もう難しいと思いました。
夫が、女と一生を共にしようと言っている以上、私のいる世界ではないと感じました。
長い時間答えの出なかった、この生活に区切りをつける時がやってきたのです。
そう思うと、悲しさと寂しさの隙間にやっと終われるというホッとした感情があるのも確かでした。
錦戸君にも花さんにも私の決意を話そうと思いましたが、気持ちがブレてしまいそうでやめました。
どこかで、最後は自分で決めた事として自分に後悔をさせたくないのかもしれません。
誰にも何も言わず、役所へと足を運びました。
役所で、知っている人に合わないだろうかと目をキョロキョロさせながら戸籍住民課という所で
少し小声で聞いてみました。
すみません。離婚届はどこでもらえますか?
ここで大丈夫ですよー。と受付の男性は、ささっと奥に引っ込むとすぐにテレビなどでみた、見覚えのある用紙を手際よくくれました。
書き方は大丈夫ですか?と訊ねられましたましたが、この場を早く
去りたかった事もあり、実際初めて見たくせに、はい。と言ってしまいました。
書き損じた時にと2通を封筒に入れてくれました。
帰り道、不思議な気持ちでいっぱいでした。
あんなにもやれるところまでやって、それでもダメならあきらめると言って頑張った自分が
メールの1文でいとも簡単に、諦めてしまう。
花さんは、なんていうだろうか・・・。
そんなことを考えていました。
そして、これをいつ夫に渡そうかと。