朝8時に起きてチェックアウトをし、福島駅から高速バスで南相馬市へ。

南相馬市は震災から5年が経った今も未だに電車が復旧してません。なので南相馬市に行くにはバスで行くしかありません。
なので1時間40分かけて南相馬市に。

向かう道中、崩れた駐車場が見えた。まだまだ完全復旧には程遠いです。

無事、市役所前に着いたら見慣れないドラム缶のようなものにアンテナと電子版が着いたものが置いてあった。放射線量を計る機械。
これが老人ホーム、小学校…歩いてるとあちこちに置いてある。

市役所の近くにある復興センターで震災被害のマップやデータを見させてもらいました。
街いっぱいが海にのまれ、放射線も蔓延した当時に比べると、今はかなり復旧したんですね。

僕がこの街に来たのは、実際に足を運んで、この目で見て、街の空気を吸って、地元の人と触れ合って、ここで作られた食べものを食べたくて訪れました。

なので美味しいご飯屋さんがないかウロウロしてたら、おばあさんが
「鞄なんてぶらさげて、あんちゃんどっから来たの？」
と言われた。

ここでは鞄をもって歩くことがないみたい。

「東京から来ました」
って言ったら
「ありがとうね」
と言われた。
少しおばあさんと話して、おすすめのご飯屋さんを教えてもらいそこへ。

まるもと食堂。
入ったらおじいさんとおばあさん、キッチンに若い女性、そしてお客さん。
席に案内され何食べようか迷ってるとおかあさんが
「今日は生姜焼き、冷(冷やし中華)もあるよ。あんちゃん生姜焼きにしよっか？」
と言われたから思わず
「はい」
と応え生姜焼き定食を食べることに。強引(笑)

少しして生姜焼き定食がきた。
すごい美味しい！

添えてある野菜を食べてるとおかあさんが
「あんちゃん、普段からちゃんと野菜食べてんの？」

僕「いえ、全然食べてないです」

「何してんの！ちゃんと食べなきゃダメでしょ！」
と怒られた(笑)

その後「あんちゃん、どっから来たの？」と言われた。
やっぱり鞄持ってるとよそ者なんだ。

「東京です」

「仕事？」

「いいえ、観光です」

「あら、そう」

また箸を進めるとおかあさんが震災時の話をしてくれました。
当時ここは津波に襲われ大変だった。
でも、地震とか津波は自然のことだからしょうがないと思えるけど、放射能はね…悔しいよ。
その生姜焼きね、全部違う県から取り寄せてんの。お米も。
来る途中、田んぼとか畑とか見た？何にも育ててなかったでしょ？まだ除染してんの。1回土掘り起こしてやったんだけどダメだったからまたやんの。
地元の食材が食べれない、売れない、使えない。こんな悔しいことはないよ。

おかあさんの気持ちを教えてくれました。
痛いほど悔しさが伝わった。徐々に数値は下がってるみたいだけど、昔みたいに数字に怯えないようになってほしい。

完食して、少しおかあさんと話して、バスの時間がきたからさあ帰ろう。
帰り際、おかあさんが
「あんちゃんもがんばんだよ」
とエールをもらいました。

南相馬市は街の雰囲気が優しく、暮らす人も優しい、温かいです。

ここでやりたい夢がある。今の自分にはできないから、もっともっと頑張んないと。

福島市にバスで戻って、またバスで移動。
今度は土湯温泉じゃー！

つづく。

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水沢寛弥でした

福島探訪 act.3