アナタには会ったことがありません。

それなのにこんなことを言うなんて、

なんてバカだと思うでしょう。


でも会いたいのです。

たまらなく会いたいのです。


その手に触れたい。

その頬を撫でたい。


叶うことはもうないのに忘れられない。


そこはあなたが欲しかった場所ですか?

いわゆるオトナな人間たちが決めてきた
こんな条件だったら きっと幸せ
な 枠組みに
はめこんでみたときには
きっと 幸せ なんだと思う

そうなんだけども
どこかにはめこめないものが
くすぶっているのだろう
やつらの置き場はどこなんだろう

正しい 場所がみつからないまま
でもやつらは まだそこに在る
誰の言葉だったか。

あなたが生きている今日は、
あの人があんなにも生きたかった明日

1日ずつを積み重ね
今日が終わった夜には、安堵と感謝を
朝にはまた、新たな安堵と感謝で前を向いていきたい
父が他界してから、8ヶ月が過ぎた。
もう、なのか
まだ、なのか
考えこむ間もあまりないまま
日常が流れている。

時々、写真の父に話しかける。
おとーさん、今日はつかれたよー、とか
おとーさん、まあ、応援しててよ、とか
他愛もないことを口にしては
笑顔の父に、ちょっとこちらも緩む。

母はいまだに、父の命の消え方を悔しがっている。
それはきっと伴侶なりの悔しがり方なのであって、
娘の感情とはちょっと違う気がする。

流れていく毎日の中だけれど、
ふと立ちどまると、やはり寂しい。
おとーさん、やっぱり話したいな。
と思う。
おお、そうか。
きっとそう言ってくれたはずの、父の声が懐かしい。