【あらすじ】
柳瀬町の神社で白坂(白石タダシ)という男の他殺体が発見された。偶然事件を聞きつけたたまきから連絡を受けた右京(水谷豊)は薫(寺脇康文)とともに捜査に乗り出す。聞き込みから白坂は殺される直前、同じ町内会のスズキと言い争っていたことが判明。右京らはスズキを探すが、引っ越してきたばかりで町内会長の池之端(高橋長英)らも居所を知らないという。スズキと思われる男がコンビニに残した指紋から、空き巣の現行犯で逮捕された江島(加島祥全)であることがわかった。江島が逮捕されたのは3カ月前。ちょうどそのころここ柳瀬町でも空き巣が捕まっている。まさか江島が柳瀬町で…!?
江島の遺体が自宅で発見された。どうやら首を吊って自殺したらしい。やはり江島は3カ月前、柳瀬町で白坂の家に空き巣に入ったところを町内会の住民によって捕まっていた。江島を捕まえた住民とは、スズキの釣り仲間・堂本(斉藤暁)だった。が、堂本はスズキが江島と同一人物だったとは気づかなかったと苦しい言い訳を繰り返す。堂本はかつて警察官として柳瀬町の交番に勤務していた。それだけ柳瀬町には愛着もあるはずだ。その堂本がなぜ町を荒らした空き巣犯を庇おうとするのか?右京らの追及に堂本は怒り出して…。
ネタバレ
だが白坂は独身で、彼に子供はいなかったはず…。
右京は古い新聞を調べ、柳瀬町で24年前に小学生の少女が殺害される事件があったことをつかむ。結局犯人は見つからず10年前に時効になっていた。
右京は町内会のメンバーを集めると、事件の真相を説明する。実は白坂殺害の容疑者スズキはもともと池之端ら作り出した架空の人物。
すべては白坂を殺害した真犯人・池之端を庇おうとして、町内会のメンバーが発案したものだった。
なぜ彼らは池之端を庇おうとしたのか。実は24年前に殺された小学生は池之端の娘・桃代だった。町内会のみんなが愛していた桃代を殺したこと犯人を誰もが憎んだが、結局時効に。
事件から24年が経った3か月前、堂本が白坂の家に空き巣に入った江島をパトロール中に発見し、取り押さえた。
しかし、江島の持ち物に、「ももよ」と書かれた筆箱があるのを気付き、江島を問い詰める。江島によればこの筆箱は白坂家から持ち出したものだった…。
当初は偶然だと考えていたが、当時の捜査資料を調べ直すほど、白坂が怪しく見え、迷った末に池之端に確かめた。
池之端と堂本が白坂を問い詰めると、白坂は
「あの娘がかわいすぎるのが悪いんだ…殺す気はなかったのに…あんなに騒ぐから…」
と物凄く気持ちの悪いことを言い、激昂した白坂に殺害された。
偽装工作の首謀者は町の自警団の団員・堂本達也(斉藤暁)。
間近に桃代を殺した犯人がいたことに気付かなかったことや、あろうことか当時の犯人捜しの輪の中に真犯人がいたことに気づかなかったことを悔やみ、堂本らは池之端を守ろうとしていた。
江島に金を渡し、花の里で酒を飲むように指示し、スズキという男を演じさせたのも堂本。
しかし、防犯ビデオから江島に辿り着かれてしまう。
江島を殺害したのも堂本。
右京が出た電話は彼がかけたもの。電話をかけ終わった後にすぐに江島のアパートに向かい、江島を自殺に見せかけて殺害した。
「スズキさんは、桃代の無念を晴らしてくれた。そして今でもどこかで、この町の安全を見守ってくれている。子供たちの安全を、そっと見守ってくれている。そんな風に思えてなりません。」
「どんなに…良いでしょうね…。それが本当だったら、どんなに良いでしょう…。」