NASCARスプリントカップシリーズ第25戦Oral-B USA 500で
トニー スチュワートがレースに復帰。
 週末を迎えるにあたり、声明文を読み上げました。
(翻訳は日テレG+で放送されたテロップに一部改定を加えたものになります)
 
「あの事故はプロフェッショナルとしても、一個人としても、今までで一番最悪の事故です。
一生私の人生に影響を与え続けるでしょう。この悲しみと痛みは誰にも経験してほしくはありません。
 
 ケビン ウォードのご遺族やご友人の痛みは想像できるものではないと思っています。
ケビンの父ケビン シニアと母のペム、姉妹のクリスティー、ケイラ、ケイトリンには
私がこれからの人生で毎日彼のことを祈り続けることを知ってほしいです。
 
 ご存知の通り、レーシングコミュニティーは大きな家族です。そしてそのコミュニティの
全員が悲しみに暮れています。この厳しく、辛い時期を支えてくれた友人と家族に感謝します。
NASCARや私のパートナーからの支援にも感謝しています。
 
 この2週間オフをもらい今回の悲劇と向き合ってきました。自分の人生を見返す時間にも
なりました。許しを請うだけなのはいかに簡単なことか・・・
私はチームとチームメイトが恋しいしレースカーの中が恋しい。
今週末からチームと共にレースカーに戻ることがこの厳しい時期を乗り越える
助けになると思っています。
 
 一連の件について皆さんから多くの質問があり、答えを求めるのは分かりますが
依然捜査中ということでご理解願います。どちらにしろ、気持ちとして答えられるか分かりません。
今週末はレースに出場します。皆さんのご理解に感謝し、そして時期が着たらきちんとお話しします。
ありがとうございました。」
 
 スチュワートは3戦を欠場。チェイスの規則では
「全戦出場+ポイント30位以内」が進出の最低条件ですが、NASCARは怪我の場合と同様に
欠場を特例的に認める判断を決定。ギリギリ30位以内のスチュワートは
勝てばチェイスに進むことがルール上できましたが、勝利をあげることはできませんでした。
 逆に言えば序盤で優勝して出場権を既に有していて、疑惑の中チャンピオン争いを
するよりはマシだったかもしれません。
 
 仮に刑事で訴追されなくても民事訴訟を起こされる可能性は高く、そうなれば
毎週戦うカップドライバーにとっては日程、イメージ両面で損失は免れません。
また彼はチームオーナーでもあるため、オーナーのイメージが悪化することは
チームとしてのイメージダウン、要はスポンサー面で影響を及ぼす恐れもあります。
 
 昨年、チェイスに自チームから2台進出させようと、既に進出が決まっている
クリント ボイヤーをわざとスピンさせてコーションを出し、順位操作をした
マイケル ウォルトリップレーシングは、不正が明るみになりNASCARから処分を受けると、
長年の大口スポンサーだったNAPA
(ナショナル オートモーティブ パーツ アソシエイション=カー用品店)が
「スポーツマンシップに反するやつらとは縁を切る!」と撤退。
3台体制が2台に減ってしまった上に今年は1勝も出来ず、チェイスに残れない
不振の年に落ち込みました。
 スチュワート個人にはバスプロショップ、モービル1を中心に大きなスポンサーがいますから
これらが離れる、あるいは支援体制を縮小されるようだと、本人だけではなく
チームとしても影響を及ぼす恐れがあります。
 
 警察の捜査は当初の発表だと早ければそろそろ終結する時期と思われますが、
新たな情報が入るのか、このままレース中の事故として刑事事件での
全ての捜査が終了するのか、また続報を待ちたいと思います。