2019年4月15日の夜8時頃、

私は仕事を終えてシャンゼリゼ通りの

メトロの駅へ向かっていた。

通りを歩く人々の足取りが速く

何か様子が変だった。

駅に着くころ、ある会話が耳に入って来た


ノートルダムが火事だと…


一瞬何の事か理解できなかった。

ノートルダムってパリの象徴の

ノートルダム大聖堂?え、火事?

不安に駆られながら帰路を急ぐ。

自宅に着き窓から外を見ると

オレンジ色がゆらめく場所がある。

あゝ、本当だ、本当に燃えている。

辺がもっと暗くなってくると

オレンジ色は濃さをまし、

時折炎が大きくなった。

その火は日付が変わっても消えなかった。



今日で丁度5年経った。

この間に閏年が2回あり曜日も

あの日と同じ月曜日。

先月、火災で焼け落ちた尖塔が

新しい姿を現した。



パリからの各地への距離計算の起点は

大聖堂の前だそうだ。

そこがパリのゼロ地点。

きっと何かを守ってきたのだろう。

あの火災を堺に世界がガラッと

変わった氣がする。


Notre-Dame 我らが貴婦人は

修復されて“元に戻る”のだろうか?

今日この日に偶然入ったセッションで

まほろびのコーンに火を灯しながら

窓の向こうのノートルダムを見て

そう思った。