香りの音楽 #4 The Best Of My Love (Eagles) | I am say'S'

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    香りの音楽 #4 The Best Of My Love (Eagles from "On TheBorder")

イーグルスの初来日は1976年2月のこと。
イーグルスというと100人に98人?が
  『ホテル・カリフォルニア』
と答えが返ってきそうだが、このときはまだホテル・カリフォルニアは世に出ていなかった。

とはいうものの
  『テイク・イット・イージー』、
  『呪われた夜』
などのスマッシュヒットもあり、人気はじわじわと上昇中だったので、
僕は迷わずチケットを買うために銀座山野楽器の前で徹夜した。

当時はチケットの入手方法はプレイガイド、または取り扱っているお店に並ぶしかなく、
どこに並ぶかによって席は決まってしまう。

僕が並んだ山野楽器にはまだ発売前夜の22時を回ったばかりというのにすでに10数人が並んでいた。
そして翌朝、眠い目をこすりながら手にしたのが
2月7日の武道館の最前列のチケット。
中央から多少は右寄りだったけど目の真ん前に5人の姿が見えた光景と
その感激をいまでも覚えている。

ここで紹介する曲はアンコールの2曲目で流れたバラード。
当時、遠距離恋愛を完全にあきらめた仙台の女の子との別れで
淋しい思いをしていたときのこの曲、
ドンヘンリーの声はせつなかった。

そして、全員がスタンディングになって曲にあわせて体を動かしていた時、
僕の目に映ったのは、外人の若いカップルが熱い抱擁をしている姿だった。
確か女性は赤毛のショートカットだったと思う。
人目もはばからず抱き合っていた二人がとっても輝いて見えた・・・。

あれから30年あまり。彼らはその後結ばれたのだろうか?

「わが愛の至上」という邦題はただの直訳でちょっぴり奇妙な気がする。
でも、これはイーグルス最大のラヴソングといえよう。

愛すること、恋心をつのらせること・・・
人類が永遠に解き明かされることのない悩み。
どんな形であれ、愛について想いをめぐらせているあなたに
機会あれば一度は聴いてもらいたい。


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