国民主権党代表　平塚正幸（さゆふらっとまうんど）が出している「学校に行きたい大学生へ」の動画です。

平塚正幸は

「この先大学生は大学に行くことなくすべてオンライン授業になる。

これは政府が仕組んだやり方、コミュニケーションを取らせないようにする政府の陰謀だ」

と言っている。

これ　大学生をだませるのでしょうか？

だませるとしたら　日本国憲法23条に学問の自由があることを知らない人間くらいのものでしょう。

いや　小学生でもだまされない人は結構いると思いますよ。

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小学生は活字が苦手です。

ですから　日本の歴史を学ぶ小学生のために　学習漫画などが出版されています。

漫画を出版しているのは数社あるようですが、　一番部数が多いのは　小学館版みたいですね。

私も小学３年の時に学校の図書室で一通り読んだことがあります。

現在　小学館版の日本の歴史は　2020年8月末まで　無料公開しているそうです。

URLはこちら↓

https://www.shogakukan.co.jp/pr/manganichireki/

私が小学３年の時読んで、「何のことだろう」と思ったことがあります。

20巻の↓この右上の記述です。

また、学問・言論の自由もうばわれ、大学の自治がうしなわれました

↑この記述です
この前のページは　日本の国際連盟脱退声明(1933.3.27)
この後のページは　２．２６事件　（1936.2.16）

このページの小林多喜二の虐殺は　1933.2.20　

この頃　大学の自治が失われた。しかし具体的記述はありません。

この意味がわかったのは　高校生の時

（私は理系ですが、社会は日本史を選択してずっと学年首席を維持していました）
おそらくこれは滝川事件（1933.5.26）のことを指しているのだと思います。

http://nozawanote.g1.xrea.com/03episode/episode23.html

簡単に言うと　当時京大法学部教授滝川幸辰の著書の内容が共産主義に近いとして

当時の文部大臣鳩山一郎が教授会を無視して強制的休職処分して、更に大学の自治を主張する教授や学生が抵抗するも、ねじ伏せられました。

これは　大日本帝国憲法で学問の自由が認められていない時代の話。

現在はこんなことをすれば間違いなく憲法違反判決が出ます。日本国憲法23条に抵触するからです。

ここまでの　太平洋戦争終戦前は　大学は自治は奪われていたが、戦後は学問の自由により大学の自治は保たれている

と言う話は　小学校を卒業するまでの間に　勉強していることです。

たとえ　滝川事件のことは知らなくても、憲法は一通り学校で勉強しますからね。

明治大学法学部中退以前に、平塚正幸は小学校の段階で、落ちこぼれやら登校拒否やら　当時から問題児だったのではありませんか？

現在は　大学の敷地内に警察官が勝手に入り込んできただけで　「『大学の自治』の侵害だ！」　と大騒ぎになる時代です。

https://sirabee.com/2014/11/13/7602/

その一方で　教科書検定については　学問の自由と、小中学校の教育の自由は別物と言う理由により違憲性はないと言う判例があります。

（家永訴訟と言う有名な訴訟があります）

つまり、小中学校は政府がある程度教育に制約をかけることはできても、大学は政府はほとんど介入できずにフリーになっているのが現実です。

そして　現在小中学校は感染防止のための教育をしながら、生徒を学校に登校することを容認しているのも日本政府です。

大学は　大学の意思でオンライン授業をするか対面授業にするか決めているんですよ。

例えば京都大学

専門科目における対面授業の一部再開等について

令和2年6月19日

↑より抜粋

学生各位

　令和2年5月28日付け「新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う今後の活動制限の緩和について」では、「現在の活動制限のレベル2については、引き続き維持することとし、今後、6月18日を目途に、順次本学の感染拡大予防マニュアルを作成し、段階的な活動制限の緩和に向けた検討をしてまいります。」とお知らせしておりました。
　これに伴い、本学では、全学共通科目は前期期間中は対面ではなくオンライン等により授業を実施しますが、学部・大学院専門科目の実験・実習・演習等の一部については、下記のとおり対面授業を段階的に実施することとしました。
　本学の前期の授業については、引き続きオンライン授業が中心であることに変わりはありませんが、実施される対面授業の詳細及び必要な注意事項については、各学部・研究科から連絡いたします。
　また、全ての課外活動は、引き続き当分の間、自粛するようお願いします。
　新型コロナウイルスの今後の感染拡大状況によっては、以上の内容は変更の可能性もあります。その際は、改めてご連絡します。

第一段階（6月22日（月曜日）～6月30日（火曜日））
オンラインでは実施困難なもので、資格等の取得に関わる必須な授業であり、特段の感染防止対策を取り得るもの。
第二段階（7月1日（水曜日）～7月9日（木曜日））
オンラインでは実施が困難なもので、比較的少人数で実施するもの。または、主として屋外で実施するもの。
第三段階（7月10日（金曜日）～7月31日（金曜日））
オンラインでは実施が困難なもの。（ただし、第二段階の状況に応じ、条件を加える場合がある。）

もう　おわかりですよね。

大学のオンライン授業について
平塚正幸が言っている　「政府が仕組んだやり方、コミュニケーションを取らせないようにする政府の陰謀だ」

ま　全くのデタラメ。むしろ大学と異なり影響力を及ぼせる小中学校は生徒は登校していることにより　現実は正反対とも言えるものです。

これでは社会化授業の理解度が高い小学６年生ですらだますのは難しいでしょうね。

ちなみに、政府が大学の自治を脅かして大学に口を出せるようになる時代を危惧するなら

学校教育法93条が　安倍政権になってから改悪されていることを危惧すべきです。

学校教育法93条の改悪

↑のように、教授会は　”決定機関”から　”審議機関”に改悪されています。

教授会の力を弱めて　学長の権限が強まったことで学長の独裁色が強まることを意味します。

この弊害は既に出ています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51682?page=3

そして2015年、安倍政権は新しい学校教育法と国立大学法人法を導入した。

新学校教育法は、国公私立大学のすべての教授会から、教育・研究に関するあらゆる事項を審議する法的根拠を剥奪し、学長の指揮権のもとに置いた。組織や予算はもとより、学部長など部局長の選出、教員の採用や昇任、研究や教育の内容、カリキュラムに至るまで、何もかもが、学長の一存で変更可能になってしまった。

また、新国立大学法人法は、学外の委員が過半数を占める学長選考会議に、学長選出の基準そのものを決める権限を与えた。その結果、国立大学では、学長が任命した学長選考会議のメンバーが、教職員による投票をまるごと廃止するという、マッチポンプのようなケースが相次いでいる。

このようなものが　大学の自治を骨抜きにする危険があるものです。

そして　もし　平塚正幸の言う妄想陰謀論が　事実になるとしたら

学長選考会議で選考される学長が政府の意を汲んだ人間が恣意的に選出されており　「コロナ禍がおさまっても対面授業をやめてオンライン授業を主流にしよう」「大学のありかたを変えよう」などの発言や教授会を無視した独裁が行われている根拠を示すべきですが、そんな事実は全くありません。コロナ禍に関して将来に至るまでオンラインを主張する学長と独裁に不満を持つ教授会で意見の相違が出てトラブルになっているなどの話もまったく聞きませんし、もし大学の講義が対面授業を駆逐して完全オンライン化する長期戦略があるなら、大学自体で施設など無用の長物になるものが数多く出てきますが処分する　あるいは他目的使用（この場合は収益化が関係するので税金がかかってきます）などの話は全く出てきません。