウスキーは「やつから喧嘩を売ってきた」と解釈し、
ターン3で反撃の攻撃に出た、という状況のよう。
・ケンゼス×ケゼロウスキー
こちらもレース終盤のリスタートでひと悶着。
リスタート後のターン1にかけてケゼロウスキーをアウトから抜こうとしたケンゼス。
ケゼロウスキーはちょっとずつアウトににじりよる何ともいえない動きで
ケンゼスの行く手を阻み、引かなかったケンゼスは右フロントを壁、
左フロントをケゼロウスキーに接触。これでバランスが崩れたかケンゼスは
3位から15位以下まで転落してしまいました。
ケゼロウスキーも右リアを軽く破損します。
ケゼロウスキーによると、この後、最後のリスタートに向けて隊列を
整理している際に、ケンゼスがわざと接触してきて右フロントに当てられ、
そのせいで最後のリスタート後にペースが下がって順位を落としたそうで、
この件でも報復を行ったようです。
ところが、恐らくハムリンにぶつけたときに横を向いて立て直しに手間取った
せいでしょうが、ケンゼスにぶつけたとき、ケンゼスは既にシートベルトを外して
ネットを外し、下りる体制を整えているところだったようです。
さらに、勢いあまって関係ないスチュワートの車にもぶつけたため、
これに恐らく怒ったと思われるスチュワートは
「おい小僧なにふざけたことやってんだ」とばかりにバックギアにいれ、
結構なスピードでケゼロウスキーに反撃。これでケゼロウスキーの車の
フロントは中破してしまいました。
復帰したらやっぱり番長ぶりを発揮するスチュワートは変わらんなあと
思いつつ(彼はレースを危険にする人間に対して制裁を振るう門番役の時もあるのです)
久々の乱闘騒ぎで驚きました。
個人的には2件のアクシデントは両方ともレースの範囲内の行動で
お互いに過剰に反応しすぎて収拾が付かなくなった感じがありました。
これでケゼロウスキーは5万ドル、スチュワートは2.5万ドルの罰金で
共に4レースの保護観察処分だそうです。
たまにはこういうのがあったほうがアメリカのお客さんは沸くわけですが、
車を使っての報復は程度をわきまえないといけないということを
肝に銘じるべきでしょう。