「ステロイドの塗り薬は肌が黒くなるんですよね?」
こんにちは^ ^薬剤師のsayoです。昨日は暑かったけど、一転、今日は雨で肌寒い横浜市です。さて、今回の患者さんからの質問はステロイドに関する内容です。意外と勘違いされていらっしゃる方が散見されますが、ステロイドは決して怖い薬ではありません。⭐︎⭐︎⭐︎「湿疹でステロイドを使うことに抵抗があります…。ステロイドを使うと肌が黒くなると聞いたことがあって…。」→ステロイドを塗って、肌が黒くなることはまずありません。「でも、知り合いは重度のアトピーで長年に渡りステロイドを使っていたの。その人、肌が黒くなっちゃったのよ?どう考えてもステロイドのせいでしょう?」→アトピーでも湿疹でも、炎症の強い状態を長らく放置するとやがて色素沈着を起こします。ステロイドを使用することで炎症が治まり、炎症後の色素沈着が目立って見えるように感じるので、『肌が黒くなった』と思ってしまうのです。「じゃ、その知り合いの肌が黒くなったように見えるのは、ステロイドではなく色素沈着のせいなの?」→そうだと思われます。炎症後の色素沈着は、時間をかけて消えます。例えばニキビを潰した跡もそうですよね?色素沈着とステロイドに、明確な因果関係はありません。「でも…、そもそもステロイドは副作用が強いと聞くから怖いわ…。」→指示通りに正しく使用することで、副作用を回避しましょう。ステロイド軟膏の副作用として、皮膚萎縮、多毛、毛細血管拡張などが挙げられます。しかし仮にこれらの副作用が出たとしても、ステロイドの使用を中止すれば副作用も消失します。「いやいや、ステロイドは全身に副作用が出ちゃうと聞いたことがあるわよ?」→最も強い種類を、たった数日で100g単位で塗りまくるなどの使い方をしない限り、全身への副作用は起こりません。確かにステロイドは免疫を抑制するので、副作用は有り得ます。長期間に渡り、漫然と塗り続けていれば副作用のリスクも上がります。しかし短期間で皮膚の炎症を鎮める目的ならば、そこまで恐れる必要はありません。あまり怖がり過ぎないように、まずは1週間使ってみましょう。それでも改善しなければ、再度皮膚科を受診して下さいね!⭐︎⭐︎⭐︎ステロイドに関する誤認は、やはりまだ根強いようです。特に今の50代から上の年齢層に多いように感じています。(※あくまでも個人的な肌感覚ですが)どのような薬でも、副作用はあります。副作用を正しく理解し、その上で薬を使うメリットをお伝えすることが私たち薬剤師の職務だと思っています。