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2017年10月05日

テーマ:

生命の実相第9巻

 

 

⑦ 霊界篇第一章

(高級霊は物理的心霊現象を起こす事は出来ない低級霊のみ)

 

 

 

差別心より観たる霊界の消息

 

……  (途中省略)しています。……

 

 

(十三)

 

1913年1月13日

 

レイヌには特になんらの通知も与えなかった。けれども彼女はやって来た。各晩とも常とはかわったことは何も起こらなかったそうである。ただ彼女は毎朝目が覚めると非常な疲れを感ずるのであった。

 

自分は周到綿密に教えられた方法に従ったがうまくいかなかった。間断なく彼女は無作法な動作をし、いらいらしているように見えた。「だってだめですわ」「雨が降ってるんですもの。実に湿っぽい天気だ。寒い!」 やがて彼女の態度や表情ががらりとかわった。

 

 

彼女は自分の袖や裾が濡れてやしないか、それをパタパタ叩いている。突然彼女は無言の会話をーはじめたー頭を打ち振り、論争し、反抗し、つかみかかるような態度までした。それは食事の問題である。それはあまりな要求です。(こう叫んだ彼女の声はあらあらしかった)しかし権威あるヴェッテリニはいかにしてこの苦行を彼女に課すべきかについてよく知っていた。

 

 

 

彼女はぐしょ濡れになるのが恐ろしくて、もう出かけないつもりで帰って来た。ヴェッテリニはその時突然姿をあらわした。そして再び出かけるように命令した。彼はきわめて激しい調子でー霊は雨を恐れる必要はない彼女は前の霊界出遊にはひとりで出かけたと思っていたが、ヴェッテリニが助けていたことを聞き、ではほっておいてください。わたしひとりでいってみますわ。

 

 

ヴェッテリニは満足した。ヴェッテリニは前回にいったとおりの晩に彼女を霊界につれていったのであった。しかし彼は彼女が覚めたときにこの実に奇怪な出遊の記憶をもってくることを妨げたのであった。なぜなら彼女の普通生活がそれによって掻き乱されるからであった。彼女はいったー「もし覚えていたら、わたしはそのほかのことは何ごとも考えることはできないでしょうよわたしは自分をへんてこな異常な人間だと思って、気が転倒してしまったでしょうよ。それでヴェッテリニはその記憶を切りとってしまったのです。」

 

 

 

 

あの方は時々わたしを訓練するために、わたしが仕事をしていない時に来られます。(彼女の手は痙攣していた)しかしそれを知ることは許されないのです。・・・あの方はすぐこれから起ころうする事件を何かわたしに書かせようというんです。それは予言です。書いたものはあなたのところへ持って来ますわ・・・あの方はその時わたしに、この周囲にあるあらゆるものを見ることを教えてくださるはずです。

 

 

いろいろの物、人間、あなたとコルニリエ夫人、あなた方のポケットに何があるかということ、机の抽き出しにはいっているもの、箱の中にはいっているものなどのを透視してそれを書くことを教えてくださるのだといいます。まあなんてむずかしい仕事でしょうね。そうはお思いなさらない?むろんわたしは幾度も失敗するでしょうよ。

 

 

だってヴェッテリニはわたしが失敗するのを待っていて教えようとおっしゃるんですもの。あの方はあなたにわたしの姿をーわたしの幽体があらわれているのをー見せたいとおっしゃっていますわ。あなたは何かあなたにさわったように感じなさいますでしょうよ。また小さなものが置いた所にないことにお気が着きなさいましょうよ・・・部屋のなかは、この現象を起こすために暗くしておかなければなりません。暗くしてあるとわたしの力が非常に出やすいのです。

 

 

 

二、三の説明があってのち、彼女は覚醒状態に導いてくれといった。が、自分は彼女を覚醒状態に誘導するための施法を行う前に、目が覚めても決して頭は傷まないと強い暗示を与えるように注文せられた。というはヴェッテリニがもう彼女に言葉でものをいわないために、彼女は非常に努力してヴェッテリニの思考を透覚しなければならなかったからである。自分はその注文どおりを行なった。そして彼女は安らかに静かに目を覚ました。

 

 

(十四)

 

1913年1月15日

 

ヴェッテリニがレイヌをしていわせたところによれば、われわれの実験会はすでに決まった方向に向かって継続して行わるるのだそうである。その方向とは死後存続する霊魂についての証拠を得ようとする非常に細かい点に注意を払った努力である。

 

 

彼はどうしてもなくてはならぬ実証の必要さを知っていたかのように思われる。で、彼はみずから進んで次の実験を行なおうと申し出でたーわれわれおよび霊媒の少しも知らない死者の誰かの霊魂をヨビ出して、証拠をあげうる方法でその真実をあかししようというのである。ヴェッテリニたちの目論んでいる書物はそれとは離れた一つの仕事であって、それは決して自分の研究を妨げはしないとのことである。

 

 

 

レイヌはこう言いたしたー「しかしわたしは肉体死後の霊魂たちのへ行って、彼らをここへ伴れて来て彼らの語るところをあなたに取りつぎうるところまで修行ができなくてはなりません。ヴェッテリニはこのためにわたしを訓練しているのです。この状態にはたしかにわたしはなりうるでしょう。この次からはヴェッテリニがわたしの肉体をつかってあなたに直接話しうるようになります。」

 

 

彼女は吹き出すように笑いだして「あの方がわたしの肉体をつかって話し出したらさぞおかしいでしょうよ。だってあの方ときたら厳めしい底力のある声で重々しい身振りをなさるんですもの…このわたしの小さい身体、わたしの声、わたしの手をつかって、あの方が談し出す様子ったら、とても想像もできませんわ!」

 

 

 

この一時的憑依(いちじてきのりうつり)のきわめておもしろい説明が続いたのちこの実験は終わった。覚めるにのぞんでレイヌはいったーヴェッテリニのようにいちじるしく進化をとげたスピリットは物理的心霊現象を引き起こすことはできないのである。「そんな現象をあらわすことができるのは低級霊ばかりです。低級霊にそれができるのは、その幽体がいっそう物質的でいっそう濃厚だからです。高級霊はわれわれの感覚器官でみとめられないようなまったくわれわれとは実質のちがった霊体をもっています。高級霊がわれわれの感覚器官にみとめられようとする時には、低級霊を仲介的道具としてつかうのです。」

 

 

 

このことを書いておかなくてはならない。ヴェッテリニはこういった。ーレイヌはあの書物の内容をすっかり書くであろう。黙示がしめされるのはレイヌを通じてであるが、彼女はそれを部類別けすることができないであろう。それを修正して出版することは自分の仕事となるわけである。

 

 

つづく

 

 

谷口雅春著 「生命の實相」第九巻より

 

 

 

 

 

 

*既に完全円満なる神の子である

 

つづき

 

だから吾らはー度、「吾、今五官の世界を去って実相の世界に入る」念じて、五官の感覚にあらわれて感じられる不完全なる状態から心を一転させて、「吾れ既に完全円満なる実相の世界に住む完全円満なる神の子である」と云う想念に心を集注しなければならないのであります。

 

「これから完全円満にならせて下さい」と想念してはならないのであって、「既に神の子なり、既に円満なり、既に健康なり、既に豊かなり」と念じなければならないのであります。