虹と霓 | 天氣後報

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虹
先日、虹製造レンズについて書きました。
その「虹製造レンズ」で毎日仕事の合間に、窓から差し込む太陽の光を集めて机の上に虹を作って遊んでいたところ、本物の虹が出現しました。
もちろん、作ったのは雷雨と雷雲が去った後の陽射しですが。

向かって右側の濃いほうが主虹、つまり雄で、左側の薄いほうが副虹、つまり雌の虹です。
ただ、厳密には「雌の虹」という言い方は間違いです。「虹」と書いてコウと読んで雄。「霓」と書いてゲイと読んで雌。

小説家長野まゆみさんの『ヒルサガリ』(作品社)にも虹の話が登場します(『ヒルサガリ』では雌の虹は虫へんに「睨」のつくりのほうを書いた文字が使われています)。
そこでは雌の虹の好物は「羅布泊(ロプノール)の西の沙漠にうずまっている茨(ばら)のかけら」だと書かれています。つまりデザートローズ(沙漠の薔薇という鉱石)。
長野まゆみさんの小説に出て来る食べ物や飲み物を実際に出すカフェを月に1回、やっているのですが、虹の出現は、そろそろ、この虹のくだりに登場する銀ラムネをメニュに加えようと思っていた矢先でした。

本物の虹を見たのは久しぶり。しかも、今回は雄(オス)と雌(メス)が仲良く並んで現れました。虹に雄と雌があるという話は虹製造レンズのところで書いたばかりだったのですが、東京に居て(しかも室内にこもっていることが多いのでなおさら)虹なんて滅多に見る事はできません。
「やっぱり虹製造レンズのせいかな。それとも沙漠の薔薇をたくさん仕入れたせいかな。」、、、なんて、こっそり思って写真を撮りました。