出産の少し前からお腹に鈍い痛みを感じることが増えていました。

最初は軽い生理痛程度でしたが、予定日が近づくにつれて痛みが強まってきていました。

数時間程度、横になっていないと辛い時もあり、これはきっと前駆陣痛なのだろうな、いや、それとも本当の陣痛になるのだろうかと不安に思いながら過ごしていました。


予定日の前々日の夜、また痛みが始まりました。

いつもの前駆陣痛より少し痛みが強いようでした。

病院に電話をすると陣痛の間隔を聞かれました。

「15分程度だと思います。でも今は痛みがないのですが、全く痛くないんです。」

「一応入院の準備をして、病院に来てください。」

荷物はまとめてあったので、主人とタクシーで向かいました。


痛みの波が来ている時は、立っていられなくなってきていました。でも治まると、全く痛みを感じない。

これが陣痛なんだろうか。

初めてのことなので、よくわからなかったのです。


病院に着いてから助産師さんが子宮口の開き具合を見て

「ああ、まだ下がってきていないので朝まで出産にはなりそうにないですね。

今日は一度おうちに帰って、また朝に来てもらえますか?病院よりおうちの方がリラックスして過ごせるだろうから、陣痛の進みもよくなると思うので」

「朝、来た後はどうするんですか?」

「診察は9時からなので、受付をしてからになりますね。」


え、えーっ!!

こんなに痛みが酷いのに、いったん帰って、これ以上痛みが強くなった状態でまた来るの?


病院と自宅を往復することを考えただけでも気が遠くなりそうでしたが、

言われたとおりに、帰宅しようとしました。

病院の廊下を歩こうとしたのですが、この時には痛みがさらに強くなり、倒れこんでしまいました。


助産師さんが見かねて「入院しますか?」と言ってくれたので「します!」と答えて、やっとここで入院することになりました。