31年目のHappy Birthday ~第2章 その日から (11) | I am say'S'

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「香り」をテーマにいろんなエッセイと小説を掲載します

      11.YUIからの助言


 高校時代からずっと続いている友に、レイともう一人YUIがいる。
 YUIは恋愛感情抜きで自分の本音を話せる貴重な存在で、
 カズエとのことはこれまで女性の立場からアドバイスをもらってきた。

 そんなYUIからの直近のメールには、
 『う~ん。
  カズエさんはナイーブになっているから、
  一日も早くあなたの気持ちを告白してあげたほうがいいんじゃないの?』
 と書かれてあった。

 僕はカズエに対する自分の気持ちを抽象的にではあるけれど
 何回もメールはしてきた。
 それに対するカズエのリアクションについては何も伝わってこない。
 何も・・・。
 Yesなのか、Noなのかすら判断がつかない。
 毎回のメールの意図が伝わってこない。
 僕の言い方が抽象的すぎるからなのだろうか?
 それともわかっても言えないのだろうか?

 少なくともカズエの親友に対して、僕がカズエを好きだということを話したことで
 カズエがなんらかの問題をかかえてしまったのではないかと思うけど、
 それを解決できる方法が「告白」なのだろうか? と考えてしまう。

 確かに自分としてはその方が楽だけれど、
 カズエはさらに重いものをかかえる結果になるのではないだろうか。

 告白するということは、僕が持っているボールをカズエに投げることであり、
 それと同時に次のアクションをカズエに渡すことでもある。

 話すべきか、話さざるべきか。
 前に進むべきか、まだ待つべきか。
 真夏の日照りの中、僕の恋心もやたら高揚してきている。
 それでも迷い続けている。
 僕が話すことで起きうる僕たちの間柄の変化がこわい。

 秋風がささやき始める夏の終わりには何が待っているのだろうか。
 



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