日テレG+のNASCAR放送は1週遅れなので関連情報は気をつけて調べないと
結果のネタばれになってしまいます。
そんなわけであまり頻繁には検索をかけないように努めているため、
トニー スチュワートが不起訴になったこと自体は知りながら、
自分でニュースソースを見る、という行為を怠ってしまい
随分と間が空いてしまいました。
 
 現地9月24日、ニューヨーク州の大陪審は、スプリントカーレースで
ケビン ウォード ジュニアを撥ねて死亡させたトニー スチュワートについて
第2級殺人罪と過失致死の2つの罪状について起訴すべきかどうか審理を行い、
不起訴としたことを明らかにしました。
 オンタリオ郡検察官、マイケル ダンティーロによると
20人あまりの目撃者や、コースの職員、動画や写真の撮影者が証言。
スチュワートも証言をする権利がありましたが、法律により真理内容が非公開なため、
実際に行ったかどうかは明らかにしませんでした。
 1時間足らずで評決が出たとのことです。
 
 タンティーロは動画が重要な要素を担ったと話し、また、死亡した
ウォード ジュニアからは判断力を低下させるレベルのマリファナが検出されていたことを
明らかにしました。
 
 
 これを受けてスチュワートは声明を発表
「私のとって辛く長い日々でした。継続する支援に感謝しています。
地方検事と保安官の全ての仕事を尊重します。辛く長いプロセスでしたが、
事件の疑惑は解明されたと思います。」
「私に多くの注目が寄せられていますが、一人の若者が命を落としたということを
忘れてはなりません。いつもケビン ウォード ジュニアの家族と友人のことを考え
祈っています」
といった内容でした。
 
 その後スチュワートは、最初の復帰会見では「捜査中」として答えなかった
事件についてのメディアからのいくつかの質問に応じました。
 そこでも彼はまずウォード ジュニアの遺族に対する思いを口にする一方で、
事故については「自分にはどうすることも出来なかった。100%事故だ」と
しています。
 全部翻訳し切れていませんが、事故後の自身の様子については
「最初の3日間はベッドから出たくなかったし、シャワーも気にしなかった。
部屋を出たのは食べるときだけで、とにかく誰とも会いたくなかったし、
しゃべりたくなかったし、ただ一人になりたかった」と、精神的に厳しい状況だったと
語り、カウンセラーの支援を受けながら徐々に回復しているとしました。
 
 刑事訴追の可能性がなくなったスチュワートではありますが、
ウォード ジュニアの遺族は民事訴訟でスチュワートの責任を追及する構えのようです。
 
 かつて世界で注目を浴びたいわゆる「O J シンプソン事件」というのを
ご存知の方もおられるでしょう。
 この事件では殺人罪に問われた元NFL選手のシンプソンが刑事裁判では
無罪となりながら民事では有罪となった代表例として、また、陪審員・被告人の
人種の問題が量刑や判決、世間的注目に大きく作用した例として知られています。
 Wikipediaによると、刑事では全員一致が原則、少しでも被告人の嫌疑に
合理的疑いが残る場合有罪判決を下すことは出来ませんが、民事では
用は過失割合において自身の主張が51%通れば「勝ち」の判決になるため
性質が異なる、ということだそうです。
 
 今回のスチュワートのケースは起訴すらされていない案件ですので
当然こうした例と単純比較はできません。
 23人の陪審員の少なくとも過半数が不起訴と、それも1時間に満たない時間で
判断した案件ですので「ねじれ」が簡単に起きるとも思えませんが、
スチュワートにとってハードルが残されていることは事実です。
 裁判となれば出廷する必要も出てきますから、2月から11月までほぼ毎週
レースを行う人間にとっては、特別裁判所が配慮でもしてくれない限り
影響が出てきそうですし、長引けばイメージにも影響してきます。
何せ彼はドライバーであると同時にオーナーです。
 事故で自身もひどく疲弊し、ウォード ジュニアに毎日祈りを捧げていると
語る一方で「100%事故」と口にするのは間違いなく民事裁判で
不利にならないための対策でしょう。
 
 「トニー スチュワート 不起訴」とか「トニー スチュワート 無罪」と
検索しても特に記事が引っかからないどころか、2ページ目にもう
このブログが出てくる始末なので(^^;)どうやらモータースポーツサイトでも
もう扱ってもらえない模様。
おなじみジャック・アマノのインディーカー・レポートが唯一の情報源となっています。
また何か動きがあれば掲載します。