ミュージカル『春のめざめ』
WESTチーム・EASTチーム共に、
全公演が無事、終演いたしました。

この情勢下で誰ひとり欠けることなく千秋楽を迎えられたこと、本当に奇跡で、とっても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。
嬉しくて嬉しくて言葉にできないです。(してる)


対策を徹底してくださったスタッフさま方、
ご観劇時ご協力くださったお客さま、
本当にありがとうございました。

そして各チーム12公演ずつ、完売公演も非常に多く、常にたくさんのお客さまでいっぱいの本番期間となりました。
皆さまにあの場で観ていただけて初めて、舞台が舞台として成立します。
本当に本当に、嬉しかったです。たくさんのご来場、誠にありがとうございました。



あ、今回も相変わらずブログがとっても長いので、あらかじめざっくりと流れを説明させていただきます。お好きなところだけ読んでいただけたらと思います。

上:『春のめざめ』本番を迎えるまで
中: スタッフさん、キャストの方々への感謝
下:『春のめざめ』のぐっとくるところ






『春のめざめ』という作品に携われたことは、わたしにとってとんでもない財産となりました。

このお話をマネージャーさんから聞いて以降のわたしの気持ちを箇条書きにすると

①春めざ再演するんだ〜!!

②待って実際歌ってみたらめっちゃ歌むずい

③え?決定?何役で?え?ヴェントラで?!

④え?相手役石川新太くん?あの?
   あの若くして大俳優のあの???

でした。
わたしをヴェントラにと選んでくださった偉い大人の皆さま、本当にありがとうございます。


ミュージカル『春のめざめ』の日本上演時はまだ中学生で(それこそ14歳くらい)、実は生で作品を観たことがなかったということもあり、
YouTubeでいろーーーんな国の春めざ動画を見て、原作の戯曲を読み倒して、BW版のサントラ聴きまくって、当時の時代背景やプロテスタント、「叩かれることへの興味」について色んな資料を読み漁って、春めざに溺れた日々でした。

とっても興味があって、飛び込みでプロテスタント教会の礼拝にも行きました。
分厚い聖書、柔和な牧師さん、荘厳な聖餐式。無宗教のわたしには新鮮に思えるこれらすべてが、彼らにとっては良くも悪くも当たり前の日常なのだと思うと、劇中で聖書を破ったり、教会に行くのをやめたり、教えに叛いたりすることがどれだけ大きなことかわかった気がしました。

幼稚園がキリスト教だったのですが、お弁当が目の前にあるのにお祈りが終わるまで食べられないというのが嫌だった覚えしかなく、教会も生まれてはじめてだと思ったら、母に「あんたそんなわけないでしょ、幼稚園にあったわよ」と言われました。あったみたいです。


宗教、教育、家庭、哲学、性など、さまざまなテーマを孕んだこの作品。わたしがもし奇跡的に結婚できて、奇跡的に子どもを授かれたら、またその時に改めて観たい作品だなと強く思います。





今回の、若くエネルギーとやる気に満ち溢れたカンパニーの皆さん。

稽古序盤は実年齢を聞かれる度に「22歳です」と言い張っていたのですが、言い張りたくもなるくらい、全員が全員本当に輝いていて、悔しく、羨ましく、嫉妬と羨望の眼差しで稽古を見つめていました。(やな奴)

また、そんなわたしたちを多方面から導いてくださった大人キャストの四天王さま。舞台上での一挙手一投足、言葉の紡ぎ方、そして裏でのお人柄も、こんな大人になりたいと心底思う方ばかりでした。こんな大人になります!


そして、重い作品であるにもかかわらず稽古が本当に楽しかったのは、ずっと稽古場にいてくださった、演出の奥山さん、音楽監督の濱田さん、歌唱指導の安部さん、演出助手の絵理さんのおかげだと思っています。

楽しいというのも、皆さんがただ優しかったということではなく、厳しいことも、君たちなら絶対にできると信じて言ってくださっているんだということが感じられて、それが本当に嬉しかったです。自信のない箇所は自信を持つことができ、課題にも諦めずに食らいつくことができました。

本当に、ありがとうございました。



そして愛すべき、
自由人まみれのWESTチーム。






カンパニー唯一の同い年で、ダンスリーダーとして大活躍してくれた、質より量でボケるタイプ、オットー役せいちゃん🕺🏻
好きなシーンは感化院の一言目「よぉ〜しお前らァ!」

アニキ的存在でありつつ、なぜかいつもフワフワしてる。とんでもなく響く歌声はさすがオーチャードさん(事務所)、ゲオルク役真さん🕴
好きなシーンは『My Junk』ピアノレッスンの日替わりリアクション。

裏ではあんっっなに面白くて芸達者でお喋りなのに、アフタートークとカテコでは一番緊張してたカワイイ奴、テア役さく🍜
好きなシーンは『My Junk』前の女子会で、お腹抱えてキャハキャハ笑うところ。

美大卒、色白長身美人でありながら、めちゃくちゃ抜けててモノ食べるタイミングが意味わからない、アンナ役さっこちゃん🍗
好きなシーンは『My Junk』前と曲中の永遠にかわいすぎる声。

真面目さと面白さを兼ね備えたスーパールーキー、全員に愛されてわたしはもはや母のようなきもち、マルタ役まとちゃん🦦
好きなシーンは日に日に大革命が起きていった1幕のマルタ虐待告白シーン。

いつでもどこでも全力少年!周りにとってもいい影響を与えてくれたWESTのトップ愛されマン、エルンスト役よしきくん🍼
好きなシーンはやっぱり『Touch me』のソロ「もっと〜」

最年長だけど絶対にちがう。頭角を現して以降みんなからの愛といじりがチームイチ、温厚で優しすぎるヘンスヒェン役寛巳さん🍫
好きなシーンは『My Junk』内の「いいいい一分だけ!!」

くだらない会話に笑ってくださったりツッコんでくださったり、飾らずサッパリしたお人柄がだいすきな、大人の女性役フィスさん👩‍🍼
恐縮ながら好きなシーンは2幕ヴェントラ妊娠発覚シーンの愛ゆえの鞭。その瞳。

板の上では厳しい大人、裏ではいっっっつも和やかで本当にお優しく、私たちを包み込んでくださった大人の男性役こうへいさん👨‍🏫
恐縮ながら好きなシーンは『My Junk』のヘンスヒェンパパ。


そして、


イルゼ、モーリッツ、メルヒオールの3人。

劇中では、「小さい頃この4人で海賊ごっこしたよね」という旨のセリフのみで、実際4人で過ごすシーンはありません。

その空白を埋めるかのように、芝居についても、歌についても、自分自身についても、たくさん相談して、意見をもらって、話し合って、いっぱい笑って、本当に幼なじみかのような時間を共にしました。
なお、海賊ごっこはしていませんが、麦わら海賊団トークは永遠にしていました。考察も深く、そんなところにも「物語を突き詰める役者心」が出るんだなと思いました。(適当)


カンパニーイチ「陰で努力」の人。視野が360°あって、知識と経験が豊富で、悩んでいた女子ずに革命を起こしてくれて、なのに謙虚で大尊敬。だいすきなお姉さんです。イルゼ役、めうさん

天性の愛され力とセンスの持ち主。最初の歌稽古と本読みで「何この子すごい…」ってなった。裏でもとっても優しいヤツ、でもやっぱりめちゃくちゃ19歳。モーリッツ役、たきつば

2幕、ふたりの『Don't Do Sadness』『Blue Wind』と、その前後の芝居が好きすぎました。「回を重ねるごとに良くなる」界の頂点でした。ふたりのことを心から尊敬しています。



そして座長で相手役の
メルヒオール役、新太くん




いや〜〜初対面怖かったなあ〜〜〜!
初手で覇王色の覇気出せるタイプです。
とは言いつつ、別に実際新太くんが怖かったわけではなく、わたしが抱いた畏れ多さがそう思わせただけなので、仲良くなってあらびっくり、なんていいヤツなんだ!

とんでもないスキルを持ち合わせ、それに見合った底知れぬ努力もしていて、わたしにない発想をたくさん持っていて、何よりとっても気遣いの人でした。欠点どこ?でした。俳優としても人間としても、大尊敬しています。
ここだけの話、あんなにサッパリしてそうなのにめちゃくちゃ人が好きで、寂しがり屋でカワイイです。あと洒落を言わないと生きていけないみたいです。

好きなシーンは、『Totally Fucked』の爆発感と、『Those You've Known』の、なんていうんだろうな、モーリッツヴェントラの想いが伝わった感。


WESTは全員いつも楽しんでいて、面白い人ばっかり、尊敬できる方ばっかりでとっても幸せでした。皆さんとだから出せたWESTのカラー、とっても好きでした。
2ヶ月間、本当にありがとうございました!!!


本日千秋楽を迎えたEASTチームは、個々の輝きが際立っていて、パワーとエネルギーがあって、全員で前へとアツく進んでいくとってもだいすきなチームです。
切磋琢磨して、いいところ盗みあって、なのにまるで別の作品かのようなそれぞれの『春のめざめ』に仕上がり、EASTを観るのがいつも本当に楽しかったです。

若く、しっかり者が多いEAST。たくさん助けられました。本当にありがとうございました!!!





最後になりましたが(ようやく)、わたしの『春のめざめ』の"言葉"でぐっとくるポイントをほんの少しだけ。少しで終わります。もう終わります。
これはあくまで、EASTチームの一観客としての個人的意見です。カンパニーの総意ではありません。
ちょっと文章考えるのめんどくさくわたしの文才では難しくなってきたので箇条書きでお送りいたします。


◆2幕最初『The Guilty Ones』のヴェントラがメルヒオールを膝枕して歌う「少し欠けた星」という歌詞。1幕の『The Word of Your Body』内で、初めてメルヒオールに手を触れられたヴェントラが歌う「どうしてあなたが泣くの」に通じている気がして好き。

◆1幕、マルタの虐待告白シーンでのテアの「どうするのが正しいのか親以外に誰が教えてくれるの」というセリフ。その狭さが、辛い。

◆2幕、ヴェントラ妊娠発覚シーンの母へ向けた「あの時どうして教えてくれなかったの!」というセリフ。今でも通ずるものはあると思う。辛い。

◆2幕ラスト、もうヴェントラがこの世にいないことをまだ知らないメルヒオール「二人で新しい世界を作るんだ、僕たちの子供のための世界を」というセリフ。これ、14歳です。なんていうか、時代を抜きにしても、未熟で、真っ直ぐで、切ない。



好きなところは本当にいっぱいあるし、歌詞なんて全部好きすぎて全部書き出してここがねこうでさこうなってるのいいでしょ??ね??ってやりたいくらい!!そういう会やりたい!!

訳詞に限らずすべてにおいて、こうして夜通し語り合いたいほど素敵なモノになったのは、本当に色んな人たちがたくさんの時間と労力をかけて創り上げたからなのだろうと思うと、本当に舞台って奇跡の産物だなと思います。
人の人による人のための芸術ですね、うんうん。




WEST、EASTのキャストの皆さま。

この中で歌えたの幸せすぎ、2階から降り注ぐ最高の音楽を奏でてくださったバンドの皆さま。

稽古も本番も、この方々がいなかったら私たちは何もできません。いつもあたたかく(一人一人にお手紙をくださった方も…!!!)、強く、共に舞台を創ってくださったクリエイター陣、スーパースタッフの皆さま。

そして、感染拡大、酷暑、ああ雨の日もあったなあ、とさんざんな中、わざわざ足を運んでくださり、あたたかい拍手と感想をたくさんくださったお客さま。

本当に本当に、ありがとうございました。


千秋楽のカーテンコールでもお話して、実はパンフレットのコメントにも書いているのですが、兎にも角にも、皆さまにとって、この作品が忘れられない作品になったらいいなと、これ以上ない幸せだなと、思っております。


また逢える日まで、どうか元気にお過ごしください。わたしも元気に、精一杯頑張ります。

ヴェントラという役に出会えて、突き詰めていくうちにわたしと重なる部分を見つけたことによって、自分自身への理解も深まった気がしました。

モーリッツとヴェントラがずっとずっと見守り続けているメルヒオール達のこの先が、どうか幸せでありますように。

あっ、ちょっといま『Those You've Known』思い出して泣きそう!やめ!おわりっ!べべん!!


WEST🪞ヴェントラ役  栗原沙也加