夫の不倫が始まる前の私たち夫婦の事について少し綴ってみようと思います。
 
ごくごく普通のどこにもでもそうな円満夫婦でした。
 
外から見ると、そのように見えたと思います。私自身もそう思っていました。
 
私は、子育てと仕事を両立し、夫もまた仕事を頑張り、家では良きパパに見えたと思います。
 
夫と同じ会社だった為、夕飯時の会話は仕事の話題がどうしても多くなりました。
 
ある日
 
夫の仕事ぶりで、気になる部分があって、「こうしたらもっと上手くいくんじゃない?」
と言った事がありました。
 
「さやに俺の担当の何が分かるって言うんだ?そんなに簡単に言うなら、さやがやってみればいいじゃないか!俺はみんなをまとめているんだぞ!さやと俺とじゃ仕事のウエイトが違いすぎる!さやにはできるわけないだろ!」
 
そんな事を言われて、とても腹が立ちました。
 
「仕事のウエイトが違う?あなたは、仕事から帰れば、家事なんてほとんどしないじゃない!
私は、仕事が終われば今度は家事が待っている。全然手伝ってなんてくれないじゃない!」
 
たいして長引かない、些細な口げんかでした。
 
そんな些細な喧嘩に大きな意味が潜んでいたことにも気づくことなく。
 
子育てと仕事では、何十倍も子育ての方が大変という思いがありました。
それは、今でもそう思っています。
 
悪阻と闘い、大きなお腹を抱えて過ごし、大変な思いを
して出産し、その直後から育児に追われる日々を過ごすのです。
 
自分の思いとは、違う思いで動く子供ができ、夫の事を考え食事を作り、また1日が終わる。
 
世の中のほとんどの主婦は、家族の為に時間を費やし、自由になる時間などほとんどないのが現状なのです。
 
母としての仕事は、時間を問わず無制限に続き、何にもしなくても良い休日なんて皆無なのです。
 
一方、夫の仕事時間には、制約があり残業があったとしても、時間で終える事が出来ます。ただ・・
 
時間内といっても、その中でたくさんの責務を背負い、私からは想像も出来ないほどの重圧の中一生懸命働いているのです。
 
父としての仕事は、限られた時間の中で、スマートな仕事をして、一家の大黒柱として家計を支えてくれてます。
 
私の代わりに、私のように同じことは夫はおそらく出来ないでしょう。
 
そして、私も夫のように同じようなかっこいい仕事は出来ないのです。
 
「夫婦関係は争いではないのです」
 
どちらの仕事のウエイトが大きいか、どちらが頑張っているかではないのです。
 
唯一無二の誰とも代わる事ができない存在を大切にし、お互い支え合うのが夫婦なのです。
 
そんな事も分からずに、私達夫婦は、些細な喧嘩の中で、互いに孤独を感じ、少しづつその孤独を埋めきれなくなっていったのです。

その孤独を不倫で癒しても、一時の解決にしかならず、むしろ時が経つほどに、自らの幸せを奪っていく事に、一刻も早く気付くべきなのです。
 
「いつもありがとう」
互いにその一言で、夫婦の関係はぐっと良くなったのでしょう。