私がこれから3年間通う学校は、高い塀に囲まれた古くて由緒正しい「名門女子校」だ。
偏差値は県で1、2を争うほどで、「娘がこの学校に入学したの」という言葉は立派な自慢となる。
この学校が、私の母校になる。
低レベルで、固まって人の悪口を言って、そのくせ努力をしない人ばかりが集まるあの中学校は私の母校じゃない。
母曰く、この学校はとても穏やかでゆったりとした学校らしい。
私も【女子校】という響きにはそんなイメージがある。
いつもニコニコしていて、丁寧できれいな日本語を話す上品で無邪気なお嬢さんがいる素敵な空間。
高い塀、凝ったデザインの鉄製の門、並木道、大きな校舎、噴水・・・
ドラマでしか見たことない憧れの学校。
その中に私が入る。
細くてきれいな指で軽くつねられたような、甘い痛みが走る。
私、がんばろう。
最後の青春なんだから、うんと楽しもう。
中学で出来なかったこと、たくさんしよう。
私は背の高い門をくぐりぬけ、大きくて古くてきれいな高等部校舎へと歩いていった。
大きな桜の木から花びらが散っていた。
