春の予感がする あたたかい3月。
私は進級し、大学3年生となった。
最近、『Cafe Country』という 小さなカフェと
であった。
ちょっとだけオシャレで、居心地のいいお店だ。
大学3年生って、もっとオトナだと思っていたけれど、
このカフェでも背伸びしなければならないくらい、
コドモだった。
大好きなオトナっぽい音楽や、
オトナっぽい店員、
オトナっぽい雰囲気、
オトナっぽい絵画。
どれひとつとっても、背伸びしたい私の心を満たす
新鮮な風であった。
窓の外をながめながら まだ苦いコーヒーを
ちょっとすすっていると、
チリン っと音がした。
入ってきた人に何気なく目をやったが、
もう一度見直した。
だって、このカフェの雰囲気と まったく合わない
角刈りの男性だったからだ。
スポーツの道具を一式持っていたので
観察すると、
どうやらボクサーのようだった。
私の視線に気づいたのか、
その男性は近づいてきて、
「よぉ!隣いい?」
そうノリのいい大きな声を出すと、
私が返事をする間もなく、
とびきりの笑顔でドカンと座った。