○ 人間の三つの願い
従業員の魂に“悦び”の油をさすのは、上役の思慮深き深切さと、従業員の仕事の価値をみとめてやり、それを賞め且つ、その仕事に報いるだけの待遇をしてやることである。
そして、お前の仕事がこんなに会社の、そして人類の役に立っているぞと云う認識を新たにしてやることなのである。
人には是非とも必要な三つの願いがあるのである。それは
(一)愛されたい。
(二)認められたい。
(三)人 のお役に立ちたいと云う願いである。
上役から自分たちは愛されている。上役から自分たちは認められている。自分の働きが会杜及び人類の繁栄に役立っている。このような自覚が得られたときには、給料などの多寡は問題でなくなるのである。「人は已れを知る人のために生命を損(す)てる」と云う諺があるが、従業員の実相を知り、その誠実をみとめ、それを礼拝するとき、すべての従業員はその会社の繁栄のために働くのである。