◎癌の原因を追求する
◯ 子宮癌、乳癌はどんな精神状態で起こるか
私たちは早急に結論を急いではならない。しかし私たちの研究および多くの体験発表を綜合して、やや結論に近いものを発表してみると、子宮癌や乳癌は夫婦の愛情関係が円満にいっていない人に多く発生しているのであって、
これらの婦人は、離婚した後の未亡人であったり、良人に感謝不足の妻であったり、未婚で夫婦愛に飢えている人などが罹っているのである。
つまり、このような状態においてその人が起こしたところの感情のストレスが具象化したものが子宮癌や乳癌なのである。
大体、癌を精神状態の象徴的表現として観察するならば、癌はふくれて塊ができてくるから、不平や不満や憤りのような“ふくれる”感情の表現として起こる場合が多いようである。
症例
米子公会堂での昭和四十一年十月八日の講習会の席上、当時鳥取県米子市〇〇〇〇に住む〇〇〇〇さん(三十九歳)は日頃良人に対する不平不満足の感情を持ちつづけていたら子宮筋腫になり、一ヵ月入院して子官を摘出しなければならぬと診断されたのが、生命の實相の或る先生に導かれ、良人に感謝するようになったら、その子宮筋腫が手術なしに消滅したという体験を発表されましに。ご本人自身の体験発表を録音から再生して読んでいただきます。
…… 省略 …
さて、去る三月二十八日数日前から身体の調子がおかしいので主人に勧められまして、博愛病院に診断を受けに行きました。婦人科の神様と言われる名医、岩佐先生から診断の結果、孑宮筋腫と宣告され驚きました。
全く頭から血がさっと音をたてて退くようなシヨツクでございました。私は六年前に子宮外妊娠でこの病院で岩佐部長の手で開腹手術を受けておりますので、また開腹するなんて、と考えただけでもぞっとする思いでした。
幾日位入院したらよろしいのでしようかと恐る恐る尋ねますと、“約ーヵ月ですね、開腹して子宮全部取ってしまうんですよ、ご主人や家族とよく相談して来月早々入院して下さいよ”と言われまして、全く生きた心地が致しませんでした。
それから宙を飛ぶように我が家に帰り着きまして、主人の事務所に電話しますやら友達に知らせたり、気もそぞろで落ちつきませてず、そわそわ致しておりました。
私は飲食業を経営致しておりますのでー日たりとも休むことのできない位、多忙な毎日でございますのでーヵ月も入院したらー体商売の方はどうなるのであろうか、家族がさぞ困るだろうと、つぎつぎ取越し苦労いたしておりましたら、友達ってありがたいものですね。
すぐ駈けつけてくれまして、誤診ということもあるのだから、一度病院を変えて診てもらったらと深切に他の病院に私を連れて行ってくれました。しかしそこでもやっぱり診断は子宮筋腫と宣告され、頼みの綱も、一縷(る)の望みもすっかり切れてしまったのでございます。
こうしてもう絶体絶命という処まで追い込まれまして、すっかりしよげてしまい、どうしたら良いのかと思いあぐんだ時に、その時私の頭にパツと閃いたのが生命の實相でございます。そうだ!あそこだ、生命の實相に行こうと思いました。
生命の實相は以前から『白鳩』の誌友にしていただいておりましたので、そうだ、そうだ、あそこだ。生命の實相以外助かる処はないのだ”と確信を持ち、すぐに元気を取戻しまして、勇みたって病院を飛出しますと、〇〇の道場めざして一目散に駈け込みました。
その時、幸運にも素晴しい塩崎先生にお会いできまして、個人指導をしていただくことができたのです。塩崎先生は、“人間は神の子である、神の子人間に本来病気はないのですよ。神を信ずる者は必ず救われる。ご主人様に感謝しなさい。ご先祖様にご両親様に感謝しなさい。
天地一切の物に感謝するのですよ”とおっしやって、いろいろと長時間にわたり深切に病気の治った人の例をひき、指導してくださったのでございます。先生のお話を聞いておりますうちに、私は何でこんな病気に罹(かか)ったのかしらと原因を考えてみました。
私は日頃主人に対して感謝の気持が全くなく不平不満、憎しみ、恨みなどの悪い感情が積り積っている私の心に気がつきました。顔には出さないようにして努めていましても心の中でいつでも脹(ふく)れていました心が形の世界に現われて、お腹にかたまりのできる病気として現われたのだということが判ったのでございます。
全く肉体は“心の影”でございました。主人は本当に世界一素晴しい旦那様でありますのに、主人の素晴しさを見ないで、短気で荒っぽくて厭な人間だと、その欠点のみを見て恨み続けていた自分が申訳なかったと、しみじみ反省させられました。
私は主人の前に素直に懺悔したのであります。それからすぐ聖使命会員にしていただきまして神癒祈願をお願いいたしました。『甘露の法雨』と『生命の實相』も求めて帰りました。
そうしてーヵ月間、塩崎先生に教えられた通り真剣に『甘露の法雨』を読誦いたし『生命の實相』を繰返し繰返し読み、暇があると“ありがとうございます、ありがとうございます”と、称えておりました。それからーヵ月目の四月二十八日に米子医大で再び診察を受けました。驚きました、これが奇蹟というものでしようか。
“あなたは子宮筋腫ではありませんよ、もう来なくてもよろしいんですよ”と先生に言われた時には信じられない喜びでした。病院を出て慌てて電話しましたものの、私はひよっとしたら聞き間違いではなかったのかしらと思い病院の長い廊下を引返し、もうー度お医者さまに確かめました。
そばにいました看護婦さんが、“本当に良かったですね、おめでとうございます。今のお医者さまは田中助教授で、この病院では実に名医ですから田中先生の診断に間違いありませんよ”と言ってくださいました。
私はこの言葉を信じました。“私は本当に病気は治ったのだ。消えてしまったのだ”ということを心の隅々までしみじみと味わいました。嬉し涙がボロボ。流れまして思わず“ありがとうございます”と合掌致しました。
この〇〇みどりさんの体験を聴いていると、再び正しい信仰はよいものだなあと思わずにはいられないのである。
大体医学上の統計から観察しても、乳癌または子宮癌にかかる人は女性ホルモンの異常から来るので、結婚しない人、結婚しても離婚して満足に夫婦愛を楽しめなかった人、また離婚しないけれども夫婦の精神関係がピツタリせず、心に不平不満足をもっている人がかかりやすいのである。
〇〇さんは子宮筋腫だと診断されているけれども、単に筋腫ならば子宮を全部剔出する必要はなく、筋腫だけを切除すればよいのに岩佐先生が開腹して「子宮全部を切りとる必要がある」といわれたのは癌の宣告をしたら本人が精神的にまいってしまうので、病名を転換せられたとも考えられるのである。
しかし、〇〇さんは『白鳩』の誌友であった結果、真理にみちびかれ、素直に良人にお詫びをせられた。これが発病の原因である夫婦間の精神的わだかまりを解きほぐすことになったのである。「懺悔・病を癒す」と『生命の實相』に書いてある、まことにその通りである。
谷口雅春 著 「心と癌」より